TF俺くん×パンクラ
ガチムチダイナレスリング二人のトリケラトプスの恐竜人がベッドの上で裸で正座し向かい合っている。
我がことながら自覚するとなんとも奇妙な感覚だ。
「挿入したいです」
「よし、やろう」
「キングのお陰でお尻使う悦び思い出しちゃった?」
「思い出させるなよ恥ずかしい……」
友人として長年付き合ってきた男に抱かれる体験の衝撃を余りにもこの馬鹿は軽く見積もっているのではないかと疑問に思う。
受け入れてしまった、感じてしまった、剰えこちらから求めてしまった。
見慣れていたはずの友人の顔を見るたびにあの日の快感がフラッシュバックし尻が疼く背徳感にいまだに慣れず避け続けてしまっていると言うのに。
「へぇー、そんなにキングのチ◯コが気持ちよかったんだ?」
「な、何を……」
「思い出しただけで顔真っ赤にしてチ◯チ◯大っきくしてる自覚無いの?」
言われてみればその通りの状態だった。
恋人を前にして他の男の身体の思い出で興奮を得てしまったことに恥辱が重なり顔が熱くなる。
「妬けるなぁ」
「お前が、嗾けて、抱かせたんだろうが!!」
「それはそれ、これはこれ、友達としてキングの不憫さは解消してあげたかったしね」
「ああもうお前ら変態はコレだから!!」
「まぁまぁ、パンクラトプスも頑張って変態に染まっていこうね?」
「同意したくねェ……」
口ではそう言ってももう随分と俺も変態の領域に足を踏み入れているのだろう。
人としての尊厳の箍を投棄てて淫蕩に耽る自分など想像もできないが、着実にそう言うものに近づいてしまっている実感はある。
想い人からの口付けを受け入れながら、そんな思考も快楽の波に溶け消えていった。
「ふふふ、キングより気持ちよくしてあげるから覚悟してよね?」
「期待しとくよ」
「ねぇねぇ、キングとはどんな感じでやったの?」
「気にしすぎだろ! お前の持ち味で競えよ!」
どうしてわざわざとも思ったが、こいつなりに俺を取られないように必死なのだと気づいた。
本当に軽い気持ちで嗾けて、俺の反応の大きさに慄いている……こいつ本当に馬鹿だな。
「本当に馬鹿だな」
「えっ、いきなりどうしたの?」
「まあいい、気にするな」
思わず口から思考が漏れてしまったがやはりこいつには明確な自覚がないらしい。
尻穴を舐め続ける姿もどこか余裕がないように見えるのは気のせいだろうか。
「俺が一番好きなのはお前だからな」
「えっ、あ……うん、知ってる」
ちょっと雑だったが一番欲しいだろう言葉を投げてやれば、いつもの楽しみたいだけの雰囲気が戻ってきた。
いや、尻尾を振りながら舌先を出し入れすることに夢中になっている姿をみると普段以上に舞い上がっているようにさえ思える。
性欲に圧倒されてペースを握られたときにはあれほど強気な癖に、こうやってこちらに余裕があるときには面倒ながらも単純で幼く可愛い男だ。
「そろそろ入ると思うけど、怖くない?」
「今のお前のどこが怖いんだよ」
小馬鹿にして笑ってやれば、一度キョトンとした間抜けた顔を晒し、そして悪戯っぽく嘴の端を歪ませて生意気な顔で笑ってくる。
「加減してあげないからね」
「応、どんとこい」
肛門を貫く巨大な肉槍が胎の中を掻き回す。
キングのそれより一回り以上大きいそれが抽送されても痛みがない事実にすっかり開発されてしまったことへの軽い後悔と謎の感慨深さがある。
体内の異物感を快感に変換する作業にはもう殆どタイムラグがなく、挿入物を快楽の発生源として受け入れる。
「うおっ、イく!」
「お、俺も……うっ」
雰囲気や愛おしさから上り詰めていく感覚がないとは言わないが、普段よりそれらが薄い状態で搾り出されるように達してしまった。
やはりこの太さは物理的な刺激が強いらしい。
もちろん絶頂の肉体反応はあるので腸壁は痙攣し、その締め付けに相手も達する。
尻に大量の熱い体液を注がれる感覚。
「ハァ、ハァ……どうだった?」
「80点」
「え?」
「キング相手にして分かったけど、お前はちょっと自分が気持ちよくなりた過ぎてガッつき過ぎだな」
「そ、そんなぁ〜」
「延長戦するか?」
「でもパンクラトプスって射精一回しか……」
「尻だけでイくなら俺も何発か連続で出せるっぽい」
「それもキングのお陰で?」
「まあな、なんかまだ不完全燃焼感あるし、お前もその身体ならまだ出し足りないだろ?」
「……俺、キングに男として負けてない?」
「チ◯コのデカで勝ってるからいいだろ、まあ他人と比較されるのが嫌ならテクニックを鍛えることだな」
「き、キングが遊び好き過ぎるだけだし!!」
「はいはい、お前のこと一番愛してるから安心しろ」
「パンクラトプス〜〜〜!!」
突き入れながらも甘えるように貪るように。
それをこちらは甘やかすように赦すように。
セックスに勝ち負けとかナンセンスだとは思うが、始終こちらが余裕をもって受け入れる行為は珍しく、他の男に抱かれた甲斐もこれならあったかなと肉棒を受け入れ続けたのであった。