SS作者が読みたいだけのエネルの話 その③
首しめあり
「フー…フー…!!」
必死に歯を食いしばる。神そのものである自分が、今の自分のままでいられるように。
そんな抵抗もむなしくテンタクルはついに上半身にまで触手を伸ばしてくる。全身に体液を注射され、もはや動くことは出来ない。
「少々、遊び過ぎたようだな…私とした事が…ヤハハ」
細かい触手が腹筋、鼠蹊部をシュルシュルとなぞる度にビクッと体を震わせながらもその優れた頭をフル回転させてなんとか脱出する方法を考えるが、
(クソ…思考に、集中できな…)
突然、触手が侵入者の首を絞めた。
「んぐ?!」
触手は力を緩めず、もう既に首に真っ赤な痕がついているにも関わらず強く首に巻きつく。
(まずい、呼吸ができないと脳に酸素が行き渡らないと思考どころか死んでしまう…)
大口を開けてなんとか息をしようと試みるが、カヒュッカヒュッと掠れた音しかでない。開けた口から垂れた涎がテンタクルの体液と混ざって見分けがつかなくなった。さらに、隙だらけになった口内に細い触手が何本も入り込み喉の奥を突っつく。
(このままでは…いきが…いきができない……!!どうにかしなけれ
その瞬間、細い触手が束となり気道を完全に塞いだ。
「ぁ」
エネルは目の前が真っ暗になった。
気を失った侵入者にもテンタクルは容赦しない。「これは侵入者だ」と分かるようなマーキングをしておくべきだと判断したようだ。
そして、そのマークを肉体に刻み終えた頃に、こちらに近づく影があった。