dress up

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神永 side in

教会へ行くこととなったのだが問題がひとつ発生した、ライダーが「私も現代の服を着たい」と言い出したのだ。と言っても家にあるのは自分用の男物のみで女性物は親が亡くなった時に処分してしまった。流石にライダーに俺の服を着せる訳には行かないのでどうしたものかと悩んでいると美作が「私のお古とかでいいならそれでいいかしら?」と提案してくれたのだ、ということで一先ず教会に向かう前に美作の家に行きライダーの服を見繕うことになったのだが…

「長い…」

バーサーカーと共に客間で待ち惚けすることになってしまったのだ。

女性は服を選ぶのに時間をかけると言うがやはり長すぎるのではと思う。尚バーサーカーは中に入り確認を取ろうとしたところでものを投げつけられ半泣きで戻ってきた。

「話聞こうとしただけなのにそりゃないぜ…」

「まぁ着替えしてるかもしれないとこに入ったらな仕方ないな…」

そんなことを話しつつ二人で紅茶を頂く、これでもう3杯目、バーサーカーに至っては6杯目だ。

何時になったら終わるのか…

───

「おまたせ、ようやく決まったわ」

そんなこんなでライダーの服選びが終わったのは日が傾き始める程だった

「…そんなに服あったのか」

「ええ、一着だけだとあれだから複数のセットをね」

「…なるほど確かにそれは時間がかかる」

「そうなのよ、しかもライダーのスタイルが良いからか家のメイドも張り切っちゃって母様の使わない服まで持ち出してね…バーサーカー!起きなさい」

眠りこけてたバーサーカーが椅子ごと後ろにひっくり返って頭を抑えているのを後目に部屋の入口に目をやる

そこには可憐さと活発さを兼ね合わせた服装のライダーがいた。

言い方が悪いがライダーの戦闘時の服装の方が余程露出は多いはずだ、それなのにライダーの天真爛漫さや美しさ等を完璧に引き出している…恐るべし、美作家のメイド…

「どうですか主殿!似合っておりますか?」

「え、あ…ああ、似合ってるよライダー」

それを聞いたライダーは何処かはにかむよう照れていた。

「これで教会へ行く準備は出来たわね、この時間だと終わったら夜になるわね、帰りは警戒しないとね」

全く誰のせいだと…いやライダーが5割は悪いな何も言えん。

「ッテテ…とりあえず向かうって話でいいんだな?よっしゃ行こうぜ!」

暇で暇で仕方なかったのかバーサーカーは元気よく吠え真っ先に玄関へと向かった。

…いや多分礼装の準備とかも含めるとあと少しかかるぞ?


神永 side out


穂乃果side in

ライダーを着せ替え人形にするのに時間がかかってしまってもう夕方になってしまった、本来なら日出てる昼のうちに教会に行ってなるべくこちらの情報を他の陣営に漏らしたくなかったのだけど…

「まぁ、昼だろうと教会の周辺に使い魔を用意して観察はしてるでしょうね」

そんなことを教会へ向かう道すがら神永クンへ話す

「そうなると俺たちが同盟組んでいることが他の陣営にバレないか?」

至極真っ当かつ当たり前のことを返してくる、まぁ頓珍漢なことを言うよりは万倍増しなんだけど

「そうね、ただ遅かれ早かれバレるのだから問題は無いわ、むしろ他陣営への牽制になると考えればプラスにはなる」

そう、自分にも言い聞かせるようにしながら

「しっかしこれだけ日が沈んでも明るいたァ良い時代になったなぁ」

そんな呑気なことをバーサーカーは言いながら歩いているそれに同意するように

「ええ、確かにこれだけ明るいのなら夜襲などの心配はしなくていいでしょうね、その分こちらの姿がはっきり見えてしまうのは厄介ですが」

ライダーは剣呑な返事を返す、全く話が噛み合っているのか居ないのか分からない。むしろライダーの方がバーサーカーなんじゃないかと思う時も時々あるぐらいだ。

そんなどうでもいいことを考えていると何かが探知に引っかかる。ざっくり10メートル程先のビル同士の間にある路地、そこに人ならざる反応がある。

「…バーサーカー」

「おう、わかってる」

そんなことを言いながらバーサーカーは周囲を確認する、いつの間にか人避けの魔術が使われたのか周囲には人影がない、いるのは私たち4人だけだ。

「いつの間に人がこんなに居なくなったんだ?」

アイツは探知が下手くそなのかただただ鈍感なのか異変に気づいてない。

「敵襲よ、いや私たちが迷い込んだのかもしれないわ」

「なっ!?」

「とりあえずバーサーカーに偵察してもら…」

そんなことを言おうとした瞬間にライダーの姿が消えた。

「───は?」

その速さは橋の戦いの時と同じくらい、のはずだ。だが近くで感じるのと遠くから観察するのではここまで違うのか、一陣の風が吹いたと思ったらライダーの姿が掻き消えたのだ。

穂乃果side out

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