KAWAII? or Not KAWAII?

KAWAII? or Not KAWAII?


月島とダルヴァから少し離れ戦い始めるリルカとマツィヤ

「テメェからさっさと情報を貰って終わらさせてもらうぜ」

「あたしだって速く終わらせたいのよ!」

リルカとしても速く終わらせるためには...

至近距離までコンクリートの助けを受けて地面を蹴り 右手からハートをふよふよと飛ばす

当たり屋のような勢いで進むリルカから放たれたハートはシールのようにマツィヤに張り付いた

(後はもう"許可"して閉じ込めて逃げれば...)

そうリルカは考えていた...だがそう上手くはいかない そもそもマツィヤが何も出来ずにハートを受け止めたのはようやく『正解』を発見し自らの力の確信を掴んだからだ

「そうかわかった テメェがさっき見せた走法そして受けた能力!それは俺も知らず扱っていた"違和感"の正体!俺自身にある本来魂の骨格!!

まるで背骨に小骨が全部くっついて取れた時のような高揚感だぜこの ざぁこ!!

自らの手のひらを斬りその傷口から魚が飛び出る

「話は聞いてたけど...キモいし"カワイくない"! あっ」

どう考えても絵面がカワイくない ドールハウスの「大好き」「カワイイ」と思っている物という条件を一気に満たせなくなる

つまり...どういうことかというと

「生臭過ぎよーー!!!服に匂いついちゃうじゃない!!これ高いんだからやめないさいよ!!!」

リルカは何もかも捨て置いて魚から逃げた 面子だの体裁だの月島など放っておいて逃げた

マツィヤは追撃はせずダルヴァから預かっていた発信機をリルカに着けておいてその場は逃がしておいた

月島もダルヴァが凌ぎ切りマツィヤが早々に戦いを終わらせたのを見て退却したようだ

「...それと冷静になって俺も考えてみたが俺の能力 どうやら調理も関係するみたいだな

つまり俺は死ぬほど嫌いな魚をベタベタ触って調理しなきゃならないみたいだし...最悪だろこの能力 いやまあ確かに愛がなきゃできないがよ」

ちなみに"魚"に関することなので確信した後は即座に能力の詳細が手に取るように分かった

「ふ...儂もマツィヤも陛下にふさわしい者として成長を遂げたようじゃな」

「いつも思うが誰なんだよ陛下...」

とりあえず能力は一度ダルヴァで毒見させておこうと思うマツィヤであった

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