He doesn't know anything again.

He doesn't know anything again.

あざとカワイイけどっょぃ後輩キャラはヘキです


ワンクッション!

23皐月くんとおじs速度大師さん

そして巻き込まれるファ



「せんぱい相談があるのですが!」

朝練終わりでこちらがややくたびれてる所にやってきた、同じく朝練終わりの後輩くん。……なんでそんなに元気なんだ。若さか?若さなのか?

「何?トレーニング系のことなら俺じゃなくて──」

「あ、いえ!シュネルせんぱいとのことなんですけど……。」

出てきたのは俺から見たら後輩で、こいつからみたら先輩の名前。そういえばえらく懐いてたっけ。何かトラブルでもあったのだろうか。

「えっと、今度シュネルせんぱいに告白しようと思って!」

「えっ」

「たぶんOKはもらえると思うので、そのままの流れでお泊まりまでいくつもりなんです。いえつもりじゃなくてしたいです!だから」

「待っ」

「どこかイイ感じのホテルないですか!?」

待って待って待って、急展開すぎておじさん話についていけないんだけど?君の皐月賞ばりの追い込みかけないで??

……そして俺は考えるのをやめた。キラキラ(いやギラギラ?)した目で見てくる後輩の視線に負けて、ちょっと面白そうだと思い始めたのだ。

しかしねぇ、ホテル……ホテル……。親父のとこしか浮かばないなぁ困ったなぁ、あそこ紹介してもいいんだろうか……。

いや、むしろあんな場末のさびれたホテルなら誰かと鉢合う可能性減らせるし好都合なのでは?

「まあ、一軒だけ知ってるよ。場所は……。」

ひとまず親父の売上に貢献することにしよう。

────────

「てことなんで、もしかしたら俺の後輩たちがくるかも。」

一応親父に知らせとくかと、要らない手回しをしておく。たまに客が来なさすぎて早めの店じまいをすることがあるからだ。親父は真剣に読んでいるのか分からない新聞から顔を上げずに返事をした。

「その日、おまえが受付やるか?てかやれ。そのほうが面白ぇだろ。」

面白いじゃなくて気まずいの間違いじゃないか??でも俺に拒否権はないんだよなぁコレ。

────────

その日。

結局受付に座ることになった俺はほぼ一日を暇に潰した。ほんとに暇だった。暇すぎてサイコロを転がすことにさえ飽きてきたところだった。入り口に客が来たらしい気配がある。ということはつまり。

「えへへシュネルせんぱい、ぼく嬉しいなぁ♪」

嬉々として腕に巻きついてるソールと、それが満更でもなさそうなシュネル。あーあーなんか幸せそうデスネ!!

二人が選んだ部屋の鍵を差し出すと、どうやら俺に気づいたらしい二人はさすがにびっくりした顔をしていた。そりゃ驚くわな。

「えっあっ、お疲れ様です??」

シュネルはテンパって普通に挨拶してきた。挨拶を忘れない真面目でいい子だね君は。

「せんぱい!いいホテルですねここ!改めてありがとうございます!」

ソールのほうは受け入れるのが早いようで。やっぱり若さなのかなぁ。実はシュネルもおじさんらしいし?でも妹と同い年だから違うんじゃ……?それはさておき。

シュネルからどういうことだ、みたいな視線が向けられる。彼には後から説明をするとしよう。

「まー俺は何も誰にも言わないからさ、どうぞお二人でごゆっくり……」

「せんぱい暇ですよね?一緒にどうです?」

「ファっ?!」

「さっき厳つめのオーラのひとが『受付のやつも混ぜると大層盛り上がるらしいぜ?なんでも幸せの青いナントカって言って、円満な関係になれるって評判なんだとよ?』ってアドバイスを……」

あんっっっの、クソ親父…………!!!!



それでどうなったかって?

そんなの俺が知りたいね。

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