SideU:RW~現世を望む歌姫~

SideU:RW~現世を望む歌姫~


「私の場合のきっかけ?」

「言わないでいいわよ。そもそも聞いてないし」

「そうだねえ……あの日は……」

「……もう回想に入ってる……」

 あの日はちょっとした偶然が始まりだった。

 ルフィとそういう関係になって何度か体を重ねて……わかったことは、こういう事でもルフィは私をとても大事にしてくれているということだった。

 私を傷つけることはもちろん、私が苦しくならないように、無理をさせないようにとてもとても大事に扱って……気持ちよくしてくれる。

 私の方が先に体力の限界がきてしまうと、ルフィ自身はまだヤれそうなのに止めてしまい、私が寝るまで優しく寄り添ってくれている。

 ……そんなルフィに申し訳なさと、私だって最後までルフィに気持ちよくなってもらいたいのにという気持ち。

 何かの拍子でついウタウタの能力でルフィを眠らせた時に、前々から思っていたことを思い出してふと口に出してしまった。

「……たまには、私に遠慮しないで最後まで、ルフィの欲が尽きるまで思う存分私を抱いてくれてもいいのになー……」

 その途端、眠ったままのルフィはムクリと起き上がり私に襲い掛かってきた。

「わ、まず……声に出てた? ルフィ、とまっんむっ!?」

 止まるように命令しようとした瞬間、ルフィに口を防がれる。左手が私の腰に添えられ、後頭部を右手で鷲掴みされ、後ろにも横にも逃げられないように拘束された上でのキス。

 私が操ってルフィにこんなことさせている、という罪悪感から押しのけようとしてもびくともせず、そうこうしているうちにルフィの舌が私の唇にふれ、割って入ってくる。

「ふむぐっ!?んむゥ……!むゥー!……んむ……♡……んっ♡」

 いつもは優しくお互いの舌を絡め合うようなディープキス。だけれども今日のは荒々しく、私の口内全てを味わい尽くすかのような、貪欲なルフィの舌。

「んっ……♡……ふゥンっ♡……んぐっ♡」

 溢れる唾液は私の物か、送り込まれたルフィの物か。たぶん混ざり合った二人の物だろう。それを飲めと命令された気がして、私はコクリコクリと喉を鳴らして嚥下する。

「っぷァ♡……あー……♡」

 どれだけ拘束され口を凌辱されていたのか。ようやく解放された私の唇からは、離れないで、もっとしてというかのようにルフィの唇へと橋が架かっていた。

 そんな私にお構いなくといった様子で動くルフィに手押され、ベッドに寝転がされる私。

 私の両手首を片手で掴み、ギシリと馬乗りになるルフィ。ちら、と彼の下半身に目を向けると、明らかにズボンを押しのけて屹立しているモノが目に入る。

 うわっ……すごっ……♡って違う違う、ルフィ止めてあげないと!

「ねえルフィ……。……?……っ!?」

 もう止めて。目を覚まして。そういうだけでルフィは私に操られたせいで無理やりさせられているこの状況から抜け出せるはずだった。

 なのに、私はそういえなかった。なんで……?

 混乱している私にルフィの空いた手が迫り、服の中に入ってくる。

「んァっ♡あ、ま、まってっ♡」

 先程の長い長いキスの中で軽くイってしまっていたため、すでに濡れそぼっていた私のソコに入ってくるルフィの指。

 腕は拘束され、脚も間にルフィが体を入れて居るためろくな抵抗はできない。

 ルフィは器用にいろんなところを刺激してきて、私をイカせようと指を動かし続ける。

「ふァッ♡ちょ♡ど、こでっ♡そ♡ンなっ!?♡……あァッ♡」

 普段と全く違うルフィの攻めにどんどん追い詰められ……自分でも嘘、と思うくらいあっけなくイカされた。

 体を硬直させそれに耐えていると……硬く、熱いモノが私のアソコに触れていた。

「やっ♡まっへ♡まだっ♡わらひっ♡ィっ♡とちゅ♡」

 そう、いつもなら私がイッたら落ち着くまで待ってくれていたルフィ。

 でも、今日は"いつもの"ルフィではない。私の一言がきっかけで遠慮のない一匹の雄となっているのだ。

 当然私の制止など効かない。いや、ちゃんと命令したのなら止まるはずなのだから……心の奥底で私自身もこの遠慮のないルフィを望んでしまっているのだろう。

 先程のチャンスで声を出せなかったのも、それが理由。

 優しいルフィを操ってごめんなさい。欲望に忠実な私でごめんなさい。だから、私を罰して♡

 罪悪感と期待でごちゃごちゃした私の心そのままに、硬く大きく熱く勃起したルフィのそれが私の入り口に宛がわれる。

「んっア♡そこっ♡それ♡それ、だけっで♡……イぃ……♡」

 クチュクチュと私に聞かせるようにわざとらしくいやらしく音を立てて擦るルフィ。触覚だけでなく、聴覚すらも犯されているようで。

「ふァっ♡あっ♡あっ♡やだっ♡ま゛っ♡ア゛ァッ♡」

 ルフィはまだ入れてない。それなのにもう二度目の絶頂がちらついてくる。このままでは本当に、入れられる前にイカされてしまう……チカチカする思考の中でそれに抵抗し、だけれども抵抗しきれなくて身を委ねようとしたとき……。

