Oj×Ai
⚠️擬人化注意⚠️
⚠️閲覧注意⚠️
「おい……一緒に出掛けたいと聞いたからはいいものの……なんだここは?」
「なんだって、見た通りよ?」
俺の名はオジュウチョウサン。誰もが知る障害G19勝を上げた絶対王者だ。そして隣にいるこの女、平地芝G19勝の絶対女王アーモンドアイだ。
ひょんな事から縁ができ、そして今日は珍しく2人きりで出掛けている。もはやデートみたいなもんだが、いつもアイには色々振り回されてるから場所が変わった程度でいつものこと……と思っていたんだが。
「ああ、見た通りだ。ラブホだ」
「ふふっ、正解♪」
「正解、じゃないだろ!お前ここがどういう場所か分かって……おい!」
俺の声などまるで聞いてないように、ウキウキとした足取りで開かれた自動ドアを抜けていくアイ。パパッと受付を済ませて鍵を受け取る。
「ほら、チョーさんも早く早く♪」
「おい!引っ張るな!引っ張るな!」
ああ、ちなみにアイは俺をチョーさんと呼ぶ。俺は某声優か?
あと謎に俺より腕力が強い。抵抗虚しく俺はアイに引っ張られる。
(……)
(あ!?親父!?)
受付はなんと親父ステイゴールドだった。
(グッドラック)
ウインクとサムズアップをこちらに向けて、そう伝えられた気がした。クソッ、他人事だと思って。
「ふふっ、居心地良さそうな部屋ね」
「うっ……」
好奇心のままに笑みを浮かべながら部屋を回るアイ。やけに薄暗い部屋、独特な香水の匂い、明らかに2人寝るためのベッド、如何わしい表紙のDVDケースとテレビ、もはやゴーサインしかない光景に俺は尻込みしてしまう。
「あ、最初にシャワー浴びないと」
「最初にって……」
「あら、チョーさんから先に入りたかった?」
「そう言う事じゃなくて……」
ハァとため息を吐いてサービスであろう天然水を飲む俺に、アイは何を思いついたのかニヤニヤしながら顔を寄せた。
「もしかして……一緒に入りたい?」
「ブフッ!?」
「ひゃっ!?……あははっ!冗談よ!冗談!ビックリし過ぎ!」
思わずむせてしまったじゃねぇか。アイが悪戯好きなのは知ってるが、こんなタチの悪い事を脈絡も無く言いやがって……
「私から入ってくるわね。ちょっと長くなるかもしれないけど、待っててね」
アイはガチャリとバスルームの戸を閉めた。
もう年齢的にも十分な大人、それどころか現役時代からそういう雰囲気はあった。それでも俺から見ればまだまだマセガキだ。そんな女に一本取られたままでいるほど、絶対王者は甘くない。
「んえっ!?」
ガチャリとバスルームの戸を開けて、そのままアイを壁に追いやった。いわゆる壁ドンって奴だ。まだ服は脱いでなかったが、突然の事にアイも変な声を上げて頬を紅潮させた。
「あまり大人を揶揄うなよ、嬢ちゃん?」
「えっと……えっ……?」
私これからどうなっちゃうんだろう……そう言いたげな表情に思わずクスリと笑いながら、俺はアイの服に手をかけた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜……」
やっちまった。本当に手を出してしまった。俺は色々混ざって重くなった心情を抱えるようにベッドに座り込んだ。
「チョーさん……」
「……忘れてくれ、なんて無責任だよな?やり過ぎたのは俺だからよ……」
まだシーツに包まって寝ているアイに、俺は顔を向けずに答えた。
「違うの……聞いて」
スルリと起き上がり、何を思ったのか再び顔を寄せてきた。
「チョーさん、とってもカッコよくて、可愛かったわよ?」
「はぁ?」
思わず間の抜けた声を上げてしまった。
「あ!バカにしてるんじゃなくて!その、直感でそう思ったというか……うぅ、思い出すだけで……」
決まり悪そうに焦って、そして頬を両手で覆うアイ。自爆する時もあるなんて、可愛い……なんて思ったら負けな気がする。いや、やっておいて今更か。
「まあ、大人を揶揄い過ぎるとどうなるか、これで分かったろ?」
『恥ずかしいのを紛らわそうとしてたのに……チョーさんったら……』
「何か言ったか?」
「ううん、なんでもないわ」
ポツリと呟き、ぷくーとむくれて再びベッドに寝転んだ。
「おい、帰……いや、もう少しいるか」
帰る準備をしようとしたところで思い出した。こういう時は女性を気遣ってもっと側にいてあげた方がいい……モテ自慢をしてた黄金組の連中の痴話を思い出した。
「いいの?」
「ああ、お前が気が済むまでな」
「ふふっ」
アイは子供っぽく、それでいて蠱惑的な笑みを浮かべた。コイツはいまだによく分からないが、一つ分かるのは、アイもこれで満足しているって事だ。
後日……俺が黄金組の連中、2020三冠馬と三冠牝馬、シルクの連中に詳しく話してと迫られ、1ヶ月くらい逃げ回ったのは別の話だ。