morning

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神永 side in

朝日が眩しい…夜が開けたようだ、時間は…朝の6時。夏休みにしては健康的な時間に起きた、もう少し寝たいところだが9時には美作がやってくる、朝食とかの準備を考えたらそろそろ起きないと行けないだろう…

「…重い」

なんか重たいと思ったらライダーの足が腹の上に乗っていた、なお現在ライダーはうちにあった寝巻をインナーの上から着ている。

「…随分と無防備じゃないか、ライダー」

そんなことを言いながら足をどけ朝食を作りに台所へ向かう、確か冷蔵庫に卵とベーコンが残ってたはずだ


神永side out


ライダーside in

サーヴァントには睡眠は必要ない、だがそれはそれとして魔力の消費量を抑えることが出来るため決して無駄になることは無い、当世の布団が寝心地良かったとかそんな訳では無い。そんな言い訳をしながら目を覚ます。

目を覚まして最初に入ってきたのは鼻腔をくすぐる香ばしい香りとパチパチという心地のいい音だ。

「…一体これは何でしょうか」

そんなことを思いながら居間へと向かう。

居間にあるちゃぶ台には色とりどりの野菜が使われたサラダといくつかの調味料と思しき瓶などが置かれている。

(主殿は…台所ですか…)

未だ覚醒しきっていない頭で台所を覗く、そこにはフライパンで何かを焼いているマスターがいた。


「…ん、ライダー起きたのか」

こちらに気づいたマスターが声をかけてくる

「おはようございます、主殿。それは朝餉でしょうか?」

「ああ、もう少しでできるから先に座って待っててくれ」

そう言われては何もすることは無い、皿なども全て用意されているため手伝いも必要ないのだ。

「おまたせ、朝食はベーコンエッグとトーストとサラダで…あ〜分かる?」

どう説明したものかと困惑した主の姿を見て可愛らしいと思ってしまったのは秘密だ。

「聖杯から当世の知識は得ているので問題はありませんよ、横文字も使っていただいて大丈夫です」

その言葉を聞いてホッとした主殿を横目に供された朝餉に目を向ける

カリカリに焼きあがったベーコンにその上に被せるように焼き上げられた目玉焼き、主殿のは半熟でこちらのものはかた目なのは昔は生の卵を食べることは危険だったため食べ慣れないだろうと気を使ってくれたのだろう。

冷めてしまうのももったいないため早速両手を合わせ

「では、頂きます」

「はい召し上がれ」

ベーコンエッグはベーコンの塩気が卵の滋味の組み合わせで程よい塩気に変わりたまらないものに、トーストも程よいこげ目と中のしっとりとした部分のコントラストが素晴らしい。トーストの上にベーコンエッグを載せて食べればもう手が止まらない。おっと、サラダにも戴かないと。む、サラダの上にのっているのは焼いたパンの欠片だろうか

「それはクルトンって言うんだ」

クルトン、可愛らしい響きだ。それにこの乳白色のドレッシングとの相性が最高だ。サクサクとした食感と野菜のハーモニーが素晴らしい、こちらも手が止まらない

全く、食はここまで進化していたのか…


「ご馳走様でした」

我ながらはしたない…自分の分を食べきったというのに主殿からベーコンエッグとトーストを分けてもらうとは…、しかし半熟のものもとても美味だった…

「はいお粗末様、時間的には…1時間ぐらいは余裕があるな、洗濯機回してて正解だったな」

そんなことを言いながら主殿は皿を台所に下げる、自分の分程度は自分で下げさせてもらおう。

「主殿、何か手伝えることはありますか?」

その言葉を聞いて主殿は

「じゃあ洗濯物を干すの手伝ってくれるか?大物があるんだ」

そんなことを言いながら洗い物をする手は随分と慣れているようだった。


ライダーside out


神永side in

ライダーが食事の後に手伝いを申し出てくれたので遠慮なく力を借りることにした、と言っても洗濯物を干す際に手伝って貰う程度なのだが

「主殿、此方をどうぞ」

なんというかライダーの才能を無駄に使っている気がする、自分の欲しい洗濯物を先回りして手渡しかつシワにならないように纏める…ほんと無駄なことをさせてる感が…

「…サーヴァントに家事手伝いさせてるマスターなんて初めて見たわ」

生垣の向こうから美作が声をかけてきた、約束の時間より30分程早い気がするんだが…

「多少早く来ても問題は無いでしょ?上がってもいいかしら?」

随分と図々しい言い草だ、だが手を話せないのも事実

「先に居間に行っててくれ、干し終わったら向かう」

そんなことを言いながらまたお気に入りのお茶飲まれるんだろうなと若干寂しくなった…

神永side out

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