Vのイニシャルズ
ハムカツマンの体がボルトロン・・・否、ギガトロンの影に覆われる。
「ハムカツーーーーーー!!」
「逃げるでござるよーーーー!」
ボスカツとカツえもんの叫びは遠く、ハムカツの元には届かない。
「ちっ、ワイもここまでっちゅーことかいな・・・」
「——けど、ボスがカツえもんが必ずお前らを倒したるで!」
恐怖を紛らわせるためか、なかばヤケクソ気味にギガトロンに啖呵を切る。
ギガトロンは変わらず表情を伺わないまま、ハムカツに向けて拳を振り上げ——
「くっそ・・・団長なら・・・」
「団長ならここの状況でも・・・きっと・・・」
どうあがいても、二匹のハムスターたちは間に合わない。ギガトロンの拳がハムカツの命を貫———
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――――!?」
「ギアアアアアアァァァァ!」
響き渡る、ギガトロンの放つ異音とは異なる力強い龍の咆哮。
本来、ハムカツの命を貫くはずだったものは、その間に割って入った者の咥えた剣によって、と宙を舞っていた。
「あっ・・・ああ」
「だん・・・ちょう」
ギガトロンと対峙する蒼き龍。蒼い鎧に身を包み、背のマントをはためかせ、口には伝説英雄達の銘(な)が刻まれた一振りの剣。——彼の龍の名は・・・
「わいらは・・・わいらは信じてたで!団長!!」
「ああ。ずいぶんと遅い登場やったな、いくぜ!団長‼」
「拙者も、信じていたでござる。さぁ反撃開始でござる‼」
そう。この龍こそが、ハムカツ団団長、熱き革命の意志を心に宿す今代の英雄
サーヴァント:セイバー『蒼き団長 ドギラゴン剣』
「——待たせたな、みんな。早速だが一気にいくぜ!合わせろ!グレンモルト!これが俺達の革命だ!!」
「まったく、急に出てきたかと思えば・・・任せろドギラゴン!」
「さぁ、ファイナろうぜ!!真名展開——ファイナル革命発動!『龍剣 星王紅鬼勝』(集え、最強の切札達よ)!!!」
それは世界を滅ぼしかねない最強の力、共に戦う仲間を呼び寄せるドギラゴン剣の切札。
彼が今回呼び寄せた者は・・・
「お呼びとあれば即参上!ウララー!」
超次元の戦士を呼び寄せるハンター、アパッチ・ウララー。そしてそのアパッチ・ウララーによって——
「オレの出番だ、マイターン!」
勝利のリュウセイ・カイザー。時代を、世界を越え幾度となく世界を救ってきたパンドラの騎士。
「爆流剣術 神速の技!」
4体の息のあった攻撃が、ありとあらゆる方向から、ギガトロンに突き刺さる。
「止めは譲ってやる、持って行け!ドギラゴン!!」
「「「団長!!!」」」
「これが——革命だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドギラゴンの一閃を受け、巨大な爆発と共にD2フィールドもろともVのマスター・イニシャルズは消滅した。