calling

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のちに「第2次アビドス討伐戦」と呼称されるこの戦いが始まって約3時間、双方致命的な被害を出す中、戦局は3大校連合軍に傾いていた。


決定的であったのは

「第1次アビドス討伐戦」で猛威を振るいアビドスを勝利に導いた巨大兵器「サンモーハナストラ」の破壊。

アビドス風紀委員長「空崎ヒナ」の撃破。

の2点ではあり、これを受けたアビドス軍は総崩れとなった。 


アビドス軍はバラバラに敗走を始める。

3大校連合軍は歩みを止めず進み続ける。

対局的に見れば勝負はもう決している。

だが止められない。まだアビドスの「魔女」と「首魁」を仕留めていない。


ブレーキなど遠の昔に壊れている。

凄惨な殲滅戦の鐘がなった。


―2時間後

追い詰められたアビドス生はある場所に集まっていた。

それは1週間前に掘り出されたあるモノがある場所だ。

際限なく幸せをばら撒く゛それ゛は掘り出されてから時間がかからずアビドス生の中で信仰を誕生させた。

悪魔の形相で自分達を追い立てて来る3大校連合軍の生徒達に恐怖したアビドス生は皆吸い込まれるように゛それ゛のある場所へ逃げ込む。

アビドスの「首魁」や「魔女」であっても例外ではない。無自覚にそこに引き込まれてゆく。

かくして「首魁」や「魔女」などを含むアビドス側と3大連合軍がすべて1点に集まった。

一触即発。両勢力が引き金を引こうと銃に指をかけたその時、゛それ゛がかつてない輝きを見せる。 

反応は様々だ。

不快感を隠せない3大校連合軍。゛それ゛を希望のように崇めるアビドス生達。そして1人その異常性に気づく「首魁」。

数秒後、その場にあった全てが輝きに飲み込まれた。
























゛それ゛は自身が掘り起こされるのをただ待っていた。

゛それ゛は多くの神秘を求めていた。

゛それ゛は自身の器を求めていた。

今その全てが目の前にある。

゛それ゛と「首魁」と目が合う。

゛それ゛は自身の器に向けて頬を歪ませて嗤った。











「第2次アビドス討伐戦」に勝者は存在しない。

参戦したものは皆、砂に消えた。

その日を境にキヴォトスは急激に砂漠化が加速した。

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