 ズヂュッとも、ゴヂュッとも。あるいはズヌュプンだっただろうか。粘液を伴う肉をかき分け、その最奥へと突き当たる音がした瞬間私の思考は途切れ、呆けていた。

「おっ、ふっうっ……ァ? ……ふっ♡ア゛ッ♡!? うァっ♡……はひっ♡ひぅっ♡あ゛っ♡う゛っあっ♡っぐうゥ♡ああ゛ァ゛あァ……♡」

 呆けた頭で何が起こった? イキそうな直前、ルフィが一気に奥まで入れてきた。そう理解した瞬間、まるで堰を切ったように快楽が溢れてきて、遅れてやってきた強い絶頂の波に翻弄される。

 高められ焦らされた私はたった一突き。入れられたその衝撃だけでトンでいた。もちろん、ルフィはそこで止まることなくピストンを開始する。

「ア゛っ!?がっ♡イ゛ッ♡イ゛ヘっ♡るゥ♡ま゛らっ♡イギっ♡ひへっ♡てるっ♡」

 奥を何度もたたきつけられ、道中をズリズリゴリゴリと削れ、時には入り口の浅い部分を細かく突きほぐされ……もう自分ではなんどイったかわからなかった。

 なにせ二度目の絶頂から降ろしてもらえず、切れ目がないくらいにイってイってイカされて……いつ解放されたのかもう覚えてない両手はベッドのシーツを握りしめるしかできなくて。

 気持ちいいけど苦しい、苦しいはずなのに気持ちいい。そんなわけがわからなくなった頭でも理解できたことが一つ。

 どく、どく、と脈打ちながら私の中に注がれる、ルフィの精液。

 その脈動と熱と、私の中をさらに押し分け満たしていくその感触で、私はさらに絶頂へと押し上げられる。

「ァ……♡アッ♡ッ♡ゥ……♡……うぁ……♡っひ♡……くひっ♡」

 イカされすぎて、気持ちよすぎて狂ってしまったのだろうか。私の口からは白痴のごとき笑いがこぼれていた。

「はひっ♡ひへへっ♡えへっ♡あはぁ……♡はっ♡っふっ♡へひへっ♡」

 そんな私にかまうことなく、あれだけ大量に出したのにも関わらず、抜かずに二回目を始めるルフィ。

 そこにはもはや人はおらず、もたらされる快楽に堕ちきった雌と、その雌を際限なく欲し貪りつくす雄がいるだけだった。

「……とまあ、そんな感じでね。いやあ、ルフィの底なしにはまいっちゃうよね、ほんと♡」

「だから聞いてないって……。まいったっていうわりには、まんざらでもない感じじゃない」

 口にした言葉とは裏腹に笑顔のウタにナミは突っ込む。それ以外の事は突っ込んでもスルーされているのには目を瞑る。

「そりゃあ……だって、ねえ? それでルフィに現実で押し倒されて抵抗虚しく……ってのに目覚めちゃったんだしィ♡」

「はーそりゃごちそうさまでした。で、それからウタウタで操ってスルようになった、と?」

 ほんと、このバカップルは……。そう呆れながらも話に付き合ってしまうのは……まあ、こんな話を他のクルーの前でされても困るというのが大きい。

 二人だけで完結してくれてれば催眠かけた相手に襲ってもらうなんて特殊なプレイもどうぞご自由にというところだが……。ウタにとっては違うようで。

「ちっがーう! そりゃきっかけは私の能力のせいだったけどね? やっぱり、起きてるルフィにそうシテもらうのが一番こうふ……きもち……フェアじゃないかなってさ!」

 こぶしを突き上げ猛抗議をしてくるウタ。

 対するナミは冷静だ。手元の湯飲みを持ち、スズズ……とお茶を啜る。

「取り繕わなくたっていいじゃない。アンタたち、お似合いの変態バカップルよ。」

「……!!」

 "偉大なる航路"、その道中。

 麦わらの一味の船は、本日も平静ナリ――。

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