RABBIT Recording

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【ミレニアムサイエンススクール前】

モエ「いよいよかぁ…」

ミユ「だ、大丈夫かな……先輩達も口を噤んでいたし…」

サキ「…行くぞ!」

ウィーン

アリス「パンパカパーン!よくぞここまで来ました!」

サキ、モエ、ミユ「「「!!」」」

アリス「あっ、皆さんお久しぶりです!ミヤコにはいつもお世話になってます!」

サキ「…あ、あぁ」

アリス「改めて、この度は収録のための呼び出しに応じて、ミレニアムに来てくださってありがとうございます!早速ですがこちらの誓約書にサインをお願いします」

モエ「誓約書?」

アリス「はい!収録するにあたって守ってもらうことです!」

サキ「……どうだ、モエ?」

モエ「…うん、『ゲームのネタバレはしないでください』っていうのと

『収録期間は出来る限りミレニアム学区内に滞在してもらうこと』、

それと『収録に関しても出来る限りこちらの指示に従ってください』っていう内容以外はとくに変なことは書かれてないね」

サキ「ゲームのネタバレ?」

アリス「ざっくり言いますと『ゲームの収録に関するネタバレはしないでください』という内容です!」

サキ「本当にザックリだな」

ミユ「だ、だから先輩達も口を噤んでたのかな?」

サキ「収録期間はどのくらいだ?」

アリス「個人差や例外はありますけど、大体長くても1週間ぐらいです!また、都合によっては後日呼ぶ場合もあります!」

サキ「……確かに変なことは書かれてないみたいだな」

サラサラサラ

アリス「はい。3人のサインを確認しました!では早速スケジュールを伝えますね」

サキ、モエ、ミユ「「「(コクリ)」」」

アリス「とは言っても今日は収録しません。本日は場所の案内と、台本の確認をしてもらいます。収録に関しては明日以降となります」

ミユ「き、今日じゃないんだ……良かった……」

アリス「それでは、早速案内します!」

~数十分後~

アリス「そしてここが収録現場となります」

サキ「ん?今誰かが収録してるのか?」

アリス「はい。現在ミヤコが『パンデモニウム道場』の収録中ですけど、見てみますか?」

モエ「あっ、気になる!」

ミユ「ど、どんな感じで収録してるか……参考にもなるし……見てみたいです」

サキ「ミヤコの演技も気になるしな」

アリス「では、こちらの部屋でご覧ください。モモイ達が作業をしていますのでできれば静かにお願いします」

ガチャッ

アリス「(小声)失礼しま…」

マコト『おのれ弟子!ライオンマルが可愛くないというのか!?』

サキ「(小声)アレって…」

モエ「(小声)ゲヘナのトップだねぇ…」

ミユ「(小声)あ、あの人も収録するんだ……」

ミヤコ『ライオンマルは可愛いですけど、ぴょんこの方が良いに決まってるじゃないですか!』

サキ、モエ、ミユ「「「!?」」」

マコト『兎よりもライオンマルの方が強いだろう!獅子と兎だぞ!『獅子は兎を狩る時も全力』という言葉を知らないのか!』

ミヤコ『獅子じゃなくて猫でしょうライオンマルは!』

マコト『ヒエラルキーでは兎の方が下なのは変わりないだろう!』

ミヤコ『ヒエラルキーなんて関係ありません!『窮鼠猫を嚙む』という言葉を知らないんですか!?』

マコト『ハッ!墓穴を掘ったな弟子よ。窮鼠は鼠だ、兎じゃない。言葉を知らないのはそちらではないか!』

ミヤコ『ことわざの意味として用いたんです!』

マコト『ええい、このままでは埒が明かない』

ミヤコ『全くです!』

マコト『こうなったら殴り合いで決着をつけるとしよう!』

ミヤコ『いいでしょう!SRTで学び鍛え上げた渾身の右ストレート(そんなものはない)を叩きこんであげます!』

マコト『キキキッ、ならばこちらも万魔殿において古くから伝わるパンデモニウムスクリュー(そんなものもない)を喰らわせてやる!』

ミヤコ、マコト『『はぁああああああああああ!!!』』

サキ、モエ、ミユ「「「……」」」

モモイ『……はいOK!』

ミヤコ『…ふぅ、お疲れさまでした』

マコト『キキキッ、相も変わらず、よくマコト様のアドリブについてこれるものだ』

ミドリ『アドリブを安易に増やすのはやめてくださいマコトさん。なんで殴り合いになってるんですか』

マコト『ノリと勢いというやつだ』

モモイ『そういえばミヤコ!』

ミヤコ『何でしょう?』

モモイ『ミヤコの仲間が来てるんだけど…』

ミヤコ『!?』ダッ

ウィーン

マコト『…どうしたんだ?急に出ていくなど』

アリス『多分こっちに向かっているんだと思います。ちょうどいいですのでマコトも休憩に入ってください』

マコト『キキッ、そうさせてもらおう』

ウィーン

ガチャッ

ミヤコ「来るなら先に連絡をしてください!」

サキ「通信機ごと置いて公園を出て行ったのはそっちだろう!?」

ミヤコ「…そうでした」

アリス「ミヤコお疲れ様です。水をどうぞ」

ミヤコ「あっ、ありがとうございます…(ゴクゴクッ)ところで」

アリス「はい?」

ミヤコ「3人はどのあたりから聞いてましたか?」

アリス「はい。マコトが『獅子は兎を狩る時も全力』というくだりを話したあたりです」

ミヤコ「……」

ミユ「えっと……ミヤコちゃん……大丈夫?」

サキ「疲れてないか?休めてるか?」

ミヤコ「は、はい。大丈夫です」

モエ「くひひ…ミヤコもあんな風に叫ぶんだ」

サキ、ミユ「「モエ(ちゃん)!?」」

ミヤコ「台本!台本ですからねアレ!」

モエ「殴り合い以降はアドリブじゃん!ノリノリだったじゃん!」

ミヤコ「……ゴホン、3人ともこちらに来たということは」

サキ、モエ、ミユ(((誤魔化した…)))

ミヤコ「その目はやめてください。……改めて、私が言うのもなんですけど大丈夫ですか?」

サキ、モエ、ミユ「「「……」」」

ミヤコ「……厳しいことを言いますけど、3人は『砂糖』の中毒時代の記憶がありません。何も知らない部外者とほとんど同じです…それでも」

サキ「ミヤコ」

ミヤコ「!」

サキ「覚悟はあの日からとっくにできてる」

モエ「同じようなことは先輩達から言われた。『何も知らないなら収録を断ってもいいんじゃないか』って」

ミユ「でも……目をそらすことは……自分の罪から逃げることは……絶対にしたくない…何も知らなかったとしても……」

ミヤコ「…わかりました。ではRABBIT小隊の隊長として言っておきます」

サキ、モエ、ミユ「「「!」」」

ミヤコ「収録、頑張りましょう!」

サキ、モエ、ミユ「「「了解!」」」

ミドリ「…よくわからないけどいい雰囲気だね」

モモイ「…だね」

アリス「…さて皆さん。イベントシーンの真っ最中ですけど次に収録する方達が来ますので見てみましょう!」

ミヤコ「次の収録…あっ」

サキ、モエ、ミユ「「「?」」」

ウィーン

ヒナ『今日の収録はバッドエンドだったわね』

ホシノ『バッドエンドかぁ~。おじさん気持ち的に複雑なんだよね~』

ハナコ『私達が勝っているということですからね…逆に恥ずかしいと言いますか…』

サキ「……おいミヤコ」

ミヤコ「…なんでしょう」

モエ「あの3人って『砂糖』をばら撒いた張本人達じゃないの?」

ミヤコ「はい。そうですけど…」

ミユ「も、もしかして……一緒に収録を……」

ミヤコ「する…可能性がありますね…」

モモイ「というかするよ。明日から」

サキ、モエ、ミユ「「「!?」」」

モモイ「ちょうどいいから渡しておくね!はいこれ台本!」

モエ「……分厚くない?」

ミヤコ「バッドエンド分も含まれてますからね…」

サキ「…待て、確か収録は明日からだよな?」

ミヤコ「はい」

モエ「これを一日で…」

ミヤコ「3人とも…」

サキ、モエ、ミユ「「「……」」」

ミヤコ「収録、頑張りましょう!」ニコッ


後にサキは語る。この時のミヤコが一番いい顔をしていたと…


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