Jealous
ずるい注意
ダイス未確定設定の捏造要素有
✂カロリナ入手経路・時期
「久しぶりクロ!」
部屋に飛び込んで来るなり土産と称した戦利品を海図の上にバラバラと広げだす兄にクロコダイルは心中ため息をつく。
定期的に拠点にしている島を変えているのにどこから嗅ぎ付けてくるのか、何故インペルダウンをホテルの様に気楽に出入りできるのか、謎の多いこの兄の存在に慣れはすれど毎回疲れることには変わりはない。
おまけに今回はやけに大きな品まで背負ってきているのが目を引いた。
「それは⋯⋯鋏か?」
キャメルはパアッと顔を更に綻ばせると身の丈ほどあるだろう巨大な鋏をスラリと抜いて差し出し
「カロリナだよ」
と、まるで恋人にかけるような甘い声にクロコダイルは以前話していた師匠とやらの紹介で自分の道具を作って貰える事になったとはしゃいでいた事を思い出した。
想像していた倍異常の大きさに驚いたがまるで昔から兄と一緒にいたかの様に馴染んでいるその姿は如何に素晴らしい作り手だったかを物語っている。
「女は嫌いだと思っていたが」
「彼女は別だよ! こんなに見目麗しい女性は二つとないから! これから何処にいようと一緒かと思うと本当嬉しいっ⋯⋯!」
うっとりと刃をなぞり貰い受けてからここに来るまでにあらゆる“もの”を切り伏せ満足させたかを話だす。
彼女は完全にクロコダイルの気難しい兄を虜にしているようだった。
「ところで、ショコラはどうした」
「この島で予約していたお菓子を受け取りに行ってもらっているよ」
「⋯⋯これで全部じゃないのか?」
「? 当たり前でしょクロの分もあるんだから。あっ! もう近くまで来てるね迎えに行ってくる!」
じっくり見て良いよと手渡された鋏の重みにほんの一瞬驚いた次の瞬間にはキャメルはもう愛しい愛駱駝の元へと飛び出して行ってしまっていた。正に嵐の様な一連の出来事にもう一度そっと息を吐く。
「どこにいようと一緒だとよ」
「かわいそうにな」