Mの追憶/新たなる探偵幕間

Mの追憶/新たなる探偵幕間



「んんぁ〜、アタシこの依頼パス」

礼音は、私たちに向かい手を振ってそのまま帽子を被る。

「礼音待ってよ!」

「じゃあまたね。少年」

ナップザックを背負い事務所から出て行ってしまった。



「ときめさん、礼音ほっといて良かったの?ハードボイルダーもないし…」 

「大丈夫。冬美さんがスタッグフォンをこっそり忍ばせておいたから、いつでも連絡出来る」

「お母さん、いつの間に。相変わらず手先器用なのだ」

ふむふむ、私には普通の一般家庭とは違って母親が二人居る。お父さんの元に押しかけてときめさんとも仲良しな関係性のまま愛人ポジションになったのがお母さん、私の産みの母親である。あとは風都を騒がした怪盗でもあった。

「それに犬耳カチューシャ付けて、更にかわいいナツと歩くのも楽しくて嬉しいな」

Tシャツにも触れて欲しかったとちょっぴりわがままだけど思う。多種多様のワンワンが犬って文字列に並んでるとってもキュートなTシャツなのに、お留守担当してるお母さんとギム含めて制服から着替えて聞いてみても感想を言ってくれないんだもん。ふてくされちゃうよ。

「…それは私だって嬉しいかな。ときめさんの犬耳も凄くカワイイよ」

「ありがとう」

ときめは後ろから私をハグしてきた。


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