ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates)2

ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates)2


※新作映画ネタバレ厳重注意。ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates) 1の続きとなりますあと違反点あれば即消します。

※放映終了間近に初めて『ONE PIECE FILM RED』を見て脳を焼かれた人間による駄作となります。なお、大まかな展開だけは覚えていますが細部までは原作のそれと一致していないのでご了承ください。そこまで記憶容量はなかった。

※また、ご都合設定や、あにわら概念の解釈が違う点が多々見受けられるとは思いますが、その点もご容赦していただけると幸いです。



ライブは早くも最高潮を迎えた。エンドレス。それは、永久の快楽と希望に他ならない。戦乱に疲弊した人々にとっては、最後に残され、そして唯一の理想郷。まるで地獄に垂らされた1本だけの蜘蛛の糸を見つけたような喜びようであった。


ウタ「よーし、それでは早速次の曲を・・・」

「へっへっへっ」

「そこまでだ、「歌姫」・・・いや、「赤髪の娘」!」


ルフィとの再開を喜んでいる間に、周囲に見るからに怪しい人集りに囲まれた。一斉に仮装を剥がし露わになったその姿は、見るからに野蛮な海賊のそれである。


クラゲ海賊団員1「てっきり最初はお前を捕まえて身代金でも頂戴しようと思ったが・・・」

クラゲ海賊団員2「まさかあの四皇のガキとはなぁ?これは思ったより儲かりそうだ」


クラゲ海賊団。此度会場となったエレジア周辺に跋扈する極悪の海賊団である。その戦闘力と凶暴性は誰もが知るとおりで、観客はその姿を見て不安と恐怖に包まれた。

しかし、その場には、我等の愛する「主人公」がいる。


ルフィ「何だお前等、ウタに近づくな!」


ルフィは拳を構え、臨戦態勢に入る。


キング「晴れの舞台に無粋な奴等だ」

ロー「テメェ等の喧騒は不愉快だ、消えな」

チャカ「「歌姫」、君は下がっていたまえ」


続いて、一味の仲間達もステージに駆けつけ、ルフィとウタを守るように並んだ。


クラゲ1「へぇ、誰かと思えば「麦わらの一味」か」

クラゲ3「面白ぇ、随分と豪華なゲストだな!俺達を舐めて貰っちゃ困るぜ」


一触即発。平和なライブは、突如としてかき消される危機に迫られた。闘いが始まる前の、特有の緊張感に舞台は包まれる。


ウタ「はい、そこまで!」


その緊張感は、若きスターの鶴の一声によりかき消された。まるで子供の喧嘩を諫めるようなその一声は、一味にもクラゲ海賊団にも、突っかかるような違和感を残す。


ウタ「今日は楽しいライブだよ?そんな危ないことはダメ。おじさん達も、今日は私の歌を聞きに来てくれたんでしょ、独り占めは良くないよ」


まるで現実が分かっていないような発言だ。場は静まり返った。


ドレーク「何を・・・言っている?」

ロー「おい、余計なことを言うな!死ぬぞ!」

クラゲ3「おいおい、自分の状況が分かってねぇようだなぁ?」

クラゲ2「俺達ぁ歌なんかより金の方が好きなんだ、ギャハハ!」

ウタ「・・・それなら、しょうがないか」


伴奏が鳴り響く。再びステージは光と音により彩られ、ウタの周りからも謎の力が働いているのが分かる。


『さぁ、怖くはない 不安はない 私の夢は みんなの願い 歌唄えば ココロ晴れる 大丈夫』


-私は最強!


そこからは電光石火にして風流明媚、クラゲ海賊団達を翻弄する「歌姫」の姿。剣を振りかざす者を軽やかに捕らえ、銃を構える者はヒラリと避けられる。まさに可憐に羽ばたく美しい極蝶。鎧と赤いマントを翻しながら、会場を大きく飛翔し、ハイタッチもしながら、熱唱し天空へ。いつの間にやらあった大きな音符に乗って、観客に呼びかける。


ウタ「皆、もう大丈夫。悪い海賊はもういないよ!もう海賊や病気や飢えに苦しむ必要はない、私が皆を、新時代に連れて行って、幸せにしてみせる!」


クラゲ海賊団はステージの丁度真上に浮かび上がった四線譜に貼り付けられていた。まるでトリモチに触れてしまったように、中々剥がれない。そして、「歌姫」への崇拝は加速する。


U・T・A!U・T・A!U・T・A!U・T・A!



