VSザエルアポロ 第三幕
1「出来の悪い下っ端に不出来なコピー 最後には人形かよ 少女趣味かよてめぇこのサバ野郎」
「君の中の少女像が少し不可解だがそれは置いておこうか 何はともあれ──
これからは"彼"が「石田君」だ」
コピー達の群れを恋次の機転で抜けだした一行だったがザエルアポロの触腕に石田が捕まった後に人形が生み出された
どうあがいても碌でもない人形だというのは馬鹿でもわかる
「"触られた感触"があったろ?これは君たちの五感を操るコントローラーのような物さ」
それだけでなく人形を開き内臓の名の書かれたパーツを破壊すると実際に石田が苦しみ始めた それに気を取られた恋次が触腕に捕まり恋次君人形が出来る始末である
「そういえば先ほどは済まなかったね 君の妙な術をコピーするのを忘れていた
お詫びにしっかりと理解を深めてから君を殺すことにするよ」
触腕で捕らえ更なる情報を得るために攻撃を仕掛けるザエルアポロ 確かにマツィヤの足を捕らえることに成功し取り込み始めたはずだが
「おかしい なぜ情報量がキャパシティを既に超えている?」
産み落とされたのは無数の魚の人形 ご丁寧に英名も書かれている
「体そのものに魚の生体情報が満ちている...?」
「不意の事で驚いて止まり過ぎだな おかげで隙だらけだ」
魚道の発生源はマツィヤの血 そしてマツィヤから発生した魚の血も発生源となる
「血に情報を乗せている?いや別の媒体から血へと流出している?」
推察をしつつも触腕を動かすザエルアポロだが取り込むことが出来ない以上その効果は薄い
「なんにせよマツィヤさんは奴の能力では人形は作れない...彼女の支援を出来るだけするぞ...!」
石田がそう言い恋次も応えるが臓腑をやられた二人ではやはり厳しい
「ワタ抜かれたざぁこ共♡は黙ってろ 『鰻』(アール)!」
「人形のワタと魚の内臓を掛けているつもりか...?」
「ネタを解説するのはやめろ」(真顔)
マツィヤは自身の手のひらを斬り血を発生源にして鰻を射出する
「サバ野郎知ってるか?鰻の血は毒があるぜ」
「知識では知っているさ 間違って取り込むとでも思っていたのか?仮に取り込んだとしてそんな自然毒が効くと思っていたのかい?」
仮に当たっても不快なだけだが触腕で叩き落し鰻たちは血だまりを作るだけで終わった
「じゃあ淡水魚繋がりで問題だ ピラルクって知ってるか?」
「ここは魚の知識を語る場では...」
話の最中に足元の血だまりから2mほどの魚が飛びあがりザエルアポロの頭に直撃した
「アマゾンではボートをひっくり返したり人間にぶつかって死亡例もあるそうだぜ 俺は魚はやはり嫌いだ 怖くてな」