G-5の日常
注意
・エミュがガバい
・わちゃわちゃしてる
・ある一日の話
・短い
・スモーカー視点
・その他もろもろ
注意を読んだうえで大丈夫でしたらどうぞよしなに。
この支部は騒がしい。
毎日『スモやん』と呼ばれるわなんか知らんがトラブルを持ってくるわ海賊を苛めるわ、静かな瞬間はねェのかと言いたくなる。
「おはようスモやん!今日も早いな!」
「おはよー!今日の朝鍛錬一本付き合ってよスモさん!」
「ったりめえだ、仕事もあるかから早いに決まってんだろ。お前はこれからだな。トップバッターでいいか?」
「おう!」
朝っぱらから元気でうるせェ奴らと会話しながら訓練場へ向かう。
「おはようございます!」
「おはよう。今日の調子はどうだ?」
「今日もばっちりです!」
たしぎの挨拶に挨拶を返して中へ入った。
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「ひー、やっぱスモやん強いなァ...」
あっさりと音を上げた奴に十手ではなく訓練用の竹刀を突きつけると余所から声が上がった。
「スモやん!次おれの番!」
「テメェらで順番でも決めてんのか?別に構わねえが...全員負かしてやるよ。」
朝の鍛錬を終えたあとには食堂に行く。
「(スモークチキン定食...やっぱりこれだな)」
日替わりにあると必ず選んでしまうそれをお盆に乗せて混み始めたテーブルの空きを確認していると、
「こっち空いてるぜスモやん!」
と声が掛かる。
「おお、ありがとう。」
「スモやんまたそれか?」
「美味ェから良いんだよ。」
隣にちょうど置いてあった灰皿に葉巻を置いてメシを食うことにした。
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「スモーカーさん、損壊した物品の補充に関する書類です。」
「ッたく、彼奴らは...もう少しモノは丁寧に使えと掲示板に貼り紙で通告しておけ。」
「...スモーカーさんも割と破壊しがちな気がしますが。」
「うっせェ、わざとじゃねェよ。おれも含めて気をつけるってこった。」
支部内の執務室で書類を片付ける。
海賊の襲来や通報がなければデスクワークが意外と多いというのは中将になってから身を以て理解したことだ。
片付けても片付けても中々減らない書類には流石に疲れてくる。
ぐっと伸びをしたところで電伝虫が鳴ったので受話器を上げた。
「なんだ。」
それはよく知る01部隊の部下の顔に擬態した。
『報告!支部の下街に海賊が出たって通報!見回り中でちょうど近くに居たから数人と急行する!』
「...海軍支部のある街で暴れるなんて、アホは何処にでもいるモンだな。」
傍らに立て掛けていた十手を握る。
「お前は他の奴らと協力して民間人の保護を優先しろ。おれはたしぎと急行する。」
『了解!』
電伝虫による通話が切れた。
「聞いてたな?」
「はい、勿論です。行きましょう!」
たしぎと現場に急行して海賊を捕縛する。
「うわァ!?」
「げえ、白猟のスモーカーだ!」
「ホワイト・アウト!」
01部隊の奴らの迅速な活動によって怪我人や逃げ遅れもいないおかげで全力が出せる。
すぐさまその場に居る海賊どもを全員ひっ捕らえて支部の拘留所へと運んだ。
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「ヘッ、ざまあみやがれ!」
「ウワーッ!こいつら本当に海軍かよ!」
「イジメんのは程々にしとけ。ちゃんと法で裁いてもらわないといけねェからな。」
「程々もダメです!」
「だってよォ大佐ちゃん...」
拘留所の奴らに海賊を任せて時計を確認するとだいたい昼頃になっていた。
「ぼちぼち昼飯か...」
食堂のメシはいつでも美味い。
朝とは違い見回りついでに外で食うやつも多いのか、あまり混んでいないようだ。
ランチにカレーを頼み、どこに座ろうかと思っていると隅の方に腕に包帯を巻いた奴を見つけた。
近づいて隣に座る。
「お、スモさんも今からメシか。おれも今食おうと思って据わったとこなんだ。」
「...お前、怪我は大丈夫なのか?」
この間海上で海賊と戦ったときに怪我をした奴だ。
