SSEG

SSEG


閲覧注意!

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閲覧注意!

閲覧注意!





EGさん視点、ほぼ独白みたいなのであまりエッチではないです。バッチリやることやってるのでやなひとはごめんなさい。


SS 色々良くない男。キレやすい。

EG 隙が多すぎる男。趣味が悪い。





一突きされる度視界をよぎる汗が鬱陶しい。これ以上情けない姿は見せられないと思いながらも口から吐き出される声は砂糖よりも甘く、痺れるような快感で蕩けた本能を如実に表している。少しでも気を抜けば持っていかれるだろう意識に激を飛ばして、壁に貼り付けられた時計を見ると既に針は右斜めに傾いていた。限界を知らせる警鐘が、脳内に木霊している。


……ああどうしてこうなっちゃったんだろう。ただ、彼が一緒に日本を見て回ってやろうなどとと言ってくれたから、それに着いて行っただけなのだ。久しぶりに会話した憎き好敵手がそれはそれは親切に"観光スポット"とやらを教えてくれたから、それがなんだか無性に嬉しくて。いつもなら逐一訪ね直すような、観光スポットの内容とか、誘ったその理由だとか。そういう雑多だけど大切な情報を全く聞かず二つ返事で彼からの提案を受けたのが記憶に新しく、腹立たしい。端的に言えば浮かれていた。全く新しい大地を踏むことへの興奮とその傍に彼がいてくれることへの安心とで、ついうっかり隙を作ってしまった。


その結果この有様だ。簡素だがきちんと整えられていたベッドはドロドロのぐちゃぐちゃ、形容しがたい体液で塗れそのうえで踊り狂う2人の男は最早ヒトの形を保てないほど深く繋がり離れようとしない。いい歳した2人がしていいことじゃない、そう思いながら止まらない行為を受け入れるのは、諦念か、あるいは。ただ1つ言えるとするならば。


「(――もう少し、彼の前で自分を隠せていたら、なんて。詰めが甘いなあ、僕ってばほんとに……)」


ぼやける視界の中でそう独り言る。そうなのだ。最初っからそこには彼が作った蜘蛛の巣が張られていたのだ。それは誰でもわかるくらい露骨でハッキリとしていたのに、ただ「嬉しい」の感情だけで何も気づかずその罠に足を踏み入れてしまった。情けない。これは紛れもない僕のミスだった。事実、漆黒の中で嘲るように笑う彼を僕は突き放せない。その腕に囚われる自分の姿を瞳越しに見ては、頬を熱くさせるくらいしかできないのだ。


「顔こっち向けろ」


一方的な声が顎を掴む。ふざけるなよと言いたい口が言うことを聞かない。そもそも、体全体言うことを聞かないのだが。


「……なんだ、もう意識飛んだのかよ。さすがの体力バカも歳には勝てねえかぁ?」


うるさい、この歳になっても性欲に体力振り切ってるお前に比べたらマシだろう。


「なんだちゃんと起きてるじゃねえか。返事しろよな、せめて体で教えてくれよhoney?」


くすくすと笑う彼はどこぞのヴィランか何かかと思うくらい邪悪だった。腰を掴む掌は酷く熱い。きっと朝には赤黒い痕が残るんだろうな、と他人事のように考える。今夜の彼は、どうやら大層機嫌がいい。そうやすやすと解放してはくれないだろう。


「(何回も何回も、確認するみたいに人を揺さぶって弄んで……もう、あれきりにするつもりだっんだよ、僕。もう乱されたくなかったし、二度と会えないと思ってたから)」


ブレる景色に目眩しながら、じわじわと感じる後悔がシーツを濡らした。嫌だ。感じたくないのに声が出る。彼の横暴に抵抗もせず応えてしまう。穿たれるたび意識がとびそうになって怖い。何回やっても慣れない行為を、なぜここまで自分は受け入れてしまうのか。


「(何より受け入れ難いのは、ここまで酷くされているのに易々と受け入れる自分自身だ。……この行為が、終わらないで欲しいだなんて。どこまで頭が沸いてる?)」


多分あと数分で一度暇が空くのだろう。互いに交わされる息遣いは既に最高潮まで昂っていて、繋がった箇所が火花を散らすかのように激しくぶつかり合っている淫らな音と感触が伝わって来る。痺れるような快感と、射抜かれる視線がたまらなく心地いいと感じてしまっている時点で試合には負けたも同然……だなんて、そんなふざけたこと。この僕が認めるわけが無いだろうが。蹴り飛ばすぞ。にわかに燃えた怒りの炎が事切れた体に燃え移る。今やらなければ、いつやるというのか。随分と腐り落ちたSSという男を脅かせて――目にものを見せてやるのだ。


「ひ、ぅあ――っ、や、だ、やだぁ……!!」

「急に暴れんなよ、っ、はァ、あと、ちょっとでキマリそうだってっんのに……!」

「うぅ、ぐ、ぁあっ、やだ、このまま、すきかってされてただ、だかれておわる、なんて……たまるかぁ!!」

「は?何をい――ッッぐ、がぁ……!?」


にわかに身を捩り始めたのを見て動きを止めたSSを横目に、僕は衝動に任せて彼の喉笛に思い切り噛み付いた。深く牙が埋まったのか口内に鉄の味が広がる。唐突な反逆に狼狽するSSの、なんと滑稽なことか!


「ん、れろっはふ……ふ、ははっ、あはは……っ!ねえ、SS。君今すごい顔になってるよ」

「て、っめぇ……!!」

「僕だって、やられっぱなしは性にあわないんでね。まさか手負いの玩具が牙を剥くなんて、思わなかっただろう?」


やっと一矢報えて気分がいい僕と裏腹に、青筋を立てた彼の瞳は赤と青が入り交じって黒くなっていく。咄嗟の思いつきでやったのが幸を成したようで、なかなかイラついているようだった。


「ざまあみろ、だねdarling?………これで止める君じゃあないことを期待するよ」

「上等だクソビッチ、腹上死するまで仕込んでやるよ………!!」


ギラギラと鋭くひかる満月のような瞳が眩しい。そうだ、この男こそ僕のよく見しった彼であって、僕が負かせたい男なのだ。僕は来るだろう衝撃に備えてゆっくりと瞳を閉じる。殴られるかな、そしたら殴り返してキスをしよう。そしたらまた、驚いたような彼をみて、思う存分笑ってやるのだ。


夜はまだ、始まったばかりだった。












「だーーーー!!!!!!くそっ、あんのやろっ、とんでもねえ有様のまま帰りやがって、どんなプレイしてんだッ」

「うっわ凄惨。シーツかっぴかっぴのびっりびっりなんだけど。初めてみたわこんな……って、血、血いついてる。え、親父これ、これ事案じゃない?」

「大方盛り上がりすぎて最終的にハードSMでもやったんだろそういうことにしとけめんどくせえ!!ああもう、請求書はあっちにつけてやるからなあ、覚えとけクソ親父……ッッ!!ファンロン、裏で寝てるやつら全員連れてこい、ふたりじゃ話にならん」

「ええ………仮にも俺たちあのひとの孫なんですけど……」

「散々身内の尻拭いしてきた時点で言い訳になんねえだろうが」

「それはそうなんだけどさぁ〜そういうんじゃいっていうかさぁ〜〜」

「いいから行け!蹴られたかねえだろ、な??」

「あーもう、連れて来りゃいんでしょ連れて来りゃ〜!!」




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