VS村正 with一護
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「貴様の全力で無ければ俺は倒せんぞ」
総隊長奪還のために洞窟へと潜り込んだ一行
翼は一護ともに行動し現在村正と対峙している
「...実際そうする他ないでしょうね 私の能力では動きを止めて援護するのが精いっぱいでしょうし」
「ああ 分かってる!」
ここは二人で協力して村正に一護の一撃を叩き込むほかに無い!
「アイツは肉眼では見えねえ腕を出して拘束なんかをしてくる 気を付けろよ」
「了解しましたわ!」
私たちは村正の方へと歩を進める 村正は総隊長を背にして動かずこちらに手を翳した
「"持ち主"確かに見えないが感じる 『斬るぞ』...済まない『斬った』が正しいか」
「こちらの姿勢をちょっとは考えてくださらない!?」
汞一文字は自由に行動し触腕を叩き切った 翼も体勢を崩しかけたが持ち直しすぐさま一護へ続く
「最初に会った時よりも随分と調子がよさそうだな『汞一文字』 斬り合いには興味を失ったか?」
「違うぞ"斬魄刀" 私は難しく考えるのを止めてなんとなくで斬ることにした 楽しいぞ」
何かに追われるように斬り合いを求めていた頃とは違い適度に気が抜けた汞一文字は満足げに返答した
「ああいう関係もあるもんなんだな 斬月のおっさん」
一護も実質二人の援護に助けられつつ村正に迫る
「なるほど だが純然たる斬術はその持ち主には備わっていないだろう」
二対一とはいえ村正の抵抗は激しく大きな隙は無い 一護の全力を叩き込むにはきっかけが足りない
実際刀として使わざるを得ない距離では翼の体格と技術不足も相まって不利であるのは確かだ 一護の援護どころか援護受けねば危ないほどだ
「まあ 確かにそうですわね アドバイスをどうもありがとうですわ!」
そもそも翼は刀を使うタイプではない 無理な距離でわざわざ戦う必要もないのだ
一度全力で距離を取り大きくしならせて鞭のように横に薙ぎ払う
鈍い銀色をした汞一文字の切っ先は強い衝撃と速度を備えて村正を襲う だがそれだけではない
村正が攻撃を受け止めた結果勢いをそのままに汞一文字は村正をぐるりと巻き腕を拘束した
「...しまった!」
「今ですわ一護!」
もう既に一護は虚化もし天鎖斬月をを構えている
だが 村正は寸でのところで自身の腕を犠牲に拘束から逃れ月牙天衝は総隊長の封印に当たった
それが何を意味するのかはまだ二人は知らない