Visionary Scheme
1
「目は覚めたかい」
リングの外へと翼を運び出す 泥まみれの中で倒れさせていては最低でも風邪をひき最高で溺死もあり得る...一応仲間(未定)なのだから助ける道理はあるだろう
「ええ 全く歯が立ちませんでしたわ...まさに完敗 敵ながら天晴ですわね」
「その完敗させるだけの力のせいでここに幽閉されてるけどね それできみはどうするつもり?」
特に何もなければ元居た場所に送り返して部屋に戻ろうとしていたが
「どうするって言われても...また木の棒を倒してのらりくらりと行くつもりですわ」
「......へえ それで一発で目的地に着く能力なんだね」
「いえ 普通に迷いまくりますわ でも目的地に着くまでやり続ければいつか着きますわよ...まあ目的地も私闘相手を探すだけですから目的地と言うべきではないのかもしれませんね」
「...根気の良さだけは尊敬しても良いよ だけはね」
どうやら彼は相当適当に生きているらしい しょうがないのでさっさとお世話をして気ままに帰ってもらおう
「ぼくが想像で風呂くらいなら貸してあげるさ あとどうせなら暇を潰せるものも多少なら出せる」
「じゃあドラム缶で ホームレス時代に星を見ながら入ったのを思い出しますわ...もしくは天井のシミ」
「想像できるけど想像したくない言葉の羅列だ」
彼がドラム缶風呂に入る際に泥だらけの服を綺麗にしようとしたが...想像より少しだけ速く容易に綺麗になった それを見ていた彼が話しかけてくる
「その服特殊だから何か起きても気にしない方が良いですわよ~ あとせっかくですし一緒に入ります?男同士ですし」
「いや 遠慮しとくよ...ぼくはもう既に綺麗になっているからね」
あの狭いドラム缶に二人みっちり入るのは少々気が引ける 別に変な意味ではない
「そういえば...貴方は"死神代行"って御存知ですの?」
「情報(ダーテン)で知る範囲ではね」
敵の事を知っておくのも"想像"するには時に必要だ 黒崎一護の事は特に
「一護とルキアが言っていた"死神代行"になった経緯...そして私を殺そうとした銀城という"死神代行"を私は知っていますわ
私はだーてん?というのを良く知りませんし...すり合わせをしておきません?」
「いいよ...だけど上せないように風呂から出た後にしよう」
「お風呂上りにコーヒー牛乳を所望しますわ!」
「コーヒー牛乳か この前"あの子"に出した時は『珈琲感が強すぎてこれじゃカフェオレだな』って言われたから牛乳強めにしておくよ」
彼の説明はぼくの想像を超えて下手くそだった たびたびぼくがミニチュアやダーテンにある情報を元に再現を作っては答え合わせをするような形ですり合わせをしていった
ちなみにコーヒー牛乳は『ヒー牛乳』くらいに牛乳感が強かったらしい 次彼かあの子に飲ませる時にはしっかり『コーヒー牛乳』にしたいなとぼくは思った