『The Mug』(阿呆)対策実験

『The Mug』(阿呆)対策実験

稲生・紅衣・メメ・虎屋のスレ主

─無間─

無間の真っ暗な空間に白く四角い机が一つ 椅子が四つ それぞれ一辺ごとに並んでいる

「皆サンに集まっていただいたのはある実験の為っス」

席に着いているのは

滅却師 志島カワキ

死神 刈薙剣司

死神 稲生ひよ乃

囚人 藍染惣右介 の四名だ

滅却師との戦争が終わり少しばかり時間が経った今どうしても必要な実験だと駆り出されて4人である

「実験と言ってもですね...そこの500年間滅却師のスパイとして活動してた稲生サンの聖文字が面倒な事になってるんで対策を考えようってとこっス」

「モゴゴモゴ~」(よろしくじゃ~)

藍染に使われているような黒い布で主に顔面をグルグルに巻かれた稲生が挨拶をする

「確か陛下が監視と聖別の為に血を与えていたけれどどんな文字が出たのかは知らないね どういった能力なのかな」

割と平然としているカワキと稲生を見て剣司は

(なぜこうもサラッと無間にぶち込まれて更に藍染もいる状況で平然としてんだろこの人達…)

そう未だに無言で縛られている藍染をチラリと見つつ浦原が喋るのを待っていた


「稲生さんの聖文字は『M』...『The Mug』っスね どういった意味を持つと思いまスか?」

長らく黙っていた藍染がそれには答えた

「マグカップ もしくはマグカップ一杯分...他には顔 騙されやすい人 間抜け ごろつきなどがある スラングも混じっているがね」

「ちなみに動詞にすると強盗するという意味にもなるんスよ 今回は騙されやすい人...『The 阿呆』ってとこっスかね」

カワキさんは『解析』とカッコイイ感じだったがこれは酷い

ここまでなら笑い話だが浦原は声のトーンを下げて続けた

「問題は中身っスね 『相手の警戒心を無くし無条件に信用を得る 明らかにおかしな言動に対して疑問も浮かばない』こういった物でして...分かりやすくしますとアレです『常識改変』ってジャンルっスね」

「それであんなにグルグル巻きに...」

能力を説明してもらった稲生は布越しにドヤ顔していると分かった どう考えてもドヤる場面ではないだろう

「弱点は『自分自身も対象である』という事 そして効果は1年間...もうどう考えても制御失敗したら世界が終わりますし持て余すからと無間直行ルートっスね」

「...それで実験というのはどういった物なのかな」

危険性は十分に聞けた…正直帰りたいと思いつつ剣司は続きを聞く

「今からあなたたちには『The Mug』(阿呆)をどうにかしてもらいます」


稲生の拘束が解かれ机の上には一枚のフリップが置かれている

「それでは版の中身を見て口にするぞ!...安心せい 井上ちゃんの拒絶で時間はかかるが解除が出来るのは分かっておるからな」

「ちなみにそれは誰が犠牲に?」

「うん?一護じゃ 沢山因子持っておるし抵抗できんかなと思ったがダメじゃった」

モルモットになったのは他にもいたようだ 合掌...剣司は心の中で手を合わせた

「ではお題じゃ!『無間は楽しい遊園地!』」

...なぜ私は遊園地の中にいるのにこんな寂しいテーブルに座っているだろうか せっかくなら何かアトラクションにでも

立ち上がろうとした所髪飾りがふと落ちて...刀へと形を変えて足をほんの少し切った

...成程危険だ 完現術によりリセットされたおかげで助かったが先ほどまで確かに遊園地だと疑問すら浮かばなかった

周りの三人を見ると...

「この遊園地は出来損ないだ...アトラクションが一つも無いよ」

「遊園地で遊ぶのに君は邪魔だ志島カワキ...君は刈薙剣司と共に回りたまえ 稲生君は私と共に回ろう」

「吾と藍染はなぜ縛られて...?あっこういう催し事かのう?たぶんそうじゃろ」

一人正気の刈薙剣司は頭を抱えた これは酷い

「カワキさん 出来損ない以前にここ遊園地じゃないです牢獄です

藍染さん 椅子に縛られているのにどうやって回るつもりですか

稲生さん リアル脱出ゲームでもそんなに縛りませんよ...」

とりあえず三人とも正気には戻ってこなさそうなので斬って正気に戻した

「...なるほど情報があっても判断そのものに作用されると厳しいね」

「りある脱出げーむとはなんじゃ...?てれびに繋ぐぴこぴこの奴か?」

「.........」

一人ムスっとした男がいるが概ね治った また次のフリップが落ちてくる


「それでは次のお題じゃ『上は右 下は右 左は右 右は右 『上下左右』これは何と読む?』」

刈薙剣司はあらかじめ完現術を発動し残る二人を見届ける構えだ

カワキさんは解析を使い一文字一文字しっかりと確認する

「『右右右右』...なぞなぞの類かな」

藍染はまだ若干拗ねた様子だがそれでもフリップを見ている

「右は右 右は右 右は右 右は右か...右以外に残る方向は前と後ろだが...」

稲生は若干阿呆面を晒しつつ

「『右』が四つ...『うし』!」

見かねて刈薙剣司が答え合わせに読み上げてみる

「『じょうげさゆう』ですよ」「「「いやそれはおかしい(じゃろ)」」」

真顔で全否定された...その後立ち直り解除しに行くのに5分かかった


他にも実験では色々あった

『酒は飲むと爆発して死ぬ』というお題が出たが

無言で稲生に飲ませて爆発しないのを確認してからカワキさんは飲んだ

「サラッと人柱にしないであげて!?」「大丈夫だよ 彼女は超速再生があるし静血装もある」

そういう問題ではない 飲まされた稲生は口から泡を吐いていたし藍染は素で引いていた

そんなこんなで色々あったがいくつかの実験は終わった

「とりあえず対抗策が最低でも二つあることが分かったのでここで終わりにしましょう 四十六室にも『藍染への対抗策としても使える』と言い訳できそうで助かりましたよ」

「......浦原喜助 君の為ではないそれだけは言っておこう」


※あくまでこの聖文字は500年前からスパイをしている稲生If時空の為 基本持ちえない能力です






 









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