VS藍染・東仙・ギン

VS藍染・東仙・ギン


完全満身創痍

少し遠くに重く巨大な霊圧が唐突に現れた...既にあった燃えるような霊圧ではなく重く巨大な霊圧の方を目掛けて歩を進める。

天挺空羅という縛道により藍染隊長による裏切りがあったと知りましたが...なんだかどこかで聞いた名ですわね。

辿り着いて見えたのは...ルキアちゃんを抱える赤髪の死神となんかどっかで見たメガネの兄ちゃんと門番で見た市丸ギンと東仙要だ。

「いましたわね...観念しなさい!赤髪の死神!」

「てめぇはあの時の卑劣な女か 何しにきやがった!」

隊長格をよそに怒鳴り合う二人にルキアからツッコミが入った

「恋次 恐らく翼も私を助けに来たのだ! 翼 この赤髪眉毛は敵ではないぞ!」

「おや 虎屋の子か 久しぶりというべきかな」

ワザとらしく人の良い笑顔でこちらに手を振るメガネの男を見て唐突に記憶を思い出しました。

「あ...貴方は確か家の村に観光に来ていた彼女連れのメガネのお兄さん!」

「私は仕事でそちらに行っていただけなのだがね」

昔に見た記憶しかなくあやふやでしたが確かにあの時のお兄さんですわ!だからどうということはないのですが。


「さて 恐らく君も私の斬魄刀の事は聞いているだろう?」

「"完全催眠"...虎屋の者でも貴方の情報はあまり見抜けていなかったようですわね」

始解を見た者に催眠をかけて五感を操り幻惑する恐ろしい斬魄刀ですわね...ならば。

「それで本気で防げるつもりなのかい」

「見なきゃいいなら目を瞑ればいいだけですわよね 東仙隊長の例もあるようですし」

それを見て恋次がこちらに叫んだ

「てめぇそもそもその怪我じゃ無理だ 明らかに弱ってんじゃねぇか!」

「大丈夫ですわよ まだ死んでないですし」

叫んだ拍子に腕の傷が痛んだのか恋次は睨むばかりで次の声はなかった

「...旅禍 いや虎屋家の子供 今の君の行いはただいたずらに自身の命を捨てるだけだ」

東仙隊長が静かに私に警告した...霊圧と声から距離と方角がこれで分かった


「ふふふ...そうかもしれませんわね」

(第六感 どうか私に次の攻撃でなにが来るかをお教えください)

心の内で天にすがるようにつぶやく...これ以上の第六感の使用は死を覚悟する必要がある、肉体も連戦で万全ではないがこの状況を打開するには一人私がどうにかするしかない

『袈裟切り』第六感が示したのは4文字だが既に傷つきつくした私の魂魄にとっては想像を絶する痛みと共に降りてくる

「ぐああ...があっ!」

頭を抱え膝を突かざるを得ない"本物"の痛みに惨めにも私はうずくまる

──そして随分と優しい東仙隊長が再び口を開き何かを喋ろうとした

「情けなどかけるからそうなるんですわ!」

変則的な姿勢からパチンコで打ち出した弾は三発

一つ目は速度重視 辛うじて弾かれる

二つ目も速度重視 難なく弾かれる

三つ目が...

「やめなさい!既に君は...」

三つ目が"本命" 受ければ弾けて中身である小さな手製の菓子が周囲にばら撒かれる

"受け取る"というのは仮に口で無くとも懐でもポケットでもいい...今回は口にも入ったようですが

袈裟切りが来る前になんとしても命令を出して仲間割れを起こす...そうすればルキアちゃんが時間が稼げるはずだ

「命令ですわ!"己の仲間を...」


だがそこで止まった、言葉を紡ぐための肺の空気は袈裟切りによって外気と混ざりもはや声を出すに足る勢いを作れない。

「なるほど...確かに私の鏡花水月を物ともせずに一手撃たれた だがこれ以上はよしてもらおうか」

これで私も恋次も満身創痍...これ以上ルキアを護る者がいない

「よぉ...どうしたよ しゃがみ込んで ずいぶんルキア重そうじゃねえか 手伝いに来てやったぜ 恋次!」

ああ、まったく嫌になる私では護れなくてあのオレンジ髪が"護"ってくれそうなこの状況が。

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