SS作者が読みたいだけのエネルの話 序章

SS作者が読みたいだけのエネルの話 序章


神は降り立った。

青い空、白い海、そして、さまざまな植物が生い茂る豊かな大地。『神』ことエネルは大きな石の上から下を見下ろしている。月で何か不都合が起こった訳では無い。ふと「ここから真っ直ぐ降りていったのならば、何処に辿り着くのか」と思い立ち、月からマクシムで降りてきたのだった。 「ここが青海の島か。……『心網』には奇妙な生物や植物が映っているようだ。この島は空島には無いもので満ちている…キメラ、謎の建造物、一体奴らはなんなのだ…?誰がなんのためにこんな狂った島を…?!」              エネルは知識欲の権化である。この島の摩訶不思議な生き物や現象に、既に彼は心躍らせていた。             彼の座っている石の下の近くにも、見たことのない花が咲いている。試しに指で触ってみるとビュッ♡と白濁色の液体を噴射した。思わず雷になって避け、ムカついたので雷を落として花を散り散りにした。それを見たエネルは           「不届き」              と呟く。例え自分の知らぬことに非常に貪欲だとしても、彼は依然として『神』であった。    

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