ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates)4

ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates)4


※そろそろ、話の流れが原作のそれとは乖離していきます。

※新作映画ネタバレ厳重注意。ONE PIECE FILM RED (with Aniwara's Pirates) 3の続きとなります。あと違反点あれば即消します。

※放映終了間近に初めて『ONE PIECE FILM RED』を見て脳を焼かれた人間による駄作となります。なお、大まかな展開だけは覚えていますが細部までは原作のそれと一致していないのでご了承ください。そこまで記憶容量はなかった。

※また、ご都合設定や、あにわら概念の解釈が違う点が多々見受けられるとは思いますが、その点もご容赦していただけると幸いです。




さて、あの4人はどうしているのだろうか。


ロビン「ゴードンが言っていた計画・・・・・・本当なら世界が滅んでしまうわ」

ウソップ「嘘吐いてるようにも・・・見えねぇしなぁ」

ルフィ「何でだよ、ウタ・・・・・・」

ロビン「ルフィ、気持ちは分かるのだけれど、今は対策を練るしかないわ」



ウタと彼女が率いる観客・・・最早教祖と信徒とも言えるその集団に襲われる前に、近づいていることを察したゴードンにより、玉座の間から少し離れた地下室に匿われていた。彼曰く、「もしもの時に設けられた部屋だから、ウタも知らない」とのことだ。ベット、机と椅子くらいしか無い殺風景の中に、4人は息を潜めていた。


クイーン「てかあのおっさん無事なのか?」

ウソップ「そうだよな、何もされてなかったら良いんだけど」

ルフィ「・・・ウタはそんなことしねぇ」

ルフィ「ウタは、ウタは人を傷つけるような奴じゃねぇ!」

ウソップ「ルフィ・・・」

ロビン「確かに、ウタが何をしようとしているかは教えてくれたけど、肝心の動機が分からないわ。理由もなくこんなことをするとは思えない」

クイーン「ずっと見てたんだが、麦わら、お前ウタちゃんのこと「赤髪の娘」つってたよな。何かあったのか?」

ルフィ「・・・ウタはシャンクスの娘だ。おれが子供の頃、シャンクス達がやってきて、それでウタとも一緒に遊んでたんだ。お互いに「新時代」の約束もして・・・・・・シャンクスも、ウタも、「音楽家になる」って別れた。おれが知ってるのはそれだけだ」

ウソップ「まさか、親子喧嘩でもしたとか・・・・ないよな」

ルフィ「シャンクスもウタも大人気ないとこはあるけどよ、でも必ず謝るんだ。最後には」


揺れる。パラパラと、埃が落ちる。未だに捜索は進んでいるのだろう。


ウソップ「不味いぞ・・・沢山人が来てる分、その衝撃だけでも崩れそうだ」

クイーン「ん~ま、こんなもんか」

ウソップ「え?」


見ると、壁や天井と至る所に補修の跡が。


クイーン「今の手持ちだけじゃ十分にはできねーが、ま応急措置よ」

ルフィ・ウソップ『すっげ~~?!』

ロビン「フフ、有り難う。フランキーみたいね」

ルフィ「・・・あ、そうだ。ウソップのとこも、皆来てるのか?」

ウソップ「そうなんだが、良い場所を確保しようと思ったらはぐれちまって・・・多分、島のどっかにいるとは思うんだ」

ロビン「合流するのはアリね。一応、こちらは緊急時に使えるミニのろし(ウソップ・フランキー謹製)を持っているから、場所を知らせることはできるわ。見つからないようにしないといけないけど」

クイーン「じゃ、そののろしは最終手段にしとくとして・・・簡易通信機作るから待ってろ。お前等どっちかの船番に連絡はつくだろ」

ウソップ「ホント凄ーなお前」



サンジ「おい、誰か剥がれそうなやつとかいねぇのか?」


さて、ステージ上で四線譜に貼り付けられた者達は未だその状態のままだった。観客が揃ってルフィ捕縛に動き、がらんとした会場では彼等の声がよく響く。


モネ「無理・・・剥がれない・・・」

ドレーク「誰かに助けて貰わねば、どうにもならんな」

チャカ「そういえば、船に置いてきた2人とドラゴンは大丈夫だろうか?」

キング「・・・気づいていないか、それともしてやられたか・・・だからあんなに「飲み過ぎるな」と言ったのに」

クラゲ3「おい、お前大丈夫か?顔色悪いが」

『え?』


動かしにくい首を動かしてようやく見えたものは、無理な姿勢のままだったがために顔色を悪くしたトラファルガー・ローである。限界が近いようだ。


ロー「無理だ・・・・すまねぇ」

サンジ「ちょ、おま、吐くなよ?!絶対吐くなよ?!直撃するの俺だぞ!」

チャカ「むむ、至急どうにかせねば・・・・・・む?」


チャカが何かに気づいたのか、ブツブツと考え始めた。こうなると頭の回転が速いのが、一味の強みである。


チャカ「もしかして、この並び・・・何かしらの音を表す音符ではないか?」

モネ「・・・本当だわ、もしかして、沿って歌えば」

ドレーク「脱することができる」

クラゲ1「よ、よし、なら、さっさと歌って、」

キング「誰が歌う?こういうのは正確でないと効果は無いと思うが、音程を外さずに歌える者はいるのか?」


沈黙。


「それなら、私が歌ってみましょうか?」


下から、懐かしい声。


ドレーク「お前、ブルック!来てたのか」

ブルック「皆様、お久しぶりですね。私、クロッカスさんとラブーンへの土産話にしようと来ていたのですが・・・何やら私も巻き込まれたみたいで」

キング「・・・この者は?」

モネ「ブルックは、スリラーバーグで出会った戦友よ」

キング「ゲッコー・モリアとも相対していたのか・・・常々思うが、破天荒過ぎやしないか」

チャカ「とにかく助かった・・・ブルック、頼めるか。他の者を解放するためにも、飛ぶことができる者からで頼みたい」

ブルック「えぇ、勿論です・・・しばらく待ってください、もうすぐで、見えそうですから」

チャカ「よし、皆も協力するのだ。彼が見やすいように・・・」

ブルック「・・・・見えてきました・・・モネさんのp」

サンジ「んなこた良いから早くしろぉ!てかモネちゃんのパンツ見るんじゃねぇ!」


騒いでいると、目の前の空間が割れた。否、割れたと言うよりも、「開いた」という方が正しい。


コビー「皆さん、大丈夫ですか?」

キング「今度は・・・誰だ?」

コビー「海軍本部大佐のコビーです。皆さんがご存じの通り、このライブを、いえこの計画を止めるために、観客に紛れ潜入していました」

ヘルメッポ「鏡だ。これなら見えるだろ。人手がいるんだ、早くしな」

コビー「「麦わらの一味」、「ウソップ海賊団」、「クラゲ海賊団」の皆さんにも、是非協力して欲しいのです。今件にはCPのブルーノさんにも協力して貰っています」

ブルーノ「ドアドアの実の能力に限界があるようだ・・・今のうちに脱出しろ」

ロー「サンジ・・・すまねぇ・・・許せ」

サンジ「」

ドレーク「医者~!こいつだぁ~!」



イッショウ(まさか、ここまでとは)


雷雨の中始まった戦闘。しかし、戦闘においては敵なしの海軍でさえも、一瞬にして倒されてしまった。ウタウタの実の実力を知ったイッショウは、臨戦態勢を取ることもできずにいる。

何より恐ろしいのは、ウタウタの実によって影響を受けた人々を操ることができることだ。「悪い海賊がいるよ、皆やっつけて」の一言だけで、まるで夢遊病のように立ち上がり、起きているものを襲い出す。これでは反撃できない。イッショウは自らの持つ重力を司る力を有効に使えず、防御に徹する他なかった。


ウタ「良いの?何も反撃しないで。貴方もやられちゃうよ?」

イッショウ「あまり他人を巻き込みたくはねぇんです。お嬢さんとも、できれば無血で解決したい」

ウタ「だから、言ってるじゃん。幸せな新時代に連れて行く。それが解決策なんだよ」

イッショウ「・・・自らがネズキノコを摂取して、眠らないことで影響力を持続・・・そして副作用で死んだ後は皆夢の中で生きる・・・・・・誰もがこのやり方を受け入れられるとは限らんのですよ」


じりじりと、イッショウは受け身のまま海面まで追い詰められる。あと一歩下がればステージから海に落ちる寸前だ。能力者にとって海水は銃弾よりも恐ろしい凶器となる。


ウタ「悪いけど、おじさんも「新時代」には、いらない」

アラマキ「・・・・・・禁憎森々!」


一斉に植物をまとった怪物のように変身したアラマキがそれを食い止めるのは同時だった。小鳥の鳴き声や一面に咲き誇る小さな花、そして様々な植物が一気に盛り上がるのはまさに自然の怒りを表象させる。根の見た目をした触手がイッショウを追い詰めていた人々を捕まえ、身動きが取れないように吊し上げた。


アラマキ「おいおい、海軍大将がやられちゃ同僚として立つ瀬ないんだよな」

カイドウ「ウォロロロロ・・・・間に合ったようだな」

ゾロ「アンタ、ドレスローザで会った・・・・・・」

イッショウ「すまねぇアラマキさん。助かりやした」

ウタ「まだ、いたんだ・・・・・・邪魔者が」


空中には、小柄ながら悠々とドラゴンが旋回している。死角は無い。ついに「計画の実行犯」を追い詰めたのだった。



クイーン「おっし、完成だ。おい、お前等の船に繋げるんだ、番号とか信号とか教えろ」

ルフィ「んー、知らね」

クイーン「それでよくやってこれたな」

ウソップ「じゃ、じゃぁ、ウチの方に繋げてくれ。誰かいるはずだ」

クイーン「よーし、任せとけ・・・お、おぉ?んー・・・よし、繋がった。変わってくれ、俺じゃ怪しまれる」

ウソップ「はいはいっと、こちらウソップ、こちらウソップ・・・応答せよ、応答せよ」

クイーン「偽名とか使わねぇのか?」

ロビン「そんなことしなくとも、偽物の区別はつくから大丈夫よ」


フランキー「アウ!こちらフランキー、お呼びか?船長」

ウソップ「フランキー、今船か?」

フランキー「そうだな。チョッパー、ペンギンもいる」

ウソップ「分かった。今緊急事態だ。そちらに戻る。ルフィとその仲間のクイーンって人、後ロビンと一緒だ」

フランキー「おぉ、ルフィか。懐かしいな、それにアイツの仲間なら歓迎しないなんて有り得ねぇ!良いぜ、了解だ」

ウソップ「分かった。ただ、元の位置だと危険だ。だから、南の方に向かってくれ。俺達も廃城から南に向かう」

ロビン「・・・上手くいったようね」

ウソップ「よし、行くぞ!・・・ばれないようにこっそりと・・・」

ルフィ「なぁ」

ロビン「どうしたの?」


さっきまで俯き、麦わら帽子で表情が見えなかったルフィが顔を上げた。眼差しが真剣さを物語っている。


ルフィ「おれさ、やっぱウタと話つけてきたいんだ」

ウソップ「お、おいおい、ルフィ。今のプリンセス・ウタは正直言って危険なんだ・・・何されるか分かんねぇぞ。それに、ここはウタ・ワールドの中なんだ。もし攻撃されたら・・・」

ロビン「そうね、ウソップの言うとおりよ。気持ちは分かるけど、今は合流を先にしたほうが良いわ」

ルフィ「いや、おれは行く。悪いけど、3人で船に向かってくれ」


静止の声も聞かず、ルフィは出口から飛び出していった。まるで突風のような勢いだ。


ウソップ「お、おい!ルフィ!危ないぞ!」

クイーン「ま、決めたモンはやり通す奴だからなぁ・・・」



コビー達によって脱出できた一同は、城の片隅に避難していた。丁度ルフィ達とは真反対の位置である。ここは建物や橋、塔、渡り廊下からなる影により人目にはつかない。


サンジ「良かった・・・死んでしまうかと・・・・・・」

ドレーク「オペオペの実の能力で何とかできたのでは?」

サンジ「もっと先に言えぇ!」

コビー「よし、これで全員ですね。・・・2人とも出ていただけますか、後がつっかえているので」

クラゲ2「にしても、何すりゃ良いんだ」

コビー「僕達がやるべきことは3つです。観客の避難、ウタさんの説得と必要時の実力による拘束、そしてTot Musicaに関する調査です」

コビー「まず観客を避難させることですが、これはウタさんの説得と同時に行います。ウタさんによる妨害を躱しつつ行わなければいけません。比較的戦闘に優れた人に担当をお願いします」

ブルーノ「現実の方でも、我々CPと海軍が「歌姫」との対応を行っている」

コビー「そして後者の方ですが、Tot Musicaなるものについて、皆さんに知ってもらわなければなりません」

コビー「それを一言で言うならば、まさに魔王です」

チャカ「魔王?」

コビー「はい。その超常存在は、数百年前から長きに渡りこのエレジア並び周辺海域に出現し、そして必ず甚大な被害をもたらします。それは、12年前、このエレジアを滅ぼした「赤髪海賊団」による所業を遙かに超える規模、と推測されます」

モネ「・・・「赤髪」が、このエレジアを滅ぼした?」


一同にとっては信じられない、寝耳に水だった。船長が最も尊敬する海賊、あの「赤髪のシャンクス」が、そんなことをした、だなんて。確かに今いる場所は廃墟になった城であり、周囲を見渡してもまるで戦災の跡。人為的でもないとおかしいと思えるような規模の破壊だ。だとしてもそのようなことをする人間を、ルフィが憧れるなんてそれこそ有り得ない。

また、これ程の破壊を引き起こすことができる魔王の猛威。最悪の事態に陥ったとき、自分達でその怪物を食い止めることはできるのか。


ヘルメッポ「お前等の気持ちは分かるぜ、あの「赤髪」がそんなことするか?って話だ。だが、世間ではそれが常識になっている。海軍本部でも未だに議論されているがな」

コビー「魔王はウタウタの実の能力者が能力を使用したときに発動します。今までの調査でも、ほとんどの原因がそれでした。ですが、どのようにして魔王を鎮めたかは不明です。そのため、皆さんの助力が必要なのです」

チャカ「成程な、となると必要なのは適切なグループ分けだ」

クラゲ2「俺達は調査の方、行かせて貰う。ここら辺の海域とかについては詳しいつもりだ」

キング「俺はステージに向かう」

サンジ「ちょっと待ってくれ、コビー」

サンジ「こんな時に悪いんだが、俺としてはサニー号に向かいたい。残り2人の仲間と1匹が無事か、確認したいんだ」

モネ「それに、人員は多い方が良いでしょう?もし彼等が無事なら、助けになるわ」

コビー「そうですね、それではモネさんとサンジさんはサニー号に行ってください」

ドレーク「俺もキングと共にステージに向かおう」

チャカ「私としては・・・ルフィを捜したい。彼の安否を確認したいのだ」

ブルック「それ、私も脳の片隅で考えてました。まあ私、脳無いんですけどぉ~!」

ロビン「それじゃ、遺跡調査には私も行くわ」


ふと背後から声がした。驚いて振り返る、そこに懐かしい姿が。


一味『ロビン!ウソップ!』

キング「何だ、能無しもいたのか」

クイーン「失礼だなテメェは」

コビー「協力してくれるんですか?」

ロビン「私だけになるけれど。ウソップとクイーンは、私達の船に合流することになってるわ」

コビー「分かりました、ヘルメッポさんは調査班の統率を。ブルーノさんは観客の避難に。僕はウタさんの説得を担当します。皆さん、連絡を取り合っていきましょう。よろしくお願いします」

ロー(用を足している内に何か決まってるんだが・・・)

コビー「あー、ローさんは、調査班でお願いします」



・簡潔な現在の情勢


【現実世界】

ゾロ、カイドウ、ドラゴン、藤虎、緑牛:ウタと対峙。一触即発。


【ウタ・ワールド】

①ルフィ:現在、単独でウタの説得に向かっている。

②チャカ、ブルック:ルフィ捜索。

③モネ、サンジ:サニー号を目指す。いるであろう仲間と合流し、ステージに向かう。

④ヘルメッポ、ロビン、ロー、クラゲ海賊団:魔王に関する調査のため城内に留まる。

⑤キング、ドレーク、コビー、ブルーノ:ステージに戻り、観客の避難とウタの説得を担当する。

⑥フランキー、チョッパー、ペンギン:ウソップ海賊団留守番組。船に乗り少し離れた小島からエレジア南側(ステージと真逆)に向かう。

⑦ナミ、ベポ、シャチ:ウソップ海賊団上陸組。未だ話には出てはいないし出すかも分からないが、会場の何処かにいる。

⑧ウソップ、クイーン:⑥との合流を目指し、南下。

⑨ゴードン:現在拘束されており、行動不能。

⑩ウタ:現在も観客と共にルフィの捜索を行っているが・・・



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