VSリルカ ギリコ
1
「石田さんが...誰かに襲われたんですの!?」
虎屋翼は激怒した かの邪知暴虐なる犯人をのぞかねばならぬ
彼は無策である とりあえずいつもの如く木の棒を取り出し街へと繰り出した
忍び寄る二人に気づいたのは人気のない山道に入った時だった
「そこのお二人...私になにか用ですの?」
「えぇ あるわよ『用』がね」
「少しばかりお時間をいただきますよ 拒否権はありませんが」
敵はツインテールの女と眼帯をしたオッサン...刀傷であった石田の直接的な犯人ではないだろうが関係者だろうと予想はついた
「『石田雨竜』この名に覚えはあるでしょう?」
「どうやら貴方達には色々と聞かねばならないようですわね」
「私たちは"ただの人間"じゃないわ あんたと同じ『完現術師』よ」
オッサンは時計を構え もう一人は武器は出していないが何か準備しているのは見えた
「私はそのなんちゃら術師ではなく『我流滅却師』ですわよッ!」
翼は一気に距離を詰めて相手を『マインド・スウィート』で無力化しようとするが
「『タイム・テルズ・ノー・ライズ』...!頼みましたよ リルカさん!」
「わかってるわよ!」
リルカと言われた女の子が取り出したのは可愛らしいプレゼントボックス
それが翼に向けられて...大量の可愛いウサギの人形が爆発的に飛び出した
「全てを見よ 汞一文字!」
翼はそれを始解して叩き斬った 斬ってしまった
異変に気付いたのはリルカの目前まで迫った時 一瞬で翼は炎に巻かれた
「『タイム・テルズ・ノー・ライズ』によって時の神と契約を交わしておきました 内容は『完現術いがいの力を使わない』契約は私やリルカさんを巻き込むことを条件にあなたにも範囲を広げています 仮に私を操ろうと時の炎は解除されませんよ」
「...じゃあ貴方を殺して解除されるか試す他ありませんわね」
炎に巻かれた状態でもまだ翼は立っていた 普段から魂魄を焼かれていたことがある意味良かっただろうか
「...ごめんね 貴方を『許可』するわ」
だがリルカの「ドールハウス」により可愛いシールが大量に貼られた強固な金庫へと翼は仕舞われてしまった
未だ炎に焼かれる体から死力を尽くして翼は叫ぶ
「必ず...殺してやりますわ 貴方達を......必ず ええ必ず!!」
果たして金庫の扉は閉められてしまった