Nastily Exhausting Wizarding Tests (5)

Nastily Exhausting Wizarding Tests (5)

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大鍋もデミガイズ達も撤収したレイブンクローの談話室で、ダンブルドア少年は7年生の女生徒が「次は何して遊ぼうかな」という顔をしているのを見て話しかけた。

「先輩、先輩がN.E.W.T.を受けるに当たって1番不安に思ってる教科が何か、僕当てられる気がします。………セバスチャン先輩も同じ理由で同じものが1番不安な筈です」

「え、そう?わかる?そんなに顔に出てる?」と驚いたように訊き返す女生徒に、ダンブルドア少年は言う。

「いえ顔には出てませんけど。闇の魔術に対する防衛術の実技、ですよね?」

ダンブルドア少年のその指摘に女生徒が思いっきり渋い表情を作って頷いたことは、周囲の7年生達を驚かせた。

「はあ?!『防衛術』の実技?お前より上手くやれる奴なんて居ないだろう?」

監督生バッジをつけたグリフィンドールの女子が声を上げたが、何やら察したらしいオミニスは杖の先を赤く光らせながら、女生徒とセバスチャンに咎めるような視線を向けている。

「気にする分別を持っててくれて嬉しいけど、身から出た錆だよ。それは」

オミニスのその発言で察したらしいギャレスも続く。

「あー、あぁー。そりゃ不安だろうね。わかってると思うけど僕、友達がアズカバン送りになるところなんて見たくないからね?わかってると思うけど」

ギャレスのその物言いで、周囲の生徒もこの「闇の魔術に対する防衛術」の成績トップの2人が何をそんなに不安がっているのか理解した。

「O.W.L.の時は闇祓いの人と模擬決闘したんだけどさ」と女生徒は語り始める。


「インペディメンタ!ステューピファイ!ルーモス!フリペンド!」

今年からホグワーツに「編入」してきたその5年生の呪文を、対面している闇祓いの男性は服の埃でも払うかのように軽々と防いでいる。

「くあー!やっぱ密猟者とはまるで違うなあー!」

闇祓いの男性が次々素早く放つ呪詛を女生徒は避け、「盾」で防ぎ、躱す。

「っ!、シレンシオ(黙れ)!」

女生徒が杖を持っているのとは逆の手でマンドレイクを取り出したの見て闇祓いの男性は一瞬ぎょっとするが、それでも即「黙らせ呪文」で対処した。

女生徒は黙らされたマンドレイクを火薬がギッシリ詰まった樽に変え、飛ばす。

「イモビラス(止まれ)!」

しかしそれも「縛り術」によって空中で静止させられた。そしてまた闇祓いの男性が女生徒に向けて呪詛を連射し始める。

(うううーーーー強いなぁこの人!どうすっかなーーーー!!)

「アバッ、アベルト(開け)!」

女生徒が咄嗟に唱えた「開門術」によって、闇祓いの男性が着ている闇祓い局の制服の、いくつものボタンでキッチリと留まっていた上着の前が大きく開かれた。


「「『アバダ・ケダブラ』って唱えそうになってね…………」」

レイブンクローの談話室で皆の注目を浴びながら、女生徒とセバスチャンはバツが悪そうに声を揃えた。女生徒もセバスチャンも「防衛術」のO.W.L.は結果として最高評価だったが、実技試験「現役闇祓いとの模擬決闘」にて進退窮まって危うく、禁じられた呪文を唱えそうになったのだ。

「自分で自分が信じられなかったよね」と女生徒は振り返る。

言語道断の悪党相手で自分の命も危険ならともかく、試験の場で闇祓い相手にもし唱えていれば、言い訳など効かなかっただろう。それは本人達しか知りようのない『最大の反省点』だった。

「2人とも、クッキー食べるかい?」

オミニスがセバスチャンと女生徒の方に歩いてきて言う。

「唱えそうになったけど、唱えなかったんだろう?『アバダ・ケダブラ』。僕はそんな2人が好きだよ。ほらこれ、僕の手作りなんだ」

オミニスがそう言って可愛らしくラッピングされたクッキーを手渡しながら指摘したそれもまた、事実だった。2人はあの時確かに踏みとどまったのだ。それは、ともすれば闇の魔術に呑まれていたかもしれない2人の、成長の証と言えた。

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