RABBIT Root

キリノ「お久しぶりですミヤコさん！」

ミヤコ「こちらこそお久しぶりです。今回は収録のために来てくださってありがとうございます」

キリノ「いえ。本官がお役に立てるのなら是非とも呼んでいただいて構いません」

ミヤコ「そうですか…せっかくですし何か食べますか？作りますよ」

キリノ「本当ですか！でしたらお願いします！」

ミヤコ「わかりました」

～数十分後～

ｶﾘｶﾘｶﾘｶﾘ…

ミヤコ「…ところで二つお伺いしても？」

キリノ「なんでしょう?」

ミヤコ「その眼帯はやはり後遺症でしょうか？」

キリノ「えっと…後遺症といいますか…『砂糖』の影響といいますか…」

ミヤコ「…やはり」

キリノ「いえ、気にしてませんので…それで、もう一つの質問というのは？」

ミヤコ「こちらも不躾なんですけど…今は何処に所属していますか？」

キリノ「……アビドスです」

ミヤコ「……ヴァルキューレではないんですね」

キリノ「…一応カンナ局長から特例で戻ってきてもいいと言われたんですけど、流石にそれで戻ろうと思うほど本官は図々しくありません」

ミヤコ「……そう…ですよね」

キリノ「あっ、ですがヴァルキューレを辞めるつもりはありませんよ！」

ミヤコ「えっ？」

キリノ「あくまでも特例で戻る気が無いというだけです！正々堂々と試験に合格して、改めてヴァルキューレに戻るつもりです！」

ミヤコ「…そうでしたか」

ｼﾞｭ!

ミヤコ「てっきり、今回の事でヴァルキューレを辞めるのかと…」

キリノ「辞めませんよ！…いえ、最初は戻ろうか悩んだんですけど」

ミヤコ「けど？」ｻﾞｸｯ!ｻﾞｸｯ!

キリノ「フブキから『戻ってこないとキリノが相手してた案件を私が受けなきゃならないじゃん。それに何となく張り合いがないというかつまらないし…だから早く戻ってよ』と言われてしまい…」

ミヤコ「…それで戻るんですか」ｸﾞﾂｸﾞﾂ…

キリノ「付き合いでわかりますが、フブキなりの激励です。照れ隠しも少しあるかもしれません」

ミヤコ「…なるほど」ﾀﾝﾀﾝ!ﾊﾟｶｯ

キリノ「ですがこのまま戻るのもなんというか…後ろめたさを感じてしまって…ですので、編入試験を受けて自分の実力でヴァルキューレに戻ろうかと思います！中途半端と言われたらそうなんですけど…アビドスの皆さんも手伝ってくれてますので！」

ミヤコ「…虚しい結果になるとしてもですか？」

キリノ「…だとしてもです！」

ミヤコ「…」ﾀﾀﾀｯ

キリノ「…そういえば、本官からも質問良いですか？」

ｼﾞｭﾜｰ!

ミヤコ「いいですよ」

キリノ「なんでアビドスでは、『私』と会おうとしなかったんですか？」

ミヤコ「……単純です」

キリノ「？」

ミヤコ「会ったら間違いなくキリノさんのヘイローを破壊するまで攻撃していたと思うので」

キリノ「！？」

ミヤコ「…ホシノさんも何となくそう思っていたようで、出来るだけ私とキリノさんを会わせないようにしていました」

キリノ「まさか身近に命の危機が…いえ、『私』の銃の腕でしたら間違いなくミヤコさんに負けていませんよ！」

ミヤコ「百発百中だったそうですからね…今はどうなんですか？」

キリノ「…ちょっと眼帯外しますね…それから…」ﾋｮｲ

ミヤコ「？何を上に投げ…」

ﾊﾞﾝ!ﾊﾞﾝ!

ミヤコ「！？」

キリノ「（ﾎﾟﾄﾝ）…どうぞ」

ミヤコ「空薬莢に弾丸を2発…しかも一発目にの弾丸に二発目を命中させて…空薬莢と合わせてちょっとした廃材アートになってますね…」

キリノ「…お恥ずかしながら、『砂糖』の影響が未だに残っていまして…」（眼帯を付けながら）

ミヤコ「…噂には聞いてましたけど、後遺症がプラスのままの人がいたとは…しかし何故わざわざ眼帯を？」

キリノ「…言ってしまえばこれはズルですから…今回は説明のために撃ちましたが、緊急時ならともかく普段はあまり使う気になりません。どういうわけか、こちらの目を閉じると以前のようになるとわかりましたのでその性質を利用してます」

ミヤコ「…確かにチートは良くないですね」ﾋﾟｯ

キリノ「…料理の方はどうですか？」

ミヤコ「ちょっと待ってください。…完成しました。特製カツ丼です」

キリノ「ありがとうございます！いただきます！」

ﾓｸﾞﾓｸﾞ…

ミヤコ「どうですか？」

キリノ「美味しいです！ミヤコさんは何処で料理を覚えたんですか？」

ミヤコ「アビドスですね」

キリノ「そうなんですか！？」

ミヤコ「とはいえ私の場合は『砂糖』ではなく、努力で覚えました」

キリノ「なるほど…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ…

ミヤコ「…ゲン担ぎというわけではありませんが、試験に勝って、ヴァルキューレに戻れると良いですね」

キリノ「（ｺﾞｸﾝ）…はい！試験は今日ではありませんが、気持ちは伝わりました！」

～十数分後～

キリノ「ごちそうさまでした。それでは本官は収録の方へ向かいます！」

ミヤコ「お粗末様でした。…頑張ってくださいキリノさん。収録もヴァルキューレに戻るのも…戻った後も」

キリノ「……はい！」ﾋﾞｼｯ

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（SSまとめ）