トドメ
魔刀少女>>42
「はえー、おっきい……なんか、すっごく悪の居城ってカンジ!」
【きらきらと目を輝かせる魔法少女】
「……んんっ、いや、ほんとに悪の居城なんだけど……」
【さすがに一国の危機的状況でワクワクしちゃダメダメ!と首を振って気を取り直した】
魔刀少女>>49
「ネガティブ! またあなたなのね!!」
【今度はまたですね】
「負けないんだからぁ……!」
「変身ッ!!」
【白い蝶のバッジがついたコンパクトを手に取り、蓋を起こして手に取る】
【コンパクトから溢れた白い光がリボンの形を取り、魔法少女の体を包んだ】
【巻きついたリボンが膨らみ、ドレスの形を作り……】
「……——敵の居城なら、この手が使える。」
【光が晴れると、そこには白くふわふわとした翅を背負った、柔らかなフリルドレスを纏った魔刀少女がいた】
「死と灰の魔法少女、ホワイトアウト。」
「燃える黒い意志よ。白く燃え尽きて、白く、白く……枯れ朽ちなさい」
「『白浸灰滅/ピュア☆ホワイトアウト』」
【背中の翅を羽ばたかせると、白い魔力の風が吹き荒れる。】
【その魔力は空気を、土を、敵を侵し、毒の灰に染め上げる。死灰の魔力が吹き荒れ、世界が一部だけ白く染められた】
【死灰は万物を侵食し……広がる。世界に根付いたネガティブを、まとめて灰に還していく】
「凍えなさい」
【次いで、魔法少女は方手を持ち上げると、ネガティブの巨大な手に対して差し向ける】
【そしてもうひとたび、背中の翅を撃ちつけると……今度は極寒の凍気が溢れて死灰の風と共にネガティブの手と根を襲い、凍えさせ、凍りつかせて動きを鈍らせた。】
蒼鎧少女>>49
「……来ますねっ!」
「"十字星条(ブリランテ)"!」
【蒼い残光を残して姿を消し、目にも留まらず駆け回る。空中に無数の斬撃を刻み——空中で交差した斬撃は、その場に固定されて刻まれる。】
【配置した斬撃は攻撃を防ぐ味方のためのバリケードとして、衝突した敵を切り裂くトラップとして同時に機能する】
【更には——…】
【駆け回る蒼鎧少女に巨大な手が迫る。今にも押し潰そうと迫る手に対して、蒼鎧少女は刻んだ斬撃に双剣を振るう。】
【……——蒼鎧少女にとっては、置いた斬撃は更に斬撃を重ねることで束ね直し、新たな武器にも。】
「——ブリランテ・〈レクイエム〉っ」
【大きく広げた十字が並び、横の線が重なって大きな門のような形状を取る。】
【大きな門が巨大な手を囲うと、繋がった横線が輝き——……バツン、とギロチンのように堕ちてくる。】
【巨大な手を地面に叩きつける形で落とすギロチンによって、攻撃は蒼鎧少女の手前で食い止めらなれる】
【……重ねて、】
「〈グローリア〉!」
【巨大な十字を形成する。巨大な剣の形状をとった斬撃をその手に突き刺し、地面に縫い止めた】
魔刀少女>>106
【残酷な欲望を叫び、悪しきエネルギーを吐き出す怪物を眇めて見つつ、白い少女が静かに片手を掲げる。】
「……——“回収”。」
【ぼう、と白い魔力が炎のようにその手から立ち上る。次の瞬間、ざわざわとあたり一面が不気味にさざめき出した。】
【その音の元は、広がった死灰。物体を侵食して一面に広がった白い灰が蠢いてざわめく音を立てているのだ。】
【そこから掌の炎に吸い寄せられるように白い胞子のような光が──魔力が浮かび上がり、開始の巻き戻しのように戻っていく】
【死灰は物体を侵食し、増殖する。そしてのその死灰の元は、魔刀少女の白い魔力である。】
【死灰の性質を帯びた魔力は物体を侵して死灰に変えるが、その死灰は同時に侵食して増えた魔力でもあるのだ。】
【死灰を魔力へと還し、回収する。そしてその白い魔炎をもう片方の手にある刀に纏わせ——振り下ろす。】
【白刃が閃き、ズドン、と轟音を立てて正面一帯が絶たれる。】
【地を薙ぎながら飛ぶ斬撃はその過程で死灰を巻き上げ、斬撃の中に孕みながら猛進する。】
【大量の魔力と毒の灰をたっぷりと含みながら凶刃が飛び、咆哮を切り裂いた】
「最後の足掻きね……なら、これでトドメを刺してあげる」
【白い炎のバッジのコンパクトを開く。溢れる光のリボン包まれると、光が弾けて普段の魔法少女衣装に戻った。】
「女王さま、お願いしてもいいですか? ……可能なら、国のみんなにこの姿を届けてほしいんです」
【しかし、その姿には明らかな違いがある——髪色が鮮やかな金髪に変化して、背中に大きな天使の翼が生えているのだ。】
【純白の羽毛に、一部に散りばめるように燃えるような紅色が差された大きな翼。】
【花飾りと金の飾りが施され、豪華ながら可愛らしく彩られている】
【加えて細く長い翼がもう二対。】
