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1人を刺せば上に上がる


もう1人刺せばもう一度上に上がる


相手の胴を突き刺す


また刺す、最後まで刺す、1人になるまで


俺が全員を殺すまで終わらない



𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄

「___選手!2連覇達成!!」

聞き飽きる喝采は浴びる事に軽い音に変わっていく。

空虚だった。


だが アレだけは重いままだ


相手を突き刺した時の顔

敗北を知った顔 網目の先に映る絶望の顔


足を前に出したあとの感覚は忘れられない 軽くならない


自分が勝つということは相手の未来の道を1つ断ち切ること

相手の人生を終わらせる


(またその目か)

一段下の死骸が視線で突き刺す。脳のアルバムにまた顔が追加される。

俺にどうして欲しいのか分からない。


ただこの罪を背負うから我慢して欲しい

殺した君を一生忘れないから



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「お疲れ」

「ん、どうも。来てたのか」

「そりゃ幼馴染だかね。2人も外で待ってるから早めに着替えなよ?」

「分かった分かった、お前も倒れる前に早く外に行っとけ」

無駄に急かされるなと思いつつも、頬は緩んでいた。


勝者の帰路は周りよりも遅いはずなのだが、未だに光る控え室が湧き上がるような泣き声でアリアが向かえる。


中にはこの夏が終わりだった者もいるのだろう。

朝には小生意気な坊主を倒す気でいた彼らは面影なく、彼に跪き、喚く。



(また俺に記憶を押し付けないで欲しいなあ)


無傷の身体なりに理解しようとはしているが経験のないものは理解できない設計のようだった。


だが苦しくはなる 勝ったはずの心は被害者たちの声で重くなる


大丈夫、ヒーローになればこの罪は消える

それまでは、それまでは、それまで

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「ごちそうさまでした。」

本館から少し離された自分だけの部屋で、1人の祝勝会をおわらせた。


生まれてこの方許されていない人との会食

自分のように恨みを買った相手から何をされるか分からないという配慮らしい


(そんなに怖いならやり方くらい変えればいいのに)

自分と同じ罪を背負っているはずの父親

毎日見ているはずの顔は未だに定まらない

最終的には自分もその顔になるのだろうか


いや、違う

「俺は人をいっぱい助けるから、ああはならない。姉さんも、弟達も、みんな、みんな助ければ俺は救われるから」


いつかの本に乗っていた彼のように、全員を助ければ 罪は清算されるはずだから

だから 今は許してください


「そうだよ、アイツらだって俺が生きる意味を与えられた。俺は救えた、だから家族くらい救





「は?政略結婚?」


ははは 長男様はお家のことは気にしなくていいとはいいご身分だ

辞めておけまた父上に叱られる 傑作くんは偉いんだから

俺らみたく道具に目を当てる暇もないほど忙しいんだから仕方ない


違う

まだ助けられるはず

まだ何もしてない 何もしてあげられてない


いつもの啜り泣く声のする扉の前に立つが、何も聞こえない


「姉さん、話を聞きました。今回のことって」


「あの姉さん。俺からも父さんに言って待つように言うから」


「あのさ姉さん、まだ、まだ間に合うよね。だって姉さんまだ大学も出てそんなに経ってないしさ!ほら!まだ、まだだよ…あのさ」


言い訳のようにつらつらつらつらと話しかける。

ただの自己保身のためなのに相手を思いやるつもりで。自分は助けたかったと言い聞かせる。


もう何も無い部屋に言い聞かせる




結局 君は 自惚れていただけだ


人殺しは 誰も救えない



僕の手は人殺しの手だから

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