THIRD VICTIM ②
稲生紅衣メメ虎屋ダルヴァの主
白い砂漠の一角で押し黙るマグダレーナを視界の隅に収めながらハッシュヴァルトがBG9に話しかける
「で?これからどうするのBG9?」
「『霊王の器』を奪還しようとする勢力とぶつかる事は必須だ お前とカラクライザーはそれぞれ渡した武器の使い方でも頭にもう一度叩き込んでおけ」
「わかりましたよ~」「御意」
片や手をひらひらとさせて答えながらもう片方は堅苦しく返事をした
「そういえば『Mind Sweet』の三つ目の命令しておかなきゃだったねBG9"ハッシュヴァルトを守れ"ってさ 実際霊圧と攻撃封印されてどこまで守れるか疑問だけど一度やってみればわかるしその機会も丁度来たみたいだよ~?」
次の瞬間にはゲルベルガがハッシュヴァルトに攻撃を仕掛けようとテレポートして来ていたがそこに完全に無防備なマグダレーナが命令によって割って入り攻撃は中断された
「洗脳の類か...面倒だねアンタ」
「割とそういうの好きそうな顔してるけどね 貧乳滅却師チャン」
少し遅れて
少年滅却師 ルカ・マーリエヴィチ・ヌァザリスキ
妙齢の女性破面 ドゥルシノア・ランキャット
メカクレメイド ペネロペイア・ソーンブラ が現れた
「ハッシュヴァルト 予定通りお前は『霊王の器』を連れてランキャットとゲルベルガを頼む カラクライザーはルカ・マーリエヴィチを...そしてペネロペイアは私が担当しよう」
「俺だけ女の子に囲まれちゃって悪いねBG9♪...いやなんか不純物混ざってる気がするけどさ」
三名はBG9が挙げた組み合わせに合わせて攻撃を行う テレポートから周囲を確認する時間が無く少し隙を晒してしまったゲルベルガらは攻撃の結果少し離れた場所に押し出された
ペネロペイアは翡翠狛鶴(グルージャ)をBG9に対して即座に発動しBG9を『ステータス・技術などの全てを問答無用で自身以下に設定し直した』
「なぜきみがBG9の姿をしているのか分からないけど...とにかくぼくはきみを止めるよ」
「翡翠狛鶴(グルージャ)素晴らしい帰刃だ 私がお前の帰刃を真似て作ろうとこうはいかない
…さて 古今東西様々な物語があり弱者が強者に勝る為ににどういった方法があったか...検討はつくかね?」
BG9はBBBと三つBが並んだナックルを右手に着けた
「何と命名しようか...『ジャックポット・バランサー』で良いか」
翡翠狛鶴(グルージャ)によりヘナチョコになったBG9のパンチがペネロペイアを襲う ペネロペイアは得意の鋼皮を纏い腕で受け止めようとするが『出目が悪く』腕の骨が肩から外れた
翡翠狛鶴(グルージャ)の反動により砂漠の砂によろけてこけそうになるが立て直す
「こけそうになって直ぐ立て直せたのは『運が良いな』ペネロペイア…その報いである『不運』は私の拳で受けてもらおう "バランス"良くな」
「『The Balance(世界調和)』と『ジャックポット・ナックル』を混ぜた能力が君の持っている物の正体かな...?弱者が勝つために運だけに頼るのはどうかとぼくは思うけど」
「正体については肯定しよう 『運』だけと侮られては困るがな」
ルカ・マーリエヴィチの前には5mの割とへんてこなツギハギロボな敵が立ちふさがっていた
「ぼくはルカ・マーリエヴィチ・ヌァザリスキと言います!母上を返してもらいに決ました」
「申し訳ないが集音機は切っている 貴様の『Harmony(調和)』の能力において聴力は弱点に成り得ると言われているのでな」
「お耳が聞こえないんですね!では倒すしかありません!」
「何を言っているか分からんが使命の為に死んでもらうぞ」
一度両者は構えるが思い出したようにロボは構えを解く
「言い忘れていたが私は『カラクライザー』だ 空座町に住む黒崎一護らの能力計四つと他二つの能力をBG9より貸し与えられているからな」
「そうなんですね!でもなんで今なんですか!」
「理由を聞いていそうなので答えるが...時間稼ぎだ」
「じゃあこれ以上話していたらダメですね!?」
ルカは弓を構えカラクライザーに攻撃を加えるカラクライザーはそれを回避も防御もせずに受け止めた
「さて残る二つの能力だが...『The Miracle』と『須佐能乎(キュベレ)』だ それぞれ『“傷を負ったもの”を“神の尺度サイズ”へと“交換”する』能力と『周囲の霊圧を吸収して巨大化する』というある種単純な能力だ」
ルカは強力無比な滅却師の一人だがその力がそのままカラクライザーのサイズへと変換され霊子が豊富で大きな霊圧の多いこの戦場ではゆっくりとだがカラクライザーの大きさは大きくなっていく
「どんどん大きくなってます!ちょっとうらやましい!」
「何を喜んでいるのだ...?戦闘狂の類とは聞いていなかったが...まあいい
左腕から須佐能乎によって蓄えた霊圧を月牙天衝で放つ 少し縮むが直ぐに元通りだ
「時間いっぱいまで遅延させてもらう」
「母上にお願いしたら身長がのびる力がもらえたりしないかな...」
ランキャットとゲルベルガはマグダレーナを盾にしその影から煽ってくる見た目ハッシュヴァルトの敵の前に立たされていた
「来いよ!『しまった逆だ』なんてならずに綺麗に刺させてやるからさ」
「ハッシュヴァルトの見た目で気味が悪いなアンタ…アタシでももうちょっとおしとやかにマウントを取るぞ?」
「マウントはおしとやかにでも取るものでは無いねぇ…」
そう話しているとハッシュヴァルトがメガホンを一つ取り出し構えた 周りの状況からして道具を使わせるのは不味いと判断したゲルベルガだったがやはりマグダレーナを盾にされ思う様に戦えない
「The Mug(阿呆)!『弱虫喰らい(バスカヴィル)の火力は"残火の太刀"よりヤバイ!』
このメガホンを使えばどんな阿呆な事も真実だと疑う事すら出来ず信じ込む!俺も敵も味方も全員含めてな」
ハッシュヴァルトはボン!と煙を上げて破損したメガホンを投げ捨て狂気を孕んだ満面の笑みでランキャットとゲルベルガを見る
ランキャットは下手に時間を掛けるのはと考え
「これから君を殴る...なぐ...」
斬魄刀を解放しようとするがある事に思い至る『今開放すると無防備なマグダレーナだけでなくみんな死ぬと予想が立つ...なんだったら私すら死にかねない防御無視の魂を焼く炎だ こんなに使いどころに困る帰刃だったか』と
振り上げた斬魄刀の下ろし方を考えつつ若干しょぼしょぼしている高身長な淑女にゲルベルガは話を持ち掛ける