一味は少し怪訝な顔をしながらも、悠々と戻っていく。ルフィの表情は見えない。麦わら帽子によって隠されているからか、何を思うのかは分からない。ウタもまた、彼が「どこまで」知っているのか把握できていなかった分、その何も映し出さない表情に不安と少しの焦りを感じ取った。一味が戻った後、彼女もそこに降り立つ。


ウタ「皆も、今日は来てくれて有り難う。久しぶりに会えて嬉しいよ」

モネ「こちらこそ、いつも貴方の歌を聞かせて貰っているわ」

ドレーク「そういえば、ルフィとは知り合いのようだが・・・」

ウタ「昔、よく遊んでたんだ。懐かしいなぁ・・・でも、ルフィは今も変わってなさそうで安心したよ」

ルフィ「おぅ、おれはおれだ!」

ウタ「今日はもう辛いことや悲しいことを忘れて、一杯楽しもうね!」


サンジは微笑ましい光景を見ながら、再び調理台に立っていた。料理もしっかりと完成に近づいている。締めに必要な香辛料を取ろうと、屈んだその時だった。

材料を入れているクーラーボックスの中に、それは目立つ様に潜んでいたキノコ。蛍光にも近いピンクが、野菜の中で本当に目立っていた。何かを伝えようとしているのか、不気味な存在感を放つ。


サンジ「おい、ロー」

ロー「どうした?」

サンジ「お前コレ、知らないか?」


近くにいたローに話しかける。覚えのないことはすぐ誰かに尋ねるべし。これは一味それぞれが航海の中で身につけた教訓である。幸い、専門家に匹敵する、そして凌駕している者は多いのだ。医療、生物、歴史、料理、戦闘・・・困った時は本当に助けになってくれる。


ロー「ネズキノコか。料理に入れてないだろうな」

サンジ「あぁ、一切入れてないんだが、何故かここにあったんだ。ネズキノコって何だ?」

ロー「・・・一時的に興奮と活力を得て、睡眠を摂る必要がなくなる効果がある。だが・・・」

ロー「過剰な摂取は、いずれ食べた人間を確実な死に至らしめる。よく気づいてくれた」

サンジ「そ、そうか」


食を司るサンジにとっては、そのキノコの正体はまさに不気味且つ狂気を漂わせる化け物のように映った。以前潜入していたワの国でも、人々を破壊してしまうような食物を目にしている。2人は警戒し始めた。


サンジ「・・・何かがおかしい。観客も、何処か様子が変だ。入れていないはずのネズキノコもあった。ロー、何か気になることはあったか?」

ロー「今のところは目立つような事は起きてはいねぇが・・・様子を覗って損することはない。何より・・・」

ロー「歌姫屋のことだが、何かを隠している。少しだけだが、その兆候が見えた。気のせいだと良いんだが」

サンジ「・・・・・・」


2人は端からウタの様子を探る。至って普通に、配信の時と同じテンションで会話してはいる。何の異常もない。ないはずなのだ。しかし、一度脳裏に染みついた違和感を拭い去ることはできなかった。


ルフィ「何言ってんだ!お前ズルばっかしてたじゃねえか!おれが183連勝中だ!」

ウタ「や~い、負け惜しみ~」


一方で渦中の「歌姫」と我等が船長は、何があったのか過去の思い出から火花を散らしていた。


ドレーク「まるで子供のようだ・・・」

チャカ「微笑ましいな」

ウタ「もう、意固地なのも変わらないなぁ。そうだ、久しぶりに勝負しようよ」

ルフィ「望むところだ!」

ウタ「う~ん、何にしようかな・・・そうだ、これにしよう!チキンレース!」


高台の真上に、小さな虹色の舞台が出来上がる。ウタはそこに飛び乗り、ルフィに呼びかけた。


ウタ「ここにあるチキンを最初に食べきった方が勝ち。負けた方は後ろにいるあの猛牛に吹っ飛ばされる。これでどう?」

ルフィ「よし、受けて立つ!ズルすんなよ?」


ルフィも意気揚々と舞台に飛び上がった。背後の牛が荒々しく突撃する構えを取る。


『位置について・・・3、2、1!』



結局、ウタが圧勝した。途中で気を利かせたフリをしてルフィにジュースを渡し、その隙に食べきってしまった訳だ。当然ながら、ルフィは牛の突撃に遭い、叩き落とされている。


