Oj×Ai(Ai side)

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⚠️擬人化注意⚠️

⚠️閲覧注意⚠️











「おい……一緒に出掛けたいと聞いたからはいいものの……なんだここは?」

「なんだって、見た通りよ?」

私はアーモンドアイ。ご存知の通り、平地芝G19勝を上げ、周りからは『絶対女王』って呼ばれてる。隣の年上の男性はチョーさん、オジュウチョウサン。同じく障害G19勝を上げた絶対王者。


あまり社交的ではない私が一目で優しい人だと感じ、話しかけてみたら紳士的に受け入れてくれたのが私達の関係の始まり。チョーさんは覚えてくれてるか分からないけど。

そして今日は念願のお外デート。いつもチョーさんには甘えてるけど、それでもどこか物足りない。だから勇気を持って……一線を超えることにした。


「ああ、見た通りだ。ラブホだ」

「ふふっ、正解♪」

年上で紳士的なカッコいい大人の男性であるチョーさんも、流石に慌ててるみたい。ちょっと可愛くて、緊張してるはずなのにワクワクする。


「正解、じゃないだろ!お前ここがどういう場所か分かって……おい!」

チョーさんに呼び止められながらも自動ドアから入り、思った以上に軽い足取りで受付まで歩けた……でも。


「おう、アンタがオジュウの言ってた女友達か」

「んえっ!?お、お義父さま!?」

なんと受付にいたのはチョーさんの父親、ステイゴールドさんだった。気恥ずかしさで思わず目を泳がせてしまう。


「なに、チクるつもりはねぇ。好きにやって来い」

「えっ!?ちょっ!?」

ステイゴールドさんは鍵を渡して再び読んでいた新聞に目を向け、それ以降何も言わなかった。……複雑な感情を抱いてしまうが、もう腹を括るしかない。チョーさんのところへ戻って、恥じらいを隠すために彼の腕を強引気味に掴んだ。


「ほら、チョーさんも早く早く♪」

「おい!引っ張るな!引っ張るな!」

顔が赤くなってるのが自覚できる。それをチョーさんに見せないように早歩きで部屋へ向かった。


パパッと部屋の鍵を開けて中に入ると……やけに薄暗い部屋、独特な香水の匂い、明らかに2人寝るためのベッド、如何わしい表紙のDVDケースとテレビ、もはやゴーサインしかない光景に心臓の高鳴りが止まらない。


「ふふっ、居心地良さそうな部屋ね」

「うっ……」

それはチョーさんも同じだろう。そんな彼を出し抜くように部屋を歩き回った。……本当は私も恥ずかしくて堪らないんだけど。まずは何とか1人で落ち着かなきゃ。


「あ、最初にシャワー浴びないと」

「最初にって……」

「あら、チョーさんから先に入りたかった?」

「そう言う事じゃなくて……」

ハァとため息を吐いてサービスであろう天然水を飲むチョーさん。ちょっと緊張紛れにイタズラしたくなる。


「もしかして……一緒に入りたい?」

「ブフッ!?」

「ひゃっ!?……あははっ!冗談よ!冗談!ビックリし過ぎ!」

チョーさんの吹き出した天然水が危うく掛かるところだった。変なスリルとチョーさんのリアクションで笑いが止まらなくなる。


「私から入ってくるわね。ちょっと長くなるかもしれないけど、待っててね」

これならば私の緊張も幾分か解れると思う。何せチョーさんの方が緊張しているのが分かったのだから。バスルームの戸を閉めて、少しワクワクしながら衣服に手をかけた。その瞬間だった。


バッとバスルームの戸が開けられ、私が声を出す間も無くチョーさんが私を壁に追いやった。噂に聞く壁ドンである。


「んえっ!?」

状況をやっと理解し、思わず変な声を上げてしまった。真剣な目つきで見つめてくるチョーさん、まじまじと見ると本当に精悍で鋭い顔立ち……頬が紅潮し、更に心臓が鼓動を早めるのが分かる。


「あまり大人を揶揄うなよ、嬢ちゃん?」

「えっと……えっ……?」

そう言うと、チョーさんは私の服に手をかけた。私、これからどうなっちゃうんだろう……


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(私……本当に一線超えたんだ……)

ベッドの上でシーツに身を覆って寝転んで数分、ようやく息が落ち着く。この全身に感じる余韻と、下腹部の温かさが今日の出来事の証明だ。


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜……」

ふと目をやると、チョーさんが大きなため息を吐いてベッドに座り込んでいた。


「チョーさん……」

「……忘れてくれ、なんて無責任だよな?やり過ぎたのは俺だからよ……」

「違うの……聞いて」

誰が見ても分かるくらい落ち込んでいる。無責任?そんなわけない。不快感や恐怖が全く無かった……と言えば嘘になる。それでも、それ以上に嬉しかった。何よりチョーさんは……


「チョーさん、とってもカッコよくて、可愛かったわよ?」

「はぁ?」

思った事を直球で言ってしまった。チョーさんのストレスを刺激してしまっただろうか。


「あ!バカにしてるんじゃなくて!その、直感でそう思ったというか……うぅ、思い出すだけで……」

蘇った羞恥心で顔を覆う。彼の吐息、唇、指、汗を全身で感じ、まざまざと興奮と快楽に耐えるような表情を見せられた。あんな物を見れば、しばらくチョーさんの顔を直視できなくなるかもしれない……


「まあ、大人を揶揄い過ぎるとどうなるか、これで分かったろ?」

『恥ずかしいのを紛らわそうとしてたのに……チョーさんったら……』

「何か言ったか?」

「ううん、なんでもないわ」

まるで子供扱いするチョーさんにポツリと呟く。


ああもう恥ずかしい、結局私もあんなところを見せてしまって、チョーさんにいいようにされてしまった。羞恥を誤魔化すようにぷくーと頬を膨らませて拗ねるようにバッと寝転がる。


「おい、帰……いや、もう少しいるか」

そう言ってチョーさんは私の側に再び横たわった。彼もきっと早く帰りたいだろうに、私のワガママに付き合ってくれるのかしら。


「いいの?」

「ああ、お前が気が済むまでな」

「ふふっ」

無邪気な心、そして想い人への恋心が湧き立ち、くしゃっと顔が綻ぶ。やっぱり、この人に出会えて良かった……そんな幸福感とお腹の温もりを感じながら、私はベッドへ意識を沈めた。


後日……チョーさんが黄金組の皆、2020三冠馬と三冠牝馬、シルクの皆に詳しく話してと迫られ、1ヶ月くらい逃げ回ったのは別の話。


「笑ってる暇があるなら匿ってくれ!」


だって。

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