【金糸で飾られた翼を、祭司が首にかける「ストラ」のように首にかけるように羽織り】
【腰からも紫や桃色のコサージュとヴェールで飾られた翼を垂らし、腰にストールを巻いて背中側から垂らしたような格好になっている】
【操る魔法は——】
「『守護の祈り/リリカル⭐︎プロテクション』!」
【少女が祈りを捧げると、天から光が降り注ぎ……味方に護りの加護を与える。】
【神聖魔法を使うこの形態は、魔刀少女が持つ力の中でも護りに長けた姿なのだ。】
【そしてもう一つの特徴。】
【掌の上に白い焔を灯し、聖火を掲げるごとく恭しく、高く掲げる。】
【先程の死の魔力とはひと目見て異なる、神聖な力を帯びた聖火。】
【──聖火と加護の魔法少女。】
「『神の火/アウリエル』」
【その魔法は、想いを力に変える魔法少女の特性を強く反映したものだった。】
【祈りを、信仰心を力に変える、神聖な力を帯びた炎。】
【祈りという性質からか、その炎は魔法少女本人の想いだけではなく、炎に対する多くの人々の祈りも力に変える。】
「この炎に、祈りを。…——お願いします。この国のみんなに、共に戦ってほしいんです」
【この戦いの成功を祈る、多くの民々の祈り——それを、この火に集める。】
【ゆえに、少女は強く祈る。彼らの切なる祈りにこそ、誰よりもこの世界の救済と未来を望む彼らの想いをこそ、貴び掲げ、そこに祈りを捧ぐ。】
【大きく、大きく、炎が成長する。そしてその大きさ以上に、希望を届けんと強く強く光を増す。】
「………いっ、けぇぇぇぇえええええええ━━━━ッッ!!!」
【裁きの炎が振り下ろされ、高く高く爆炎を立ち上らせる。】
【ずっとずっと遠くへその光を届かせんと、希望の狼煙をここに上げんと、空へ祈りを届かせるように。】
蒼鎧少女>>106
【勝てるわけがない。そう直感的に思った。】
【いや、これはまやかしだ。相手の攻撃が内包する精神汚染によるものだ。そう首を振って否定する。】
【しかしその攻撃を見た時に浮かんだイメージは、まさしくそういったネガティブ……】
【——絶望そのもののイメージだったのもまた、決して間違いではなかった。】
「違う。けど……違くない。けど、やっぱり違うッ!!」
【勝てるわけがない。……わけがない。これだけ頼れる味方がいて、すぐ隣には敬愛する師匠もいて、私の手足は今も動く。】
【だったら、絶望する暇なんて———ない!!】
【心の力を爆発させ、全身から眩い光を放つ。】
【その光が迫り来る闇を退け、瞬く間に溶かしていった。】
【ネガティブが相手なら——絶対に負けないポジティブな気持ちで、】
「——心の力の勝負なら、絶対に勝てるって思ってる方が……」
「…——ポジティブな方が、勝つに決まってるじゃないですか!!」
【根拠とも言えない根拠だが、蒼鎧少女には根拠のない自信があった。】
【その根拠のない自信こそが……根拠がなくとも信じられる自分こそが。今、体から溢れるこの力なのだ!】
「どんな時でもポジティブハート! 師匠譲りの、最強の武器ですっ!!」
【そして、蒼鎧少女にとっての最強が——最強の根拠が、そこに追加される。】
【こうなればもう無敵だ。負けるわけがない。根拠はないが、確信はあった。】
【溢れる力の衝動に従うように走り出す。】
【輝く想いを剣に込め……闇の濁流もものともせず、掻き分け、割り裂きながら前進する。】
「ほら、こんなものじゃ……絶望くらいじゃ、私の足は止められません!」
【最も頼りにする自らの脚を踏み出し】
「こんなものじゃ、私の剣は防げません!」
【最も信じる自らの剣と、剣技を振るい上げ】
「こんなものじゃ、私の心は、折れません!」
【最も愛する家族への想いを、胸に宿し】
「私は!! あなたなんかに負けません! 負けるわけがないッ!!!」
【全身全霊で、闇を切り裂いて道を斬り拓く】
【想いの力を出力するのは魔法少女としての加護によるもの。】
【しかし、溢れる想いの強さは——闇を振り払う力は、紛れもなく蒼鎧少女の心そのものだ】
「ブリランテ・<グローリア>!…——」
【道中、闇を割くために振るった斬撃を重ね、巨大な剣とする】
【それを更に"自分の剣に"重ねることで、手にした二本の剣を巨大な剣に変化させた】
【雷を帯びた左肩のマントを翻し、巨大化した双剣に雷を纏わせて振るう。】
【すると雷撃が一直線に伸び、黄金の光で闇を払いながら怪物の喉元へと雷の道を描いた】
トライアンフ・ レイルロード
「いっけええええーーー!! ……——〈栄光の架橋〉ッ!!」
【電磁加速。"速度"の属性を帯びた雷によって、自らを"射出"する。】
【輝きを纏いながら飛び出した蒼鎧少女の手によって……怪物に、一直線に巨大な剣が突き刺された!】