Plunder before Christmas そのに
requesting anonymity久しぶりにホグワーツから帰宅してきたダンブルドア少年を、弟も妹も暖かく迎えてくれた。それはどうやらダンブルドア少年が最近は頻繁に手紙を送っていた事も理由にあるようだった。
「それが手紙に書いてた『フォークス』か!不死鳥って初めて見た!」
「お兄ちゃんおかえりなさい!お母さんもおかえりなさい!」
アルバス・ダンブルドア少年とそれを迎えに行っていた母ケンドラをアバーフォースとアリアナが荷物を受け取ったりしつつ揃って玄関から奥に進む。
「ごめんなさいねアルバス。まだクリスマスの用意がなんにもできていないのよ」
そう言うケンドラに、ダンブルドア少年は優しく微笑もうとして、割り込んできた聞き覚えのある声に注意を奪われた。
「じゃあクリスマスパーティーご一緒しませんかあ皆さん!!!」
びっくりして玄関扉を開け放ったダンブルドア少年も、母ケンドラも妹アリアナも状況を理解できずに目を白黒させていたが、アバーフォースは勘で真実を言い当てた。
「お前が兄さんが手紙で言っていた『先輩』か!聞いてた通りの変態だ!」
「な、なんでいるんですか先輩!」
「あ、アルバスが大変お世話になっているようで、ありがとうございます」
「アルバスもアバーフォース君もアリアナちゃんもお母さんも、皆さん揃ってクリスマスパーティーご一緒しません?ウィーズリー家が歓迎してくださいますよ」
意思確認するような事を言いつつ、アバーフォースとアリアナ、そしてダンブルドア少年を手際よく「旅行かばん」に吸い込んでいく。
「アルバス君のお母様、もし『こっそり用意していた物』があるなら今のうちに取ってきてくださいますか?」
この「先輩」が、息子からの手紙に書いてあった通りの人物だということを認識したアルバスの母ケンドラは頷いて自分の寝室に向かった。
「あ、やあダンブルドア君。そちらは弟さんと妹さんだね?こんにちは。」
「あ、オミニス先輩。それにサロウ先、セバスチャン先輩とアンさん。今回はどうもよろしくお願いします」
セバスチャンとアンの2人は両方とも「サロウ先輩」だと気づいたダンブルドア少年はぎこちなく呼び方を変更した。
「どうなってるんだここ、あの『先輩』の荷物の中か?」
自分が今居る「暖炉に火が入っているリビング」を見回すアバーフォースに、アンと並んでソファに座っているセバスチャンが説明する。
「『検知不可能拡大呪文』だよ。ここはアイツの旅行かばんの中。『検知不可能拡大呪文』って届け出なし許可なしで勝手にやっちゃだめなんだけど、アイツのこれがどうなのかは、わかんない『先生がくれたんだよこのかばん』って言ってたから大丈夫だと思うけど、アイツが追加拡張してないわけないしな………」
そう言って笑うセバスチャンに戸惑うアバーフォースとアリアナの後ろから、母ケンドラが部屋に入ってきた。
「みなさん、アルバスがどうもお世話になっております。母のケンドラ・ダンブルドアと申します。今回はどうもよろしくお願いします」
アルバスの母ケンドラが丁寧に挨拶したその時、さらに部屋に人が飛び込んで来る。
「おお、皆さんお揃いで。いやはや面白いことを考えますなあの生徒は」
セバスチャンとアンの叔父、ソロモン・サロウは両手いっぱいに荷物を抱えていた。