Mの追憶/新たなる探偵 幕間

Mの追憶/新たなる探偵 幕間



メモ帳に書いてもらった目的地である乃井さんのお家についた頃には人通りが少ない宵の頃、ときめが一緒じゃなければ礼音みたいにおまわりさんに注意されかねない時刻だ。


「もしも~し、礼音。さっさとかえってこーい…ご飯冷めちゃう」

私はお家に帰って礼音にざっとした過程を電話口に説明した。

「わりぃ、すぐに用を済ませてすぐに帰っから母さんにでも伝えといてよ」

「もしかしてさぁー半年前の事件追ってるの?鮫さん怪人のやつ」

無言がちょっと自室を通過する。

「鮫ドーパントは親父の手によってなんやかんやありつつも捕まったのになんでそう思ったんだよ?」

「シェリーちゃんの首輪可笑しかったから。千切れてるのに道中で落とさず、ギムくんの元まで届いて所持されていたんだよ?」

「なるほどね。夏葵、探偵向いてるんじゃないのぉー」

「茶化してニヤニヤするな」

「してない。夏葵を褒めてる」

あ、これは礼音の発言が真っすぐで照れちゃうってば…

「なるはやで帰ってきてね。最近は二人で居ること少ないじゃん…翔兄ちゃんのこと、一人きりで背負うとしてるんじゃないの?」

「いや、そんなんじゃねぇよ。帰宅時間については善処する」

「うむ、よろしい」


実はギムくんの正体についてある程度の考察がある。これが合ってるなら、いいえ、違っていたとしても昔みたいにもっと触れ合う目的に踏み込む心の口実になるはずだもの。

というか…

「礼音と話をしていたのか。晩御飯お先に頂いたよ」

それでも良いけどさぁギムくん隠す気ないよね?緑茶も冷蔵庫に備蓄されているし、帰る時はフィリップさんみたいにびゅーーんと帰れるからぎりぎりまでココに居るつもりみたいだ。

「にゃんと!先に食べたのならおかずなにか知ってるんでしょ。教えろー私もうお腹減ったよー」



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