ルフィ「おい、いくら何でもズリーぞ!インチキだ!」

ウタ「作戦勝ちだよ、これは」

キング「これは・・・」

モネ「要審議ね・・・」

ルフィ「でも本当に会えて良かったよ。あの時急にウタがいなくなっちまって、おれ心配したんだぞ」

ウタ「あの時?」

ルフィ「シャンクスが言ってたんだ、


- “ウタは、歌手になるために船を下りた。それだけだ。”


そういって笑顔で誤魔化しつつも、隠しきれていなかった寂しそうな背中を、ルフィは忘れることはなかった。その後もしつこく聞いてみたらつい怒鳴られてしまい、それからはウタの話題に触れようとはしなかった。


ウタ「そ、・・・そう、私、歌手になることを夢見てたの、知ってるでしょ?だから、船を下りたんだ」

ルフィ「でも、お前「赤髪海賊団」の音楽家になるって言ってたもんだから、てっきりシャンクス達と一緒にいるって思ったんだけどなぁ」

ウタ「そ、そう?・・・私としては、てっきりルフィがシャンクスと一緒にいると思ったんだけど。その麦わら帽子、シャンクスのでしょ」

ルフィ「これか?これは、おれとシャンクスの間で約束した証だ。立派な海賊になって、返しに行くんだ」

ウタ「か、海賊・・・・・・」


「歌姫」のベールが剥がれ、中身が見えたその瞬間を、一味は見逃さなかった。肝心のルフィは再開を心の底から喜びそんなことにまで思考を巡らせていないようには見えたが、モネ、チャカ、ドレーク、サンジ、ロー、キング・・・彼等は既に何かしらの異常性を感じ取っていた。しかし、まれで警戒していることを悟られないようにしている。


ウタ「そうなんだ、皆も海賊なんだ・・・そうだよね・・・」

ウタ「ねぇ、ルフィ・・・

ルフィ「ん?」


-海賊、辞めなよ。



ゾロ「一度歌ったら眠る?」

カイドウ「そうだ。だが、能力の鍛錬を続けることで、何曲でも歌うことができるようになる。一度その歌をどんな媒体でも聞いた奴ぁ、ウタウタの実の能力によって創り出された世界に誘われる・・・夢の世界だ」

ゾロ「じゃ、俺等は酔い潰れて寝ていたから巻き込まれなかった訳だ。ついでにコイツも昼寝していたから影響は受けていねえのか」


深緑生い茂る密林に、2人と1匹はいた。一応仲間の身柄は確保し、船に乗せておいた。現在は、サニー号から余り離れていない位置まで手がかりを探している最中である。


ゾロ「じゃ、現実の方に能力者がいるんだな」

カイドウ「理解が早いな。怪しい奴を見つけなきゃならねぇ・・・」

ゾロ「お前が龍になれば早いんじゃねえか?」

カイドウ「いや、それは不可能だ。目立って能力者に見つかったらそれこそアウトだ。できるだけ、隠密にする必要がある。それに、俺ァモモの助に言われてんのさ、麦わらのガキを補佐することと、無辜を殺生しない、とな」


一度船に戻る。ゾロが再度質問した。


ゾロ「じゃ、伝承って何だよ」

カイドウ「これは、俺がロックスの下にいた頃に、エレジア生まれの仲間から聞いた話だ。俄には信じられねぇが、ソイツは実の能力と共に、その話を聞かせた」

「そう、ソイツは何十年前も同じように現れ、そして暴れまくっていたのさ・・・お前のようにな、カイドウ」

ゾロ「・・・テメェは」

カイドウ「どうやら、その能力も知ってるのはお前等も同じようだな・・・海軍」

アラマキ「そう、俺達もそれ相手に来たのさ・・・ついでにテメェ等海のクズも始末してやろうか?ラハハ」


(続く)

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