no title

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あの日何をされたか、今何をされているかはもう理解できる。

男の手が執拗に体を撫でまわす。何かを確認するように念入りに。

脈が速くなる。その度に敏感な皮膚はすべてを感じざわざわとその波を伝え体が跳ねるように反応する。

危険回避の本能が溶かされる。それよりも初めての快楽に飲みこまれていきそうな自分に旋律した。

「やめろ…ッ…」

手は止まらない。

首筋から背中、胸を這う舌と手が戦闘の傷をさぐり、握り潰す。

激しいその痛みさえ熱に包まれ、別の甘い波動に変わる。抵抗の声は荒い息に押しつぶされる。

そして後ろから抱えられ、膝立ちになった股の内側をゆっくりと撫でられるとたまらずにわわななくような声が漏れる。

男の手は止まらず、股間にある大きくなったモノを握り、扱きはじめた。

腹の中の熱が渦まき膨れ上がる。

震え、快感からの逃げ場を探してのけぞった体は男の荒い息を受け、そのまま舌で耳の穴を犯される。

「い、嫌だ!…いや…あああっ…!」

我慢できずに腰を突き上げ熱いものを放出する。何度か繰り返し壁とベッドを汚す。

腕を離され、力なく前のめりに倒れると今度は腿を押し上げられ開いた足の間に男の体がこすりつけられる。

背中に悪寒が走る。突然体を裂くような痛みが下腹部を襲う。

大きな塊が侵入してきて内臓を圧迫する。腹が裂けるのではないかという恐怖を覚え思わず絶叫する。

構わずそれは体内を根こそぎこすり上げながらピストン運動を繰りかえす。

防衛本能からか体がその大きさに対応しようとする。

しかし、痛みが薄まる代わりに最大級の快感が動きと共に止まることなく送り出される。

その快楽を自覚することに最後まで抵抗するが、力の抜けた体ではもう抗いきれなかった。

「うっ…あ…あっ…ああああっ!」

聞いたことのない甘やかな声が止まらなくなる。

自分が発するそれをどこか他人事のように痺れた脳はとらえている。

覚醒したまま自我が溶けてゆく。

繰り返し揺らされ、もう押し寄せる快感を受け止めるだけしかできなくなった。

声は石牢に響き続けた。

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