現パロ仲良しハスティー兄妹とヤンマ総長のお話
長い幻覚をみたよ。この時空だと総長バイク乗ってるしラクレス様はプリウス乗ってるよやめろ!ってうっかり手で払いのけてしまってパシって音にびっくりして目を見開くギラちゃん。ただ触ろうとしただけなのに…あっ触るのがダメなんだ、どうして?もしかして今までもダメだった?迷惑だった?嫌がられてた?嫌われてた?…嫌われたんだ…って鮮やかな脳内コンボ決められてさっくり距離置かれますね!
ラクレス兄さん大勝利。あんな不良に近付けてはいけないなって苦心惨憺してたので心が軽くなるけど、見るからに意気消沈したギラちゃんが逆に可哀想になってくるんですよ。
一方、ヤンマ総長は総長でヒメノ様に物理でボコられるわジェラミーにお前さん…って絶句されるわリタ先輩には有罪判決でカグラギ殿には飲みに誘われるわシオカラ君以下仲間にはマジっすか?どう見ても女の子スけど何に見えてたんスか?え?喋るレッサーパンダ?まあ確かにって温かい目で見られるわでボロボロなんですよね。100%総長が悪いんですけど。
知り合ったのが冬あたりでどんどん薄着になるにつれて、あれ?なんかおかしくね?って思ってたんだけど先日、何の気無しに肩を抱き寄せた時に勢いついて触って気付いてしまったんですよね。ふかふかとした柔らかい感触と上から首元覗き込んでちらりと見えたスポーツブラの肩紐。うん、100%総長が悪いし有罪でした。
それまでは時間があえばコンビニの駐車場で近況ダベって雪見だいふく半分こしたり雑誌コーナーで最近の話題を表紙でチェックしたり。レジで並ぶの嫌だからって総長がまとめて会計してくれたり(中の人ネタ)、わからない事を教えてもらったり、バイクの後ろに乗せて送ってくれたり…改めて考えるとぼく、ヤンマに甘えてたなあ…って。図々しくて嫌いになって当たり前だよね、って、ぽろぽろ泣きながらラクレス兄さんに話を聞いてもらうんだよ。
ラクレス兄さん基本は真面目な社会人だから、ああいう半グレまがいのベンチャー野郎はいけすかないんだけどね。一人の大人としてギラちゃんを諭すんだよ。
あの風体の大の男がやりたくない事をやる筈がない。そんな風に彼を考えるのはかえって失礼ではないかい?楽な方へ考えるのはやめて、これからどうしたいかを考えなさい。
……ヤンマと今まで通り仲良くしたいって小さな声でギラちゃんが言うので、じゃあどうしたらいいのかわかるね?うん、ちゃんと話してくる…って。
ラクレス兄さん的にはかわいい妹をこんなに泣かせて仲直りどころか裏庭に穴掘って埋めてやりたい位なんだけど顔には出さずに、がんばりなさいって背中を押すんだよ。
それでギラちゃん家を出ながら、ヤンマを呼び出そうって電話かけるんですけどスマホの着信音がすぐそばできこえて。おうちの玄関先の道路で佇んでたんですよね、総長。
自分でもストーカーじみててドン引くわーって思いながらも、せめて悪気はなかったって伝えたくて、でもなかなか訪ねることはできなくて路駐したバイクにもたれかかって玄関のドアを眺めてました。
そしたらギラちゃんがパッと顔を輝かせて、ヤンマ!って抱きついてくるんですよね。会いにきてくれたの?って、反射的に体が強張るけど、ここで突きとばしたりしたら極悪人なので離れたくなる衝動と戦って…ふと閃くんですよね。これ俺の気持ちの裏返しなだけじゃね?って。なので、逆に抱きしめてみたら、すごくしっくりきたんだよ。
そうとは知らずに、受け入れてくれた!ってギラちゃんはとっても嬉しくて、嫌われてなくて良かった、やっぱり兄さんはすごい、大好きだなって。
そのままの笑顔で総長を見上げると、なんだか真面目な顔をしていて「ギラ」ってはじめて名前を呼ばれるんだよ。
ほっぺたをなぞる指で顔を持ち上げられて、憂いを帯びた総長の表情をよく見たくて、踵をあげて背伸びしたら、…あっこれもしかしてキスされる?えっ、なんで?でも嫌じゃないから嬉しいな…って瞼を閉じるんですけどね、直後に後ろからベリって引き離されるんですよ。額に青筋浮かべたマジギレ顔のラクレス兄さんでした(財布忘れてたから追いかけてきた)
一方、腕の中のキス待ち顔のギラちゃんが消えて「ア゛ァ?!」って物騒な怒り声が反射的に出てやっぱり総長も青筋立ててしばしメンチ切り合いですよ。顔近い顔近い。
「…私の家の前で私の妹に何のようだね?」
「…見りゃわかんだろ、引っ込んでろや…」
一触即発の気配に間のギラちゃんめちゃくちゃ怯えるんだけど、やはりご近所様に悪いので勇気を出して兄さん、ヤンマって呼びかけると「…チッ」って同時に舌打ちして顔背けるんだよね。兄さんぼくよりヤンマに顔近かったよ?!ってツッコミは「やはり埋めるしかないのか…」って不穏な呟きで引っ込められて、問答無用で手を引かれておうちにしまわれてしまいます。
しまわれ際にドアの向こうから「ありがとう、ヤンマ!また明日ね!」ってギラちゃん叫んでくれたので次の約束がじんわり嬉しいのと、自分の気持ちが理解できたのでスッキリして総長も帰りましたよ。
こうしてギラちゃんは再びお膝の間に座って総長を背もたれにしながらパピコを半分食べる権利を獲得したのでした。実兄があんだけベタベタしてんなら俺もこれくらい許されンだろって総長は開き直ったけど周囲は、むしろ何でそれが許されると思ったんだい?付き合ってないのに、それ?!ラクレス殿を飲みに誘わねば…。シンプルに有罪って反応だし、シオカラ君達はさすが総長!応援してますのではよ告れ!ってなるんだよ。
後日、ラクレス兄さんは穴掘り用ショベルを成城石井に買いに行ったけどお取扱いありませんって断られたんですよ。おしまいです。