「大丈夫だぜ、スモさん。おれこれでも結構回復早いから。でも心配してくれてありがとう。」
「そりゃ心配もすんだろ。まあなんだ、今度戦うときはやられないように気ィつけろよ。」
「おう!」
昼飯を済ませて再び書類仕事に戻る。
「はァ...」
葉巻をふかしながらひたすら黙々と作業していると、扉を蹴り開けようとするかのように荒いノックの音が響く。
「要件はなんだ」
『資料室から資料持ってきたから開けてくれねえか!?手が塞がっちまって!』
「あー、あの資料か...ちょっと待ってろ」
右手で書類を書きながら煙にした左手を扉の前で実体化させてドアノブを回す。
「ふー...危ねえ危ねえ、破れたりしたら洒落にならないからな...ありがとうスモやん!」
「ん。見つからねえのもあるかもしれねェと思ったんだがどうだった?」
「全部あったぜ!」
『超新星』と呼ばれるルーキーどもの動向を調べるための資料。
本部からの繰り下がりで届いたものには検閲が入っているかと思いきやそうでもなかったらしい。
「こっちはハートの海賊団、これはユースタス・キャプテン・キッドについての資料、こっちが麦わら...麦わらのだけやけに分厚いな。」
「まあ世界の権力握ってる奴らに対して色々と『しでかして』やがるからな、彼奴らは。」
司法の塔にある世界政府の旗の破壊、頂上戦争に乱入した麦わらによる盤上の引っ掻き回し...何故かパンクハザードに上陸したりワノ国へ他の奴らと上陸して暴れ回ってカイドウとビッグマムを打ち倒したとも聞くし...
「(...いつか捕まえてやる)」
そう心の中で決意して資料を机に置いた。
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夕方、一応の退勤の時間になる。
結局昼を過ぎてからは海賊の襲来のような大きい案件は無かった。
「これは明日でいいな...」
期限に余裕がある資料は後回しにして明日続きから再開できるように分けておく。
「貼り紙もしとかねェと。」
簡単に紙に注意を書き、下半身を煙にして滑るように移動しながら支部内の掲示板に貼っていく。
「スモやんおつかれー!」
「おつかれさん。」
「そういや今度の訓練場清掃で最後の報告って誰にするんだっけ。」
「お前03だったよな。じゃあ彼奴だよアイツ、コートの毛先が赤い。」
「あー!あの大佐か!ありがとうスモやん!」
「まあおれがあいつらに仕事振ってるからそれくらいは...そうだ、サボらずにやれよ。前みたいにボール投げとかやってやがったら部隊全員ホワイトランチャーで殴るからな。」
「ひどい!?」
今日済ませておきたい作業は全て終わらせた。
夕食は面倒になって保存食にしたがたまには良いだろう。
「...なんだ、テメェら残ってたのか。」
支部の机と椅子くらいしかないような空き部屋に本を持ってきて勉強していたらしく、何人かが残っている。
「スモやんって海図読める?」
「基礎はやるからまあ簡単になら。分からねェとこでもあるのか?」
「全然海図が読めなくて...基礎もさっぱりだし、でもそういう機会が訪れたときに出来なきゃ困るしよ...」
「じゃあ30分で簡単なところだけ教えてやる。」
「ありがとうスモやん!」
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簡単にコツやポイントを教えたところでもう夜も遅くなりつつあることを思い出す。
「明日も早いからそろそろ切り上げるか。お前らもぼちぼち終わっとけ。」
「はーい。スモやん、コツとか教えてくれてありがとう。」
「別にそれくらい構わねェよ。まあ担当のやつの方がもっと細かく教えてくれるだろうがな...」
部屋を出て葉巻の煙をゆっくりと吐く。
今日は通報や出動も少なかったが、それはそれとして色んな奴に呼ばれたりなんだったりと何処か忙しい一日だったような気がした。
だが、ここに居る奴らがドタバタぴーぴー煩いのも死んだように静かでいられるよりは悪くはないことを再確認できる。
「...明日も頑張るか。」
明日やらねばならないことを再確認しながら、ゆっくりと基地内の仮眠室に足を向けた。