ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates)7

ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates)7


※新作映画ネタバレ厳重注意。ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates) 6の続きとなります。あと違反点あれば即消します。

※大まかな展開だけは覚えていますが展開は原作と一致していないのでご了承ください。また、ご都合設定や、あにわら概念の解釈が違う点が多々見受けられるとは思いますが、その点もご容赦していただけると幸いです。

※当作品は特定のキャラクターを批判する意図はありません。


・前回までのあらすじ

【現実】

ルッチVSゾロ

ウタ:負傷。Tot Musicaを歌う

カイドウ、ドラゴン:身動きが取れない

藤虎、緑牛:政府の決定に逆らえず、何もできない

【ワールド】

コビー、キング、ドレーク、ブルーノ:魔王復活の危機を伝え、ライブを中止させる

ウタ:抵抗こそしていないが、Musicaを歌ったことを申告


ルフィ、ゴードン、サンジ、モネ、サニー:真相を知る。会場に向かっている

ウソップ、クイーン、フランキー達:合流を目指す

ロー、チャカ、ロビン、ブルック、ヘルメッポ:現在城内地下にいる


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ルフィ「ウタぁぁぁぁぁぁぁ!」

ウタ「ルフィ・・・・?!」


ウタによる驚愕の自白。魔王の発動。その事実に会場先行組が凍り付いている時だった。ルフィ達が、ようやく合流したのである。


ドレーク「ルフィ!無事だったか!」

キング「余計な心配させやがって・・・カイドウさん達は?」

モネ「それが、姿が見えなくて・・・・きっと大丈夫だと思うけど」

キング「まぁあの人はそう簡単に死なないと思うが・・・ロロノアも、ドラゴンも」

ドレーク「ところでそれは・・・・・・」

モネ「サニーよ!可愛いでしょ?」


ルフィ「ゼェ、ゼェ、おい、ウタ・・・・」

ウタ「何?今更、まだ何か言いたいことでもあるの?」

ルフィ「お前、何で言ってくれなかったんだ!」


ルフィの悲痛な叫びは、ほぼ人のいない会場にこだました。2人の周りを囲むようにいる仲間達も、沈痛な顔をしている。


ウタ「何を・・・あぁ、ゴードンから聞いたんだね。分かったでしょ?シャンクスは、私を捨てたんだよ」

ルフィ「違う!シャンクスはそんなことしてねぇ、おっさんもそう言ってた!」

ウタ「ルフィはあの日のこと、見てないからそう言えるんだよ」

ルフィ「ウソだ!おれも皆も、もう知ってんだ!あの時、この国を滅ぼしたのは、」


突然の衝撃波。ルフィ達は不意を突かれ、吹き飛んでしまう。ステージの中心から離れてしまった。ウタが自らの周囲から吹き飛ばしたのだ。


ウタ「そう、Tot Musica。滅ぼしたのはシャンクスじゃない。分かってたよ。それでも私には、この道しか残されてはいなかったんだ」

ゴードン「ウタ・・・まさか!」

ウタ「ゴードン、ごめんなさい。私もう知ってるんだ。12年前、誰が「魔王」を呼び出したのか」

ウタ「海岸に落ちてた映像電伝虫の記録で。1年前に見た」


続いて、能力を使いドーム状の空間を作り出す。淡いピンクの空間はウタのみを中に入れたまま、他の人間には入る隙間すら与えない。ルフィ達は助けのための手をさしのべることはできない。


ルフィ「止めろ!中に入れろぉぉぉぉ!」

ウタ「無駄だよ。この世界では、私がルール。傷1つつかない」


-それに、ルフィは私を攻撃できない。当てる気も元から無かったんでしょ?


知っていた。ライブを行う1年前から。ゴードンが自分を守るために嘘をつき続けていたことも、シャンクスが本当に自分を捨てた訳でもないことも、この国を、人々を、殺したのは、自分だったことも。全部。全部。

それでも、いやそうだからこそ、「新時代」を創らなければいけないと決意した。例え自分が人柱になろうとも、それがせめてもの償いになるのなら。助かる価値が全くない自分を、血塗られた自分を知らずに、いつも笑顔で配信を見てくれる皆のために。そのためだけに、沢山の嘘をついた。「赤髪海賊団」への敵視。「海賊嫌い」の演技。過去の虚述。どんどん罪悪感が増すのを無理矢理抑えながら。だって私には、生きる価値なんてないんだから。これしか、道がないから。

ふと見ると、思い出の麦わら帽子。尋ねなくとも分かる。大好きな、「お父さん」の証。きっと同じ「新時代」を約束した、彼に託したのだろう。いっそ破り捨ててしまいたいとすら思っていたが、今はそんなことをするつもりもなくなっていた。

それに、自分の勝手な尻拭いに彼等を、優しくて大切な幼なじみを。巻き込みたくはなかった。


ルフィ「止めろ!こんなの、「新時代」じゃねぇだろ!お前が、お前が!一番分かってんだろ?!」

ウタ「ルフィ!これ!」


空間の境を突き抜け、ウタに投げ渡された麦わら帽子を受け取る。


ルフィ「待て、ウタ・・・」

サンジ「ウタちゃん、待つんだ!早まるんじゃない!」

ブルーノ「説得は無理か・・・?!」

モネ「あ、あれは」


ウタ「ルフィ、皆。来てくれて有り難う。最期に会えて嬉しかった。その麦わら帽子、大切にしてね。ゴードン、ごめんね」


寂しげな笑みを浮かべるウタの背後で、空間内に立ちこめていた漆黒のオーラは膨れ上がり、形を成す。歪な体格。鍵盤を模した四肢。満を持したように見せた、狂気一杯の道化。ちっぽけな抵抗を始めようとする彼女に、嘲笑う声を浴びせる。


ゴードン「おぉ・・・遅かった、全て、遅かったんだ」

コビー「あれが、魔王!」

ゴードン「Tot Musica・・・・!」

モネ「ウタ、早く逃げて!」

ゴードン「いや、彼女は、ウタは、心中する気だ・・・・!」

サンジ「何だって?」


耳をつんざくような金切りの咆哮。12年前の悲劇が、再び幕を開けた。

ウタは魔王と向き合った。自らの過去の清算を、自らをもってしてやり遂げるつもりなのだろう。ライブで見せた、甲冑とマントを再び身につけ、大きな槍を構える。


ルフィ「中に入れろ!死のうとするんじゃねぇ!本心も言えてないのに、勝手に決めるな!ウタぁぁぁ!」


ルフィは中に入り彼女を助けようと、ひたすらに空間の壁に拳を叩き込む。しかし、びくともしない。最早、誰にも対処はできそうになかった。


ゴードン「彼女は自らに責任を感じていた・・・自らの命をもって、全て終わらせようとしてるんだ」

モネ「それじゃ、まさか」

ゴードン「あぁ、ウタは1人で魔王を止めるつもりなんだ!全ての責任を取るために!」



地下掃討戦が終わりやっと地上に出てきた探索班も、城の中庭からその様子を見ていた。


チャカ「む、何だ、あの空間は」

ロビン「あの異形は・・・」

ロー「・・・どうやら、一歩出遅れたみたいだな」

ヘルメッポ「な、ななな、何だと?!じゃ、アレが、」

ロビン「そう、Tot Musicaよ」

クラゲ’s『えぇ~~~っ?!』

ブルック「歌曲の魔王、ですか」

チャカ「・・・感じるか」

ブルック「えぇ、分かります。この嘆き」


ブルックは、実の能力によって一度死から復活した経験を持つ。チャカもまた、アヌビス神の加護と生死を探知し司る能力を保有する。それ故に理解してしまったのだ。「魔王」の正体を。

怨嗟。孤独。嘆き。忘れ去られた悲しみ。怒り。それはだだを捏ねる子供のようであり、全てを諦めた大人のようだ。それは、忘れ去された楽譜と音楽家、そして無数の人々の負の感情。それが集合体となり、いつしか「魔王」に変貌したのだろう。


ロー「事態は一刻を争う。全員、中に入れ!」


皆、急いで展開されたROOMの中に入る。少しでも人数が必要だ。


ロー「シャンブルス!」



フランキー「ウソップ!お客人!待たせたな!」

チョッパー「無事で良かったぞ~!途中で天気が酷くなって・・・エッエッエッ」

ウソップ「来てくれて助かった!早く乗せてくれ!」

ペンギン「何か慌ててますけど、事件でも起きたんすか?」


ウソップ『よーし、ここにいれば合流できるだろ』

クイーン『しかし聞けば聞くほどに凄いな、お前の技術力!ウチに入れたいくらいだぜ』

ウソップ『それは嬉しいけど、無理だな。俺も、いっぱしの海賊なんだ』

クイーン『残念だな、ま!お前とフランキーとやらの発明、見せて貰うけど!・・・ん?』

ウソップ『何だ、急に曇ってきたな・・・』

クイーン『あ、アレ・・・』

ウソップ『え、何だよ・・・・ア・・・』

2人『ま、「魔王」だぁ~~?!』


ウソップ「ってことだ!だから早く、会場にいるナミとベポとシャチ、助けに行かないと!」

フランキー「そりゃ、絶体絶命じゃねぇか!」

クイーン「いや、待てよ・・・」

クイーン「多分だが、今現地にはカイドウさんや麦わらがいる。あのデカブツは抑えてくれるはずだ。それに、俺等が考え無しに援軍に行ったって、まともな対策はできねぇ」

ペンギン「それもそうか・・・」

クイーン「だが!何もしないのはもっと良くねぇ!俺達にできること、あるだろう?」

ウソップ「ま、まさか」

クイーン「そう!ここにいる科学の力を結集させ、遠方から火力支援を行う!これだ!名付けて「超改良・ブラキオランチャー作戦」!始動!」

フランキー「あー、名案だがネーミングセンスが駄目だな兄弟。そこは、」

チョッパー、ペンギン、ウソップ『そんなこと考えてる場合かぁ!』



ゾロとルッチは互いに手を止め、異常事態の発生を見ることしかできなかった。それほどに、「魔王」の力の強大さは尋常なるものではなかった。


ゾロ「何だ、ありゃぁ・・・?!」

ルッチ「チッ、しつこく抵抗するか、「歌姫」・・・!」


ルッチが横を振り向く。しかし、そこにウタの姿はない。2人の海軍大将も、カイドウも、ドラゴンもいない。


ルッチ「なっ、逃げられただと・・・」

ゾロ「おい!ハト!」


ゾロの呼びかけによって動揺が覚めたのか、ルッチは間一髪で魔王の光線を避けた。光線の跡にはところどころ延焼しており、その火力が如何に強大なものか、戦闘に詳しい2人は把握した。


ゾロ「これは、一時共闘だな・・・!」


ゾロが鉢巻きを頭に巻き、刀を再度咥える。


ルッチ「調子に乗るな、今だけだ!」

カイドウ「おっと、俺達も忘れるなよ。なぁドラゴン」


そこに、カイドウとドラゴンも加わった。互いに臨戦態勢だ。ドラゴンは既にいつもの愛くるしい姿ではなく、まさに西洋龍の名に相応しい出で立ちとなっている。背後の雷光が、圧倒的な「暴力」を演出しているように見えた。


カイドウ「・・・ま、せめてもの足掻きになるがな。俺等だけで「魔王」は殺せねぇ」

ゾロ「まだ何かあんのかよ!」

カイドウ「Tot Musicaは、現実と夢世界に同時に出現する。どういう原理かは知らねぇが、ヤツを基点として現実と夢が繋がる」



ゴードン「そのため、「魔王」を封印するのならば2つの世界から同時攻撃を続けなければいけない」

サンジ「じゃ、ウタちゃんはそれを・・・」

ゴードン「恐らく知らないだろう・・・私は、教えていない・・・」

コビー「そんな!」

キング「他に知っている奴はいないのか?」



カイドウ「恐らく、アッチの方にいる奴等は同時攻撃のルールを知らねぇはずだ。だからできるとしても足止めだ」

ルッチ「他に、この事を知っている者はいないのか」

カイドウ「いねぇな・・・いや、恐らくだが1人いる・・・アイツなら知ってるはずだ」


ゴードン・カイドウ『「赤髪のシャンクス」!』


カイドウ「おいドラゴン。シャンクスって言うのを連れてこい。えーっとな、取り敢えず赤い髪の人間だ。目に傷跡がある」


ドラゴンは師匠の言葉を聞くやいなや、できる限りの速力をもって戦線を離脱。「赤髪」の捜査に向かった。


ゾロ「・・・ここからが正念場だ。「魔王」の首は俺達が獲るぞ!それぐらいの気概を見せろ!」



現実世界におけるウタの身柄は海軍により保護され、船内の集中治療室にあった。命に別状がないとは言え人数も物資も逼迫している状況では、その生命を維持することで精一杯のようだ。

室の外で、2人の海軍大将が彼女の意識が戻るのを待っていた。心配しているわけではない。観客を救助するには、ウタ本人の能力解除が必須。


アラマキ「おい、無事に起きるんだろうな・・・!」

イッショウ「お気持ちは分かりやすが、あっし等が焦っても何もなりません。腰を据えて、判断と命令を下すだけでしょう」


『報告!敵襲!』


『突如現れた怪物が音符をかたどった異常存在を次々と生み出し、艦隊にも被害が及んでいます!』

『こちらC-2!至急救援求む!』

『誰か、た、助け、ギャア!』


頭上のスピーカーから、次々と悲惨な状況が伝えられる。Tot Musicaによる無差別攻撃が海軍艦隊にも及んでいるのだ。次第に、2人のいる本船の揺れも大きくなっていった。すぐに甲板に上がった先の光景もまた、嫌な予想が当たったような有様。未知の存在に為す術なく壊滅させられている。


アラマキ「チッ、しつこい野郎だ」

イッショウ「これは不味い・・・!」

「雷光槍=テンポ!」


見知らぬ声と同時に湧き上がった雷撃が、2人の背後に回った音符の異形を打ち倒した。


ナミ「さぁ、シャチ!ベポ!私達もやるわよ!」

ベポ、シャチ『アイア~イ!』

イッショウ「あんた達は・・・「最悪の世代」」

アラマキ「「ウソップ海賊団」!」

ナミ「ライブに来たら色々巻き込まれて、知らない内にここまで来ただけ。あんた達も少しは人手欲しいでしょ?」

イッショウ「・・・感謝いたしやす!」

ナミ「お礼、よろしくね♪」

アラマキ「噂通りがめついねーちゃんだなオイ・・・」



ロー「ルフィ!お前等も無事か?!」

ドレーク「ロー!チャカ!状況が不味い・・・!」

チャカ「あれは、「歌姫」・・・?!」


シャンブルスによって会場に到着した一同は、その光景を見て唖然となる。それは蹂躙だった。「魔王」は、まるで人形で遊ぶ子供のように、「歌姫」を一方的に痛めつけ、嗤っていた。歌ってくれてアリガトウヨ、お礼に最初にコロシテアゲル、とご機嫌そうに話してそうな雰囲気を醸し出しながら。ウタは最初こそ奮戦していたが、徐々に防戦一方になり、今やただ防御もできず攻撃を受け続けるだけだった。


ルフィ「止めろ!ウタに、ウタにこれ以上手を出すな!」


ウタによって張られた結界を、皆が揃って破壊しようと錯誤している。しかし割れる気配はない。彼女が入れようとしないのだ。未だ助けを求めてはいなかった。


ウタ「私が・・・鎮めるんだ、私が、何とかしなきゃ、皆が、ルフィが、・・・・私は、「赤髪海賊団」の、音楽家だよ・・・!」


最早身動きすら取れなくなってきているのに、何とか立ち上がろうとする。しかし力は尽きていた。魔王の腕に払われるように飛ばされ、決壊の壁にぶつけられた。


ルフィ「ウタ!開けろ!お前死ぬぞ!」

ウタ「駄目・・・開けたら・・・皆が・・・」

ロー「不味い、歌姫屋は満身創痍だ・・・!」

キング「・・・どうにかして、現世とリンクできれば」


そう、ゴードンが説明した通り現世と夢世界からの同時攻撃が可能ならば、「魔王」を粉砕できる。しかしどのようにして連携することができるのか。いくら力の強い面子を集めても、バラバラの攻撃では何の効果もないのだ。それさえ解決できれば逆転のチャンスができる。全員が頭を悩ませていると、ドレークが何かに気づいたように顔を上げた。


ドレーク「・・・そうだ、見聞色の覇気!」

ドレーク「見聞色の覇気を使えば、現世とも繋がるかもしれない!」


(続く)

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