RABBIT Quest2

RABBIT Quest2


モモイ「だからさー!この時の表情は怒りに染まってるって絶対!」

ミドリ「お姉ちゃん何言ってるのさ!色んな感情が混ざって複雑な表情をしてるに決まってるでしょ!」

現在ゲーム開発部では、アン・ハッピー・シュガー・ライフの制作に取り組んでいた。

そんな中でモモイさんとミドリさんはバッドエンドの一つを制作中、解釈の違いによって意見が割れていた。

モモイ「だってさー!裏切られたんだよ!大切な親友から!だったらこの場は怒りに任せて撃って、正気に戻った後に悲しみに浸らせる方が信憑性があるって!」

ミドリ「大事な親友なら怒りに任せて撃たないでしょ!撃つ時に葛藤とか悲哀とかそういう表情をするに決まってる!」

何故このような意見の割れ方をしているかというとバッドエンドを予測したコンピューターの演算結果が原因である。

一応部外者なので詳しくは知らないが、そのコンピューターは様々なデータやプロフィール、当時の状況などを入力すると、それに関する様々なifを出力してくれるらしい。

それを用いて砂祭り事件及びそれに付随する様々な情報をインプットして、ゲーム制作に用いているのだが、問題は出力された内容である。

そのコンピューターによって出力される文章は今回の場合ならこんな感じである。

【○○は親友である××を裏切ってアビドスに逃亡。××は○○を追いかけ、追いつくことに失敗。再開後、××は○○を銃によって殺害】

といった具合に結果や行動は書かれるが、理由や表情などの感情面が一切描写されないため、

その辺りは本人のインタビューや書く側で推察するしかないのだ。

これでもまだましになっており、これ以前は

銃撃戦が事細かに書かれるなどして、紙の大洪水が起こった程である。

その後、ミレニアムの他生徒及び先生や私も含めた外部協力者の手も借りて、バッドエンドの仕分けを行い、今現在に至る。

モモイ「ぐぬぬー!」

ミドリ「むむむー!」

アリス「あわわ…お、落ち着いてください二人とも!」

ユズ「ど…どっちの描写になっても…私はいいと思う」

ミヤコ「…どちらも説得力がありますからね」

睨み合いを続けるモモイさんとミドリさん…すると、

モモイ「…仕方ない。アレで決着をつけるよ!」

ミドリ「…受けて立つ」

アリス「アレとは…アレですか!?」

ユズ「!」チラッ

?…アレとは何でしょう?ユズさんがこちらを一瞬見た気がしましたが

モモイ「スゥッ…『ぴょんこゲーム!』」

…ぴょんこ…ゲー…

スチャ、ドドドドドドドドド

アリス「うわーん!ミヤコが急にこちらに銃を向けて撃ってきました!」

モモイ「落ち着いて!ミヤコ!ぴょんこには一切危害を加えないから!大丈夫だから!ノーリスク!ノーリスク!」

ミドリ「アリスちゃん!一旦ミヤコさんを取り押さえて!その間に私が説明するから!」

ユズ「ぶ…部室が!?ゲームが!?」

数分後

ミヤコ「…なるほど、今別室にいるぴょんこが何をしているのかを当てるゲームですか」

モモイ「そう!監視カメラで覗くだけだから、ぴょんこ側は何の危険もない!安心安全!わかってくれた?」

ミヤコ「…決してぴょんこを的にして撃つゲームではありませんよね?」

モモイ「そんなワケないじゃん!」

ミドリ「ぴょんこを撃つなんてトんでもない!」

アリス「いまやぴょんこ及びミヤコはゲーム開発部もといミレニアムに必要な存在です!重要NPCです!」

ユズ「だ…だから…安心して…」

ミヤコ「…わかりました。覗きの是非はともかくそれぐらいでしたら大丈夫です」

アリス「ゆ、許してくれますか?」

ミヤコ「…今度からは私に先に尋ねてくださいね。あと名前も『ぴょんこクイズ』にしてください」

「「「「」」」」コクコクコクコク

わかってくれたみたいで何よりです。

モモイ「それじゃあ、ミヤコからの許可も貰ったし、ぴょんこクイズ!開催!」

アリス「おー!」

モモイ「ルールは簡単!このディスプレイにぴょんこがいる部屋の様子が映されます!」

アリス「その部屋で、ぴょんこは何をしているのかを当てるゲームです!」

ミドリ「みんなの答えを聞いた後に、映像が映るから」

ユズ「正解…もしくは…近い人が…勝ち…」

ミヤコ「……問題なさそうですね」

モモイ「良かったー。セーフ判定貰えた。ちなみに答えは全員に書いてもらうけど、今回は私とミドリの意見がぶつかったからチーム制ね!」

ミドリ「チーム分けはどうする?ミヤコさんもいるから奇数になるけど…」

モモイ「ローテーション的に私とユズ、ミドリとアリスでいいんじゃない?ミヤコは中立で!答えは書いていいから」

ミヤコ「…筆記で答えるんですね」

数分後

モモイ「書けたみたいだしみんなせーので答えを見せるよ。せーのっ!」

モモイ【寝てる】

ミドリ【餌を食べてる】

ユズ【部屋の隅で固まっている】

アリス【誰かに撫でられてる】

ミヤコ【部屋の中を動き回っている】

ミドリ「見事にバラバラだね」

ミヤコ「ちなみにこれまでの勝率はどうなってるんですか?」

ユズ「…アリスちゃんが一回だけ当てて、それ以外は…」

モモイ「こ、今度こそ当てるし!」

ミドリ「それじゃあアリスちゃん、スイッチお願い」

アリス「了解です!ポチっとな!」

パッ!

ノア『…大丈夫ですよー。怖がらないでこちらに…あ』

ユウカ『ホラこっち!こっちに人参あるから!こっちに…あー』

ぴょんこ『』タッタッタ…

コユキ『にはは、よーしよーし。撫でてあげますからね』

ユウカ『もう、5回連続でコユキのところにぴょんこが行ってるじゃない!コユキのクローバーの匂いにでも釣られてるのかしら』

ノア『…コユキちゃん、しばらくクローバー集めは禁止です』ニコッ

コユキ『えぇ!?』

プツン…

「「「「「……」」」」」

ミドリ「…これはつまり正解のアリスちゃんがいた私チームの勝ちということに」

モモイ「異議あり!映像が映っていた時点では撫でられていないからアリスのは正解じゃないと思う!」

ミドリ「でも一番惜しかったのはアリスちゃんのでしょ!次点だと餌付けだけどそれも私だし」

モモイ「動き回ってたじゃん!つまりミヤコの勝ち!」

ミドリ「ミヤコさんはあくまで中立でしょ!つまり、次点の私たちの勝ち!」

モモイ「ぐぬぬー!」

ミドリ「むむむー!」

アリス「うわーん!振り出しに戻ってしまいました!」

ミヤコ「…このペースでゲームは完成するのでしょうか?」

とても不安です。


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