STRAWHAT’SRING ~スリラーバークにて~
“王下七武海”ゲッコー・モリアとの激闘を終えた麦わらの一味
そんな彼らの前に、骸骨紳士ブルックは手配書を取り出して跪く
「申し遅れました……!!私(わたくし)!!死んで骨だけ名をブルックと申します!!フダツキでございます!!通称“鼻唄”のブルック!!懸賞金「3千300万ベリー」!!昔、とある王国の護衛戦団の団長を務め、その後ルンバー海賊団船長代理“音楽家兼剣士”。今日(こんにち)より麦わらのルフィ船長にこの命!!お預かり頂きます!!皆さんのお荷物にならぬ様に!!骨身を惜しまず頑張りますっ!!!」
新たな仲間の名乗りにルフィはニッと笑う
「ってことは…ルフィ!」
「恒例の“アレ”、いっとくか?」
ウソップとサンジに声をかけられ、ルフィは「おう!」と返事する
“アレ”とはいったい何だろうか?
ブルックが首を傾げていると、こんどはルフィがブルックの目の前に跪き…
「よろしくな、ブルック!!」
そう言ってポケットから取り出した四角い小箱をパカリと開いた
「!!!?!?!?」
ブルックはおもわず目玉が飛び出そうになった(目玉はないが)
周りにいたモリア被害者の会の面々もひっくり返りそうなくらい驚いている
ルフィの取り出した箱の中には、キラリと輝く指輪が鎮座していたからだ
それはどこにでもあるシンプルなシルバーリングだったが、ブルックにはどんなデザインでも衝撃的だっただろう
「ええええっ!!?あ、あのルフィさん!?」
「ブルック、これやるよ!」
相手の困惑ぶりも気にせずニコニコ笑うルフィ
この若き船長の突然の行動に驚きつつ、ブルックは言葉を絞り出した
「る、ルフィさん!あなたのお気持ちは大変嬉しいのですが…こ、こういった物はもっとこう、大切な方、大切なお嬢さんn「おれ達も貰ってるぞ」えっ?」
突然降ってきた声に顔を上げると、ウソップの人差し指に指輪がはまっているのが見えた
それはたった今ルフィから渡されそうになっているものと全く同じデザインのリングだった
「えっ?それは…」
「おれ様も貰った時はスーパー驚いたな。その後子分達にも渡してたし」
そう言ってフランキーもリングを見せる
「コイツ、同性異性問わずあげてるのよねー。オマケに下心は一切なし!」
そう呆れながらもナミは中指にはめていたリングを眺める
「これは、ルフィからの仲間のしるしなんだ!」
そう嬉しそうに説明するチョッパーの角には、キラリと輝く銀色があった
「「大切な人には指輪を送る」、昔そう教えてくれた人がいたんですって」
ニコニコと微笑むロビンのリングは右薬指にはまっていた
「そ、そうなんですか」
「もちろん、そこで寝こけてるクソマリモも受け取ってるぞ」
そう言って簡易ベッドに顎をしゃくったサンジの中指にはシルバーリングがしっかりはめられ、ベッドで眠るゾロの胸元にはチェーンを通してネックレスになった指輪があった
「ヨホ…ヨホホ」
あまりの光景にブルックの骨ばった肩の力が抜ける
「というわけだから、うちのクルーになると宣言した以上しっかり受け取らねェとな」
サンジはタバコに火をつけながらニヤリと笑う
「ブルック、もらってくれるか?」
ルフィが見つめる中ブルックはもう一度箱を見る
そして頷くように顔を動かしてから箱を受け取った
「ええ、喜んで」
ルフィの顔がますます笑顔になり、仲間達も笑みを浮かべる
そして、
「よ━━し、もいっちょ乾杯だ~~~~~~~~~!!!」
ルフィの掛け声の元、楽しげな宴が再開された
おまけ①
ルフィ「あ、そうだ」
ブルック「?」
ルフィ「おーい!あとでお前らにも渡すからなー!ちょっと待ってろー!!」
ローラ「本当!?ありがとう結婚して!!」
ルフィ「ごめんなさい」
リスキー兄弟「「4445回目の破談だ!!」」
リスキー弟「いや、4444回目と同じ相手だからノーカンか?」
ウソップ「そういう問題じゃねェだろ」
おまけ②
ゾロ「ブルック。仲間になったって事は、お前も指輪貰ったのか?」
ブルック「はい。ですが、私の指は少々細すぎるのでゾロさんと同じ様にネックレスにしてもらいました」
ゾロ「そうかい」
ブルック「ルフィさんや皆さんは本当に優しい方達です。「新しいクルーの大切な仲間だから」と仲間達の分の指輪も、いっしょに埋めてくださったそうです」
ゾロ「へェ」
ブルック「よく見たら、そちらの刀にも…」
ゾロ「ん?…あっ!アイツいつの間に!!」
ブルック「ヨホホ!ゾロさんが大切にされているものは、ルフィさんにとっても大切みたいですね」
ゾロ「そういうもんか…?でもまァ、後で礼は言っとくか」