Meteor shower
「流星群を見に行こう」
見知った相手…アースから誘われた。
寒くなるだろうから防寒具一式とホットココア、天体観測の道具を持って出かけることにした。準備している最中、ジオからの「頑張れよ」の一言が変に緊張させる。
「そういえば流星群といってもどれだろう…牡牛座流星群だろうか…獅子座流星群だろうか…」
そういえば夏、北海道にいた時に「彗星を探しに行こう!」と深夜にいきなり言われて、東の空が明るくなるまで探した挙句、門限破りで色んな人から怒られたっけ。今回は同じ轍は踏まない。
「待たせ過ぎちゃったな…アースに会ったらすぐに謝らないと…」
そんな事を思いつつ、待ち合わせ場所へ向かった。
…………
「遅い…イクイ…こんなに待たせて…」
自分から誘ったのもあるが、男性は女性を待たせるべきではないと雑誌に書いてあった。
「まあイクイの事だし、ジオ辺りに捕まって、『これ持ってけ』って言われたかどうかしたんでしょ。」
心の中でそう思う事にした。彼女にとっての意中の相手…即ちイクイの事だが、彼が約束を破った事はない。
そうこうしていると聞き馴染みのある声が聞こえた。
「お待たせ、アース。遅くなった。」
「遅い。」
「ごめんて!」
この場所は二人しか知らない場所…という訳ではないが、昔からよく二人で星を見たところであった。遠くに少々の街明かりが見える以外、殆ど民家の明かりなどがなく、星を見るのに絶好の場所であった。
「流星群、ちゃんと見れるかな…」
「まあ私たち、あれのせいで夏は外出禁止になっちゃったからね」
「ホントだよ…貴重な夏休み、映画も花火もショッピングも海も碌に行けなくなったから…」
そういった他愛のない話をしていると、一筋の光が夜空にすっと光り、消えていった。
「あっあれ流星群?」
「確証はないけど、多分そうじゃない?そうであってくれ…」
そうして、夜は更けていった…