Inbreeding Act II
一週間前の夜、僕はお姉ちゃんと初めての体験をした。
とうてい大きな声で言えないようなことを。人前では到底できそうもない事を。
それからお姉ちゃんは僕に、人がいない所で何度も何度もやってきた。
まるで、昔のお姉ちゃんとは別人みたいだった。
みんなに言えるはずが無かった。
相談できるはずがなかった。
先輩や、キタさん、そしてトレーナーさん。
恥ずかしいんだ。こんな僕が。
「シュ〜ヴァ〜ル〜?」
耳元で、聞き慣れた声がした。
「姉さん・・・もうやめようよ」
震えながら、言った。
「シュヴァルは私のことが嫌いなの?」
「違っ・・・!そんなわけじゃ・・・!」
「好きな人とする事は自然なコトだよ?お父さんだってお母さんとしてるんだよ?」
「そういうことじゃなくて・・・もし赤ちゃんができたらどうするの?」
「シュヴァルの赤ちゃんなら、私は産んでみたいよ?」
「でも・・・僕たちはまだ学生で・・・」
「みんなやってるよ?」
「・・・」
「自分の気持ちに素直にならないと、良くないよ?」
「・・・!」
また、言いくるめられてしまった。
「・・・お姉ちゃん・・・ヴィブロスが部屋の外にいるのにする気なの?」
「声を出さないようにすればいいでしょ?それとも・・・見られながらしたいの?シュヴァルはいけない子だなぁ♡」
「そうじゃなくて・・・!」
「そうだ!今度は三人でしようよ?きっと気持ちいいよ?」
「だめだよ!」
「じゃあシュヴァルのトレーナーさんも呼んで四人でしちゃう?」
「・・・!」
「したいんだね?」
「・・・そんなわけじゃ・・・!」
「また嘘ついちゃって・・・悪い子ね♡」
その日のお姉ちゃんは、今まで見たこともないような、楽しそうな顔をしていた。