THE DARK HUMOR
1悲しいものだ 盛者必衰かはたまた驕りか安逸を貪っていた罰か...かつて陛下をすら焼いた炎は消え落ちた
マツィヤが片手を治していたのが幸いしたのか 腕を犠牲に身は生き残ったがもはやこれまで
「山本重國 半端者よ シーカー・マツィヤに腕を治された時...何故貴様はそれを拒もうとしていた
それはお前が必要以上の者を巻き込むことを恐れていたからだ 貴様は弱くなった 山本重國」
止めを刺そうと歩を進める陛下の前に見覚えのある斬魄刀が突き刺さる 『天鎖斬月』だ
斬魄刀が刺さりほぼ間を置くことも無く持ち主が現れた
一護は陛下へと尸魂界への侵攻について問い 激昂している...是非も弁明の余地も無し
まあ仕方がないじゃろう 何も知らぬ一護にとっては陛下の御意思など勿論わからぬ物じゃ 理解するにはまずは対話から...
「てめぇは何やってんだダルヴァ!!マツィヤに何を言いやがった!!」
「儂ぃ?いや一護よ...おぬし陛下を前にして儂なんぞ気にかけとる場合ではないじゃろう
申し訳ありませぬ陛下...黒崎一護も貴方の忠臣によって立派に同胞としての力に目覚めさせているようですし...」
先程から一護の霊圧の中に滅却師としての霊圧を感じ ダルヴァは一護が滅却師として目覚めたと判断した
「…やはり見間違いでは無かったか」
陛下もやはり気づいていたようだ 恐るべきは黒崎一護...キルゲを糧に陛下の一撃を凌ぐ静血装にまで行き着くとは!
山本重國は今や陛下には遠く及ばぬが 黒崎一護は違う!
【特記戦力はやはり違うのぉ~!】
そんな事を呑気に考えていたダルヴァの前でユーハバッハの『影の領域圏外での活動限界』が訪れた
同じく特記戦力の藍染惣右介も陛下を体感の時間を狂わせるという策を 結局ハッシュヴァルトとダルヴァ以外に気づかれずに通したのだ
心の中でダルヴァは藍染惣右介の『鏡花水月』の効果とその運用法は凄いと太鼓判を押した
【あっ天鎖斬月折っちゃうんじゃな...】
周りの温度に対して随分ホクホクとした顔でダルヴァは開戦から撤退まで終始過ごしていた