cursed girl

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穂乃果side in

校庭にひしめく妖蛇達を蹴散らし体育館へと突入した

そこには想像だにしていない光景が広がっていた。

「ッぐ、くぁッぐ…ああああああああああああああ」

体育館の中心にてアイツが言っていたであろうアサシンが凄まじい魔力と恐ろしい強度の呪いに蝕まれ暴れていた。

「───は?」

そして暴れ周囲のものを破壊しては血を流し流した血から校庭にいたような妖蛇が生み出されている。いや呪いが血を媒体に肉体を得ているのか?

「おいマスター、さっさと倒すぞ」

バーサーカーから怒気が漏れ出している。

今までの英雄然としたバーサーカーの態度からは考えられない代物だ。

「アイツのやらかした事じゃあねぇが見てて気分のいいもんでもねぇ!」

身体から雷を迸らせながら戦闘に入ろうとした。

アサシンは未だ中心でもがき苦しんでいる。

「行くぞマスター!」

「いや、待って!バーサーカー!彼女を中心に魔力が渦巻いて」

バーサーカーが向かおうとしたその時、広がっていた呪いや魔力がアサシンを中心に集まって───

「いや、いや!やめて…私じゃ、私じゃない…!なんで…何故!御館様!何故そのような!!いやいやいやいやいや許して許して助けて御館さ─」

───変生・伊吹大明神縁起

彼女の口から、彼女自身の意思では無い宝具の真名解放が行われた。

その瞬間、体育館が爆ぜた。

穂乃果side out


アサシンマスターside in

時は少し遡る、隼人たちが学校に突入する少し前、ホテルにて。

「ふむ、ライダーとバーサーカーが責めてくる…か」

使い魔の蛇と感覚を共有し状況を把握するマスター。

『アサシン、そちらにライダーとバーサーカーが向かっている。魔力は充分集まっている、相対したら即撤退だ。いいな?』

『畏まりました、何体か蛇を放ち時間稼ぎに使いたいのですが』

『良いだろう、許可する』

そう言って念話を終え儀式の準備へと移る。

我が家の魔術、正確には呪術だが蛇を用い呪いを対象に付与するものだ。蛇切縄というこの日本にも近い儀式があるそうだ。

そのため既に蛇による呪いを受けたアサシンの呪いを増幅、形代となる人形にそれを転写することでリスクを減らしつつ強力な使い魔を呼び出せるようになる。

「これが甲賀三郎では上手くいかなかっただろうな、アレは蛇による呪いだが当人にとっては加護と変わりない、何せそれを克服し更には神にまで上り詰めたのだか」

故に呪いを呪いとして生涯を遂げた望月千代女という忍者は私とは能力的には相性がいいのだ。

「既に準備は終わった、後はアサシンにはマスター達を探ってもらいこの呪いで確実に呪殺する、ふふ我ながら完成度の高いプランだ」

「ほっほ、それはそれは怖いのう」

「……!?一体誰d「ほれ、似合っておるぞ」」

頭に何か布のようなものを被せられ意識を失った。

アサシンマスターside out


???side in

「さて、では令呪でアサシンに最も被害が出るように命じてもらおうかの」

「は、ハい。令呪ヲ持っテ我がアサしンに命じル」

───呪を受け入れよ、重ねて命ずる、その身を呪により変生させよ、さらに重ねて命ずる、自らの宝具を開帳せよ。

その後アサシンのマスターは糸を切られた人形のように倒れ込んだ。その肉体には蛇が巻きついたような跡が付いている

「ふーむ、パスを通じて呪詛返しが起きたかいやはや恐ろしい恐ろしい」

───これでようやくセイバーを引きずり出せるわい。

その一言ともに部屋から人影は消えた。残っているのは呪いに蝕まれ命を落とした男のみ

???side out


???side in

先程のホテルとはランクの違う市街地に存在する高級ホテル、そのワンフロアを丸々貸し切った男性がワインを片手に水晶玉を見ていた。

「…ふむ、キャスターめやってくれたな」

苦々しい顔をした男はワインを一息に飲み干す

「これでは我らも戦場に出なければなるまい、恐らくは監督役から招集がかかるだろうな」

そう言って来ていたバスローブを脱ぎ捨て紅いスーツを身につける

「セイバー!件の学校に向かうぞ」

虚空から鎧姿に大剣を背負った男が姿を現す。

「───了解した、俺の出番だな」

「貴様の願いに相応しい市井の民を護る仕事だ、存分に力を振るえ。宝具の開帳も許可する」

「良いのか?」

「問題は無い、その程度のハンデがなければ他のマスターは我々に勝機はないだろうからな」

奢っているようなセリフ、だがそこには確かな自信と男の実力が窺い知れる

「では行くぞ、出陣だ」

その一言と共に男たちはドアの外へ出る。

???side out

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