Part31の>>47が書いてくれたやつ

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トットムジカの話しをしよう。

古代より人々の寂しさや辛さを糧に生まれる心に落ちた影。”魔王”とも呼ばれる存在が一体いつから存在したのか、知るものはほとんどいない。

ただ1つ確かなのは”魔王”はウタウタの能力者に歌われることで顕現するという、ある種の対のような関係があることが挙げられる。


故に美しい音楽の都の下で”魔王”は人知れず歓喜する。ようやく見つけたと。

12年前に玩具の力によって絶たれた縁が戻った事、そしてそこから感じ取れる少女の内面の変化に”魔王”は恋さえ覚えてしまいそうだった。


その稀代の歌声は素晴らしい。詩を作るセンスも曲を編む才能も最高だ。何より自分と同じみんなに忘れ去られる苦しみを知っている。

寂しかったろう、苦しかったろう。歌いたいのに歌えない、自分も同じだ歌って欲しいのに誰も歌ってくれないんだ。

きっと自分たちは仲良くなれる。今までの誰よりも君は美しいと呪詛に濡れた告白を”魔王”は少女に投げかけていた。


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「……誰か呼んでるの?」


サニー号の甲板で人間としての喜びを謳歌する少女。ウタウタの実を食べた者たち苛み続けた運命が少女に近づいていた。

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