SS作者が読みたいだけのエネルの話 その②

SS作者が読みたいだけのエネルの話 その②



神は悠々と島を探索し始めた。勿論、キメラや建築物には触れないように常に『心網』を広げている。見つかった時には自身の能力で雷そのものとなりその場を離れた。

「流石に追っ手が多くなってきたか…」

島にやってきた獲物を逃さぬようにらギラギラした目でキメラ達がやってくる。エネルはわざと彼らに近づき、危なくなる前にまた逃げる遊びを繰り返した。どんどん島の奥に入り込み、気配が消えたので薄暗い森の中で立ち止まる。

「この島で独自の進化を果たしたキメラ…。調べてみたいものだが、近付くのはごめ…ん?」

足首に何かが絡んでいる。…触手だ。

(読み逃したか……!さっさとここから抜け)

雷になるよりも早く、触手が一気にエネルの鼠径部にしがみついた。今まで感じたことのない感触に思わず一瞬動きが止まる。

「……あ???」

それを見計らったように…いや、触手に意思などない。ただ機械的に侵入者を捕らえようとしているだけである。テンタクルに用意されたプログラムに勝手に相手が振り回されているのは、側から見れば滑稽なものだ。                テンタクルはエネルの太腿に絡みつくとお得意の薬液を注入し始めた。

「が、あぁ…あ?!」

エネルの反応がもう少し早ければきっと逃げられただろう。非常に残念である。



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