assault

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アサシンside in

時は遡りアサシンが学校より撤退してすぐ───

「御館様、アサシンただいま戻りました」

学校からそこそこ近い場所にあるホテルの一室にて、アサシンとそのマスターが対面していた。

「む、よく戻った。して戦果は?」

アサシンのマスターである魔術師は何かの儀式の準備をしていたのか背を向けたまま応える。

「はっ、霊地の学校にてライダーと交戦。令呪一角を使わせ撤退しました。無論当初の目的である楔も打ってございます」

その報告を聞いたマスターは動きを止め、振り向く。

その目の周囲は蛇の鱗のようなもので覆われていた。

「ほう、良くやった。宝具の開帳はしていないな?」

「使用したのは蛇の口寄せのみでございます」

満足気に頷いたマスターはもうひとつ質問を飛ばした

「姿は見られていないか?」

その質問にアサシンは一瞬体を強ばらせ

「…一瞬ですが姿を見られてしまいました」

「なるほど、いや問題は無い。見られたのならばその陣営を優先して倒すだけで良い」

そう言って再び後ろを向く

「ではアサシン、学校の陣の守護は任せたぞ。倒されそうになったならば即撤退しろ良いな?」

「畏まりました」

そしてアサシンは姿を消す、ホテルから学校に向かったのだろう

「…甲賀三郎を呼ぶつもりだったが寧ろあのアサシンで良かった。魔力の消費量も充分賄える、それに───」

手元に置いてあるなにかの形代を見ながら不敵な笑みを浮かべる

「私の家の魔術と相性がいい…」

その形代はアサシンの姿をもしたものであり、近くには蛇の入ったケースが置かれていた。

アサシンside out


神永side in

アサシンが魔力の心配なくあの妖蛇を使役できるのならば相当にマズイ、何せ質はそこまで高い訳では無いが数が増えると厄介だ。何せ噛み付くだけであの教師のように傀儡にしてしまうと言うなら俺たちマスターが噛まれただけで致命的だ。それに毒もあると考えるとサーヴァントが俺たちを守るのも限度がある。

「目標は構築されてる陣の破壊よ、二手に分かれて確実に目標を破壊するわ」

「アサシンはどうする?」

「接敵した方が時間を稼ぐ間に合流して確実に倒すわよ」

「了解しました、では我々は先に向かいます」

そういったライダーは俺を抱えすごい速度で向かっていく、この程度なら強化の魔術を使わなくてもギリ持つか…?

「ライダー、目指す場所は体育館だいいな?」

「了解しました、急ぎましょう!」

そう言って速度をあげるライダー。俺たちは学校の裏手の林から侵入、正面突破はバーサーカーに任せる予定だ。

待機位置に着いたら美作達が正門に到着するまで息を潜めて待機する。あちらが着いたら携帯から合図が送られるはずだ。

「主殿、もし仮にアサシンがいなければどうしますか?」

「そうなったらこっちが陣を設置するだけらしい」

そう言って携帯を確認すると通知によるバイブレーションが起きた。

「あっちも着いたみたいだ、行くぞライダー!」

「行きましょう!」

そう言って林の中に入る

案の定、林の中には多数の妖蛇がいた。しかしライダーはそれらを一瞥し即太刀を抜いたと思いきや容赦なく首を落としていく。凄まじい、その一言しか出てこなかった。

「っ!?主殿、後ろ!!」

離れたところのライダーからこちらに警告が飛んできた、後ろを振り向くとそこには大口を開け今にも噛みつかんとする妖蛇。このままでは食われる───一般人ならば

「解錠(セット)!迸れ!」

その一言と共に右ポケットから式神を投げつける。

投げた式は炎上し妖蛇の口の中で暴れ回る、口内を蹂躙された妖蛇は尾でこちらを打ち据えようとするがその前にライダーが首を切り落とした。

「主殿、そのような式神を持っているとは知りませんでした」

太刀の血を振り払ったライダーが話しかけてくる。

「あ〜言ってなかったな。まぁやれるのはあれぐらいなもんだから戦力としては期待しないでくれ」

そう言いながら背負ってたカバンからいくつか式を取り出しライダーに見せる

「主な用途は3つ、探知用の式と使い魔として使う式、そしてさっき使った攻撃用の式だ。」

探知用は式を中心とした半径約1m内に別の魔力反応があった場合俺に信号を送るだけのもの。

使い魔用のものは同調することで五感の同調なんかができる自立式で便利だ。

そして攻撃用、やれることはシンプルで自分の属性である火に反応しやすくそして炎上しても最長30秒程は自由に動く。

「ま、その位しかできないシンプルなもんでな」

「ふむ、使い方によっては中々面白いことができそうですね」

「そこまでは頭回らないからな、あくまで俺はこれしか作れないし応用できるほどの頭もない」

幼い頃に教えてもらったふたつと最近見つけた手記に書いてあったひとつ、それしか作れないのだ。

「まぁ最低限の自衛程度はできそうですね」

「過信しないでくれよ?多分サーヴァントどころかまともな魔術師相手にしたら多分秒で死ぬ」

「そうならないよう気をつけてくださいね…」

そう言ってライダーと共に体育館へ向かう。こっちの蛇は粗方片付いたがあちらは大丈夫だろうか…

「Freeze(止まれ)」

後ろから声をかけられた、その瞬間体の動きが止まる

「主殿!?」

「おっと、動くなよライダー?動いたらおまえさんのマスターがどうなるか分からないぞ?」

「っ…!貴様、アーチャーか」

ライダーのすぐ後ろからボウガンを構えた男性が歩いてきていた

「安心しろ、君たちに危害を加えるつもりは無い」

そう言ってタバコを咥えた女性が後ろから声をかけてくる。

「アサシンは、私たちの獲物だ」

銃器を片手に持った女はそう俺たちに告げた

神永side out

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