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えつらんちゅうい相手はご想像にお任せします
(仕事による立場上、国民や海賊から怨念を向けられることは少なくない。それを承知の上で国と国民を護るために日々切磋琢磨していた)
熱の蔓延る空気を浅く肺に流し込めば、体の芯からほろほろと肉が解けていき懇願も意味を成さなくなる。大きな痺れが全身を這いずっては脳をも絆されそうになっていた。ただひたすらに混じり合う熱に声を漏らし、喉元が水欲しさに喘ぎ立てるのを悪魔は嘲笑っている。
身に余るほどの衝撃は幾つもの鍛錬を重ねた体躯を持っていたとしても留めておくことはできない。内側から迫り上がる衝撃を逃がすように体を捻り、それでも耐えかねた嬌声を吐き出さぬよう右手で覆い隠す。自らの熱を含んだ吐息が手のひらに跳ねては指の間をすり抜けていき、またこの体に取り込まれた。
天地と己の境界線が分からなくなるほどに快楽へ沈んださまを、蔑んでくれたらどれほどよかったか。