msg(全年齢版)
「ねえペトラ、肩凝ってない?よかったら僕がマッサージしてあげようか」
「えっ?でも……」
ペトラは戸惑った。確かに最近肩や腰が凝っているのは事実だ。でも、マッサージしてもらうのはちょっと恥ずかしい。
ためらうペトラの様子を見て、ラウダが笑顔で言う。
「大丈夫だよ。パイロット科は訓練や実習で疲労がたまるのもしょっちゅうだったし、仲間内でマッサージや整体を習慣づけてたんだ。だから、結構上手いと思うよ」
「そ、そうなんですね……。じゃあ、お願いしようかな」
ペトラはおずおずと頷いた。ベッドルームに案内され、ペトラの鼓動が高まる。
(ど、どきどきする……)
「じゃあ、上着脱いでベッドに横になってくれる?」
「はい……」
ペトラは言われた通りに仰向けになる。緊張からか体が強張っているのが自分でもわかる。
「ペトラ、力抜いて。大丈夫だから」
「……はい」
優しい声に導かれるように、ペトラは目を閉じてラウダに身を委ねる。
ラウダの手がペトラの両肩に添えられる。程よい力加減で揉まれ、心地いい。それでも落ち着かない自分がいる。それを感じ取ったかのように、ラウダが囁く。
「ペトラ、深呼吸してごらん。ゆっくりでいいから」
「……わかりました」
ラウダに言われるがままゆっくりと息を吸って吐く。
「そう。上手だよ、ペトラ」
ラウダの優しい言葉に導かれ、するとだんだん力が抜けていくのを感じた。「じゃあ、続けるよ」ラウダの手が肩から腕へ、そして肘から指先へと下りていく。
「痛くない?」
「大丈夫です」
「そう。なら良かった」
ラウダは安心したように微笑むと、ペトラの手のひらを揉み始めた。
「あ……気持ちいいです……」
「それは良かった」
ラウダは嬉しそうに微笑むと、今度は親指で指の付け根をぐりぐりと押す。
「あ……そこも……」
「ここも痛気持ちいいよね」
ペトラは目をぎゅっと瞑り、快感を享受する。
「うん、だいぶほぐれたな。じゃあ、次は背中。うつ伏せになれる?」
「はい」
ペトラは言われた通りにうつ伏せになる。するとラウダの手がペトラの背中を揉み始めた。
「んっ……」
思わず声が漏れる。しかし、ラウダはそれを気にせずに続ける。
「痛かった?」
「いえ……大丈夫です」
ラウダの手が背中全体をまんべんなく揉んでいく。揉まれるたびに身体が軽くなっていく気がした。
(ああ……幸せだなぁ……)
ペトラはそんなことを思いながら、ラウダの優しい手つきに身を任せた。
「ペトラ、気持ちいい?」
「はい……とても……」
「よかった」
ラウダの手が背中を上下に動き始めた。肩を揉まれた時とはまた違う心地よさにうっとりしてしまう。全身の緊張がほぐれていく。ラウダが揉んでくれる箇所から痛みが消えていく。
「ラウダ先輩、すごいですね」
「そうかな? ありがとう」
ラウダは照れたように笑う。ペトラは胸が高鳴るのを感じた。この人のことが大好きだ。心の底からそう思う。
「じゃあ、次は腰ね」
そう言ってラウダはペトラの腰に手を当てる。その瞬間、ペトラの身体がビクッと震えた。
「だ……大丈夫です!そこは……」
「そう?じゃあ、やめるけど」
ラウダの手が離れる。ペトラはほっとしたような、でも少し残念なような複雑な気持ちになった。
「あの……ありがとうございました。身体が軽くなりました」
ペトラが顔を上げると、ラウダが優しく微笑んでいた。
「どういたしまして」
ペトラはラウダから視線を逸らす。顔が上気しているのが自分でもわかる。
ラウダにマッサージしてもらって幸せだった。でも同時に、好きな人の手が自分の身体に触れたという事実に、ドキドキが止まらない。
「ペトラ、顔赤いけど大丈夫?」
ラウダが心配そうに覗き込んでくる。
「な、なんでもないです!」
「そう?また疲れたら言ってね」
ラウダのその言葉に、ペトラの心はすっかり溶けてしまった。