Peek a boo!

Peek a boo!

これからの話とまだダイスの振られていないお話


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•【TRPG】砂漠兄弟でピーカーブー!の3次⋯⋯4次?創作

•シナリオ、消えた誕生日プレゼントを追え!の後日談

•許可を下さり本当にありがとうございました!




自転車のカゴのリュックを抱えてキャメルは気持ちよさそうに風に当たりながら目の前の高い山を見上げると雲の合間から日の光が差して眩しさに無い目を細めた。




クロコダイルは自転車を貰って翌日早朝にはもう出かける準備をすっかり終わらせて眠気まなこでベッドから出てくるキャメルを抱えて荷物といっしょに特等席に乗せると自転車に乗って家を飛び出していた。

自転車を貰うまで毎日スマホで何処へ行こうか調べていたが覗き込もうとすると


「見たらだめだ。当日まで待ってろ」


と一言、アプリを閉じてしまうのを最初はガッカリしていたキャメルだがその度にキャラメルを口に放り込んでくれるのでさびしくなることはなかったしむしろ嬉しい。

そんなこんなで幼稚園でもよくピクニックでの目的地にされるこの小さな山へと到着し、きつくはないがそれなりの坂道が続くサイクリングロードを登っていく。

貰う前から友達のを借りて練習していたおかげで最初から見事な乗りこなしでまだまだ暑さの残る中、休憩をはさみながら登り続け太陽が真上にくる前に頂上の駐車場にたどり着いていた。


「てっきり海に行くかと思ってたよ」

「そっちと迷ったけどな」


店で売られていた団子を2本買って一本をキャメルへ渡すとちらほらいる登山客を横目に展望台を通り過ぎて丘の上にある大木の前で振り返っててっぺんを指差した。


「展望台だと一人で話してたらおれが危ない奴になるからな。あそこに行きたい」

「無茶言うなあ」


そう言いつつも気合をいれてクロコダイルの両わきを支えるとゆっくりと浮かび上がる幸い人は少ないし皆他事で花も咲いていない古い大木に興味を向ける者などいないようだった。


「頑張れアニキ」


という言葉に、嬉しいのかスピードが僅かに上がりあっという間に辿り着き一番太い枝に下ろしてやるとクロコダイルは礼を言って隣をぽんと叩く。


「ほら!な!」


そこにはグランド市と青い空と白い雲、そしてクロコダイルの好きな海がどこまでも続いている。

あそこが学校、あそこがメソポタミアデスバイク、あそこが変態のいた3丁目、昔オバケ事件の⋯⋯そうやって小さく見える建物や場所を二人の思い出で埋めていく。


「あそこがアニキと初めて会った場所」

「それであそこが私たちの家」


楽しそうに歯車が回転し、バレないように潜めていた声は大きくなっていたが小さな子供の声は大きな木の下には届かない様だった。


「自転車買ったしこれからもっともっと色んな場所に行けるな」

「海にも?」

「海にも!あの変な建物も!こっちの森も!全部行こうぜ!」


今度友達も誕生日に自転車を貰うと聞いたクロコダイルは早速次の目的地を決めているらしい。


「全部行けるかなあ。ここから見えるだけでも何年かかるか分からないし」


ぱち、と幼い瞳が不思議そうに瞬きする。


「何年でも良いだろ」

「絶対全部行くぞ」


クロコダイルはどんなに大人ぶっていても小学四年生という人間の子供で。

誰とも別れも幸いまだ一度も味わったことはない。


家族とはずっと一緒だし


友達とはまいにち遊べて


オバケはいつでも見えている


理屈は知っていても経験しなければ分からないことをこれから先きっと沢山味わうだろう。

キャメルは改めて自分の事を話そうかと思ったが⋯⋯やめた。

わざわざ楽しい時間に水を差すのは無粋だしオバケは今が楽しければそれで良いのだ。


「そうだね。行こうクロ」

「何年かかっても」


はしゃぎ過ぎた弟がドジって落ちたりしないようにその手をギュッと握りしめると兄の歯車はまた、幸せに廻り始めた。



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