Slime(改)

Slime(改)


ここは偉大なる航路を進むとある貨客船・・・そのカーゴデッキに、一人の女がいた。袖が白く、胸元から裾までのびる白とピンク各二本のストライプのはいった紫のワンピースを着たブロンドヘアーの女性だった。彼女は祖国が海賊に襲われて以来、安住の地を求めて密航を繰り返し、貨物に紛れながら密閉の甘い樽や木箱から食料や水、金品を僅かばかり掠める日々を送っていた。「時計の針がここで……よし、そろそろね……」そして今度の密航もうまく成功し、彼女は船を降りた後のための物色をはじめていた。そんななか、彼女は1つの宝箱を発見した。それは人間が丸ごと入るほど大きく、そして不思議なことに鍵が外れかかっていた。「なにかしらこの大きな宝箱……これだけ大きければきっといいものが入ってるわよね。それにきちんと閉まってないのだから……少しぐらい私がもらっても問題な……!?」まるで海賊のようなことを呟きながら女性は鍵に手をかけ、宝箱の蓋をあけた。しかし、中に入っていたのは財宝ではなく・・・「ヒイッ!なによこいつは!?」ゆっくり開いた宝箱からは、大きな緑色のスライムが顔を出した。宝箱から溢れ出したかと思うと、スライムは女性を見下ろすほどの大きさの粘液の塊となり、橙色に光る目玉で彼女を品定めするかのようにじっと見つめていた。「な……なによ……こっちをジッと見て……エッッ!?」初めてみる動く粘塊にすっかり呆気にとられた彼女は、スライムの捕獲動作に反応することができなかった。女性は自分に襲いかかる腕のような粘液を避けることができず、彼女はまるで抱きつかれるようにスライムに拘束されてしまった。スライムの拘束はきつく、女性は腕を動かすことが精一杯だった。「ちょっと!離しなさいよ私を一体どうするつもりよこのヌルヌル野ろ……!?」彼女が不安の裏返しにスライムに悪態をつこうとすると、スライムの体液は女性をまるで愛撫するかのように流動した。「うう……気持ち悪い……」生暖かい粘液に弄ばれて彼女は呻き声をあげる。しかし、スライムはただ女性を包んでいた訳ではなかった。「腕だけでも……あと少しで抜け……ん!?」ようやくスライムから腕を出すことができた彼女だったが、そこには服の袖口はなく、まるでもとから半袖だったように、肩のあたりまで溶けていたのだった。「は……!?ま、まさか……きゃっ!」ぎくりとして彼女が視線を下ろすと、胸元の服も溶解が進み、胸の谷間が露出しだしていた。「なっ……!服が溶けてる!?服が溶けて……次は……体……なの……!?わ……私は……食べられ……いや……」服が溶けたら次は肉体を溶かすのか、食べやすく剥いてから餌にするつもりか・・・そんな想像に彼女は顔を蒼白にさせ、スライムのなすがまま、ただ自分自身を抱きすくめることしか女性はできなかった。そんな間にも彼女の服はどんどん溶けていった。粘液に侵食されまるで大胆なナイトドレスのように空いた背中の穴は、やがて背中全体を露出させ、裾から溶けだしたスカートは、パンツを越えへその位置までほつれていった。「嫌……冗談じゃないわ……!やめて……!」そしてワンピースを溶かし終えたスライムは、ついに彼女の下着も襲いはじめた。撫でるように、舐めるように最後の布を溶かすスライムに、彼女は身震いし、胸と股関を手で覆い、せめてもの抵抗をした。しかし、そんな抵抗も空しく、彼女のチューブトップブラジャーは背中側の溶解によって体の前後でセパレートし、彼女の豊かな胸は北半球も南半球も丸見えに、パンツもあちこちに穴があき、ボロボロになって消えていった。そして直接手で押さえていた最後の布も手の指の隙間から入ったスライムによって溶かされ、ついに女性は生まれたままの姿にされてしまった。船底の薄暗いカーゴデッキに、緑色の粘液に囚われた全裸の娘が、丸窓からの光とスライムからの発光によって艶かしく照らされる。女性の金髪と白い肌が緑色のスライムによって引き立てられる様は、さながら空っぽの観客席で行われるストリップショーのようであった。「ああ、私……こんな訳わかんないスライムに……裸にされて……し…い…やめ……!」女性は人ですらない化け物に脱がされ、さらに命の終わりまで予感し・・・「きゃああああ!」理性の限界に達し、叫び声をあげてしまう。カーゴデッキに恐怖とも羞恥ともつかない悲鳴が響き渡る。「しまったっ、叫んじゃった!バレたら捕まる……それに裸も……!いやそれよりも助けてもらうべきかしら……食べられ溶かされるくらいなら………ひぃぃっ!」叫んですぐ正気にもどり、そんなことを考える彼女だったが、スライムが活発な流動を再開した。短く悲鳴をあげ、ついにその時がきたのか・・・彼女はそう思い、目を閉じスライムの中で蹲った・・・が、次の瞬間。

にゅるんっ♥️ぽーーん♥️

スライムは女性を粘塊から勢いよく放出し、裸で蹲った体勢のまま、彼女の体は宙を舞った。「いたた……あ、あれ………?」まさかスライムが服を溶かすだけ溶かして自分を逃がすとは思わず、強かにうった腰をさすりながら、乳首を隠すことも忘れて、女性が唖然としてスライムを見つめていると……人間一人包むような大きなスライムがみるみるうちに人間サイズに圧縮されたかと思うと、なんと裸の彼女そっくりの姿に変わった。彼女に化けたスライムの肌から分泌された粘液は、たちまち繊維のような質感をもち、スライムに襲われる前に着ていたものが緑色に染まったようなワンピースに変わった。その光景を大事な部分を放り出してまで眺めている本物の女性を尻目に、スライムはまるではじめから知っていたかのように他の部屋への扉に向かって歩いていった。「ちょっ、待ちなさいよ!人にこんなことして、一体何が目て……嘘」我に帰った彼女は、自分に化けたスライムを追って問い詰めようとしたが、立ち上がろうとした彼女の目に入ったものは……無防備に揺れる自分の胸だった。改めて自分がいかに恥ずかしい格好にされたのかを思い知らされ、顔を赤くし申し訳程度に裸を隠しながら、女性は木箱や樽の影に消えていった・・・。一張羅もなけなしのベリー硬貨も失った密航者の彼女がどうやって下船し、全裸から解放されたのか、それは彼女自身記憶がなく、ましてやスライムは何故宝箱に潜んでいて、何処へ行ったのかなど、彼女の知るところではなかった・・・。

Report Page