SAND IN FRONT OF THE WAVES

SAND IN FRONT OF THE WAVES

稲生・紅衣・メメ・虎屋のスレ主

─志島家分家side─

「参ったな...奴らの手先か」

相棒(クンペル)達を止めるために出てきたがどうやらユーハバッハ達はそれを許す気はないらしい

今僕の前方に立ちふさがっている少女は志島を名乗っていた...可能性として高いのは所謂本家だがあれは全滅したはずだ もしくはそう思わされていたのか

更に言えば他に4つかなり大きい滅却師の霊圧がある 計5名の手先を送り込んで来た訳だ

「しかし驚いたよ 君たちは死神と敵対しているはずなのになぜ命を救ったのかとね」

命を奪うことを事も無げに言ってのける少女...やはり僕らの退路を断ち目標へ強行させるために死神を狙っているのか

「貴方が私らの相棒(クンペル)足り得るなら 例え死神であろうと守る対象であるべきですよ...例外は虚くらいです」

斬魄刀の使用で息が既に上がっている相棒が言いかえす

「斬魄刀の持ち主さん 斬魄刀を返すので戦って下さる?このままだと私たちの前にこの乱入者に殺されてお終いですよ」

相棒が斬魄刀を投げ渡し死神が受け取る 死神も惚けた顔を止めて直ぐに僕らを含めて敵に向き直った

「一体何がしたいのだお前たちは...!」

死神が言うのも尤もだ『虚を従えて抵抗する虎屋家』『その虎屋家を止めるために来た分家』『なぜか死神を殺しに来た滅却師』...混乱せざるを得ないだろう


「さて それじゃあやろうか...十分時間は取ったつもりだよ」

本家の少女の霊圧や殺気からして並大抵なんてレベルじゃない...ならばすべきことは

「逃げるぞ相棒!そこの死神も拾っていく!」

二人を抱えて逃げる これ一択しか残されていない

まずは相棒を右の小脇に...抱えようとしてそこで僕は地面に顔をぶつけた

どうやら相棒が全力で僕の足を蹴って払ったらしい...案の定僕の飛廉脚を読んだ軌道で霊子で構成された弾丸が飛んでいった

「構えなよ 臆病者でないならね」

「はあああ?私の相棒は臆病者なんかじゃないですわよおおお!」

弁護してくれるのは嬉しいが乗らないでくれ相棒...

敵が万全の状態で逃げるのは無理だ 仮に僕一人であっても打ち抜かれて終わる

「相棒(クンペル)...一発だけ頼む 死神は死にたくないならその子を守っててくれ」

「任されましたわ!」「...?仕方がない 分かったぞ滅却師」

僕はハンドガン型の兵装を構える 相棒が手で四角をを作りそれ越しに僕を見ている

「そういえば君たちの虚の狩り方は知らないね どの程度の物なのかは気になる所だ」

気になるとは言いつつも本家の少女も無論そのまま受けるなどという酔狂はしないらしい

「縛道の八 斥(せき)!」「初の舞『月白』!

死神が鬼道を破壊されながらも攻撃を懸命に逸らし始解の氷で更に防御を固める

「ちょっとそこの虚 相棒の盾になりなさい!」

五代目我流滅却師の能力によって操られた虚は相棒の指示によって僕がポーズを決めている間肉壁になってくれるようだ...恨みのこもった目で僕を見られても困るよ虚君

「...ッ!ちょっと痛かったけど大体OKよ それじゃあ相棒 顎引いてー 足は半歩後ろにー そう!」

僕は魂魄を焼かれたのだろう顔を顰めた相棒の指示の通りにポーズを決める

「右手はピース!後はこっち向いて笑顔で...笑顔が固い!...左手はそのまま引き金に手をかけて...ハイ ショット!

僕の放った霊子の弾丸は"偶然"ではなく"必然"に則って進んでいく

丁度相手の瞼が閉じた時 丁度他の場所で大きな戦闘音が鳴った時 丁度どこかで大きな霊圧が放出され霊視に支障をきたした時

──そして丁度これで僕らの持てる最大の"致命の一撃"が放てる

僕の攻撃は確かに本家の少女の喉元へと吸い込まれるように進み...途中で止まった

「驚いたね まさか妖精の仕業(クライネ・フィーン)を使わざるを得ないとは」

喉に半ば突き刺さった弾丸を糸で弾き出し笑って見せた

僕らの全力を持ってしてもただ血を流させるのが限界か...彼女の魂魄もまた限界だこれ以上の支援は絶望的だろう


飛べ 堅獄鴉!ようやく見つけたぞルキア!どこに行っておったのじゃ!」

あれは確か...このルキアと言う死神の上司だったか

「稲生五席...すみませんご助力を」

「いや...一度無理やりにでも隊長たちが陣を敷いているところまで撤退するんじゃぞ?そこの虎屋家と分家の方も来るのじゃ!」

どうやら既に死神は乱入者に対して共同戦線を組んだらしい...そこの死神のでっち上げで無ければだが

「大丈夫よ相棒 少なくも『ここにいる続けるよりはマシ』だって第六感で分かったわ」

相棒が言うのなら僕も信じよう 問題はどうやって逃げるかだが...

「なるほど君たちについていけば敵の本拠地に着けるわけか」

いくら隊長格がいるとしても敵を引っ提げて向かうのはやめた方が良いだろう

<<<縛道の二十一 赤煙遁(せきえんとん)>>>

先ほど稲生五席とか言う死神が始解して放っていた鴉数百が一斉に縛道を唱え辺り一帯が煙に包まれた

「敵は一人一人が隊長格ほどには強い!だがこちらにも藍染や浮竹...あとマユリも居る!まずは合流して作戦会議じゃ」

僕は煙の中で追ってこない本家の少女に気をやりつつ相棒を脇に抱えて走り出した


「外れだと思っていたけどああいうのもあると知れたのは良かったよ 君はどうだったヨルダ」

「僕は藍染に会った 部下を逃がし立て直しながら僕の相手をしていたよ...僕らも一度集合してあちらの出方を見ようか」









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