no title

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マグニフィコは善行を他人に押し付けて感謝を求める偽善者。逆らう者は敵と認定し、癇癪とパニックを起こして自分の地位を守るために禁書に手を出す独善キャラ。


逆に、非常に良い設定なのが"男女"の夫婦の間に子供がいない事。王子ではなく王妃が玉座に付いたことで自分の中の偏見を気づかせてくれた。女性は愛した男性が例え悪であっても逆らわず、一緒に悪に染まってしまうとか、相手の男性に縋ってしまうという設定が多いが、

彼女こそ愛した夫がありながら、彼と敵対し国と国民を愛する王妃としての決断を即座に下した王の中の王だと思った。


ロサスでは18歳になったら願いを王に差し出すということに疑問を持つ者は居ない。論理的に反論しても「これが伝統で、文化で、歴史だから」と思考停止した者とそれが自分達にとって都合が良い者達から反対されるからだ。福祉の現場では、社会が立場の強い人達の都合の良いように作られていて、『この映画が説教くさいと感じる人は自分の立ち位置や自分以外の立場の人について考えて欲しい。』

伝統・慣習に対し疑問も抱かず、王の言う通りにしてアイデンティティが揺らいでしまったサイモンに私は自分を重ねて見てしまったが、アーシャのような自分の意思を突き通す強さを持てたら良いな、と思った。


夢はあるが挑戦する勇気が出ない、変わりたいけど変われない、という方にオススメしたい